野球狂の詩 その後

 

 

♪〜♪〜

電話の着信音が鳴り響き、先生は顔を上げた。

「・・・悪い。電話」

「・・・もう」

良いところで中断され、僕は不満げに頬を膨らませる。

かといって、電話に出るなとは言えない。

先生は口元をぬぐうとベッドを降りて、テレビのボリュームを下げた。そのまま受話器を取って話し始める。

僕はベッドの端に腰掛けると、音量の小さくなったナイター中継に視線を移す。

今日は中継の延長が無い。だからちゃっちゃとやろまい、と言って僕をベッドに誘ったのは先生の方なのに。

その先生は、電話の相手と談笑している。話しぶりからすると、古い友人のようだ。

「――なにー、タメ吉こっち来とるんか。ほんなら今度飲みにいこまい」

・・・タメ吉?

人のことは言えないけど、ずいぶん古めかしい名前だ。・・・いや、さすがにあだ名だろうな。

何とはなしに先生の会話が耳に入る。テレビでは、ドラグーンズが一点入れたところだ。ふと先生を見ると、よし、と小さくガッツポーズを取っている。

・・・電話の相手>ナイター>僕。

今現在、先生の中ではこういった序列だろうか。

面白くなくて、僕はそっとベッドを降りると、先生の足下でしゃがみ込んだ。

そのまま、ブラブラ揺れている先生の男根をくわえ込む。

「ちょっ! こら・・・! ・・・あ、いや、なんでもない」

電話の相手に何か言われたのだろうか。

僕は構わずに、先生を愛し続けた。

最初のうちはなんとか僕を引き離そうとしていたが、やがてあきらめたのか、大きな手で僕の後頭部を撫でてくれる。

許しをもらって、僕の愛撫がエスカレートする。口の中の先生が、徐々に体積を増してきた。

チラリと見上げると、先生と目が合った。

生徒にチンポをしゃぶらせながら、何食わぬ顔で電話をしている不良教師。口の中の先生自身は密を溢れさせているというのに、声に全く動揺が現れていないところは、さすが大人の余裕といったところか。

顎が疲れたので、小休止。

すると先生は僕を立たせ、チンポをしごいてくれた。口元に人差し指を当てて、「声出すなよ」と合図を送ってくる。

僕はあえぎ声を極力出さないように口を押さえると、先生に身をゆだねる。

空いた方の手で先生のお腹の肉を掴み、撫でた。

電話の相手に悟られないようにエッチする。ああ、なんかこのシチュエーションは興奮するな・・・。

先生もそうらしく、鼻息が荒い。気付かれちゃいますよ、と耳打ちしたいが、それもできない。

「ん・・・」

やば・・・イキそう。

僕は先生に身振りで教えて腰を引くが、先生は小さく頭を振った。

「・・・ぅ・・・ん・・・」

懸命に声を抑え、僕は上り詰める。

「っ!」

やがて、テカテカに腫れ上がった亀頭の先から、勢いよく射精した。

先生にしがみつき、ビクッ、ビクッと身体を震わせる。

ああ、イッちゃった・・・。

トロンとした目で先生を見る。先生は満足そうにニヤリと歯を見せると、電話を続けた。

僕は脱力して膝を付き、鼻息も荒く先生のチンポにしゃぶりついた。

音を立てないように気を遣いながら、先生の太いチンポを愛撫する。

先生は相変わらず顔色一つ変えずに電話を続けていたが、口の中の先生は正直だった。ビクビク震えながら、透明の密を溢れさせている。

しばらくそれを味わっていると、唐突に僕の頭を抱え込んできた。

それと同時に、口の中で先生が爆発した。

大量の精液が、ビュッ、ビュッと発射される。

僕はそれをすべて受け止め、飲み下した。

大きなお腹を震わせて射精を終えると、先生の手が僕の頭をやさしく撫でてくれた。

僕は先生を舌で綺麗にすると、派手に飛んだ自分の精液を始末する。

お風呂入ってきますね、と合図して、僕はバスルームに消えた。

先生は相変わらず、楽しそうに旧友と電話を続けていた。・・・ちぇ。

 

 

風呂から上がると、先生はタバコ片手にナイター観戦の真っ最中だった。

「電話は終わったんですか?」

「ああ。・・・心作のスケベ。気付かれたらどうしてくれるの」

「だってー・・・」

僕は先生の隣に座り、お腹を触る。

硬いとも柔らかいともいえる、先生の大きなお腹。彼の一番のチャームポイントと言っても過言ではない。

「心作、明日時間あるか?」

いつものことなので気にも止めず、先生は聞いてきた。

「明日ですか?」

明日は土曜日。

当然、時間は空いている。

「空いてますよ、もちろん」

「ほうか。なら、野球見に行こまい」

それってデート?

僕が聞くより早く、先生は言う。

「二人っきりじゃにゃーけどな」

話の流れからして、先ほどの電話の相手も来る、ということだろうか。

「別にいいですよ? っていうか、先生こそいいんですか? 久しぶりの再会なんじゃないんですか?」

「ええて。向こうにもまあ言ったるで」

・・・まあ、僕はあまり人見知りする方じゃないし、先生さえよければ問題はない。むしろ、先生と野球が観れればそれだけで嬉しい。そりゃ、欲をいえば二人っきりの方がいいに決まってるけど。

「ほんなら、明日な。ワシちょこっと遅れるかもしれんで、先に球場いっといてちょ」

「わかりました」

ナイター中継もそろそろ終盤だ。

僕は名残惜しくも先生のお腹から手を離し、服を着る。

「心作」

玄関で声を掛けられ、僕は振り返った。

いい加減パンツくらい穿けばいいのに、相変わらずの全裸で先生が立っている。

「はい?」

「・・・今日は悪かったな」

そう言って、先生はキスしてくれた。

「・・・はい」

「じゃ、また明日な」

「はい。おやすみなさい」

 

 

 

翌日。

球場前は人でごった返していた。

さすがにホームなだけあって、そのほとんどはティーゲルスファンばかりだ。

ドラグーンズファンである僕は、少々居心地が悪い。

息苦しさを感じて、ネクタイを少し緩めた。

今日の僕の格好は、ワイシャツにネクタイ。少々暑いが、せっかくのデート(正確には違うが)なのだ。オシャレくらいしたい。鬣にも櫛を入れ、気合いはバッチシ。

・・・ナイター観戦にはあまり向かない格好だなと気付いたのは、ついさっきのことだ。

先生との待ち合わせの場所は大きな歩道橋の中央、時計の下。待ち合わせ場所にちょうどいいのか、何人かの先客がいる。その中の一人、背の高い獅子人の人と目が合った。

先生とは真逆の、逆三角形の理想的な肉体。顔もイケてて、獅子人の鬣が夕日を照り返して金色に輝いている。

・・・はっきり言って、すごく格好良かった。思わず見とれてしまうほどに。

っと。いけないいけない。僕には柏木先生というとても素敵な恋人がいるんだ。目移りなんかしたら、バチが当たっちゃう。

僕は獅子人から視線を外すと、時計を見上げる。時間は6時。そろそろ試合が始まった頃かな。

「・・・先生、遅いなー」

ダフ屋がチケットを売りにウロウロしている。

僕の所にもやってきたが、チケットはすでに先生が買っているはずなので、やんわりと断る。次に獅子人の所に向かったが、やはり彼も断ったようだ。

再び僕と目が合って、彼はひょいと肩をすくめた。

ドキ。

・・・ドキってなんだ、ドキって。

違う、違う。僕は別に、変な気なんて起きてないぞ。

小さく頭を振って不純な気持ちを振り払う。獅子人は不思議そうな顔をしたが、僕はこれ以上目を合わさないように回れ右をした。

その時、歩道橋の向こうから見慣れた虎人が姿を現した。

年甲斐もなくドラグーンズブルーの応援Tシャツに身を包んだ中年太り。間違いない。僕の恋人、柏木龍之介先生その人だ。

「先生ー! 遅いー!」

「悪い、悪い。電車がでら混んどってよー」

いや、電車は混んでても遅れた理由にはならない。

僕がそうツッコむより早く、先生は続けた。

「ほんなら行こか。二人とも」

「はい。・・・二人?」

ふと隣を見ると、先ほどのイケメン獅子人が立っていた。

え? 何? どういう事?

「・・・柏木、とりあえず紹介が先だろ」

呆れたように、獅子人。

え? じゃあ、もしかしてこの人が、先生の友人?

「なにー? まだ自己紹介しとらんのか」

「できるわけないだろ。お互い顔も知らないんだから」

「二人一緒におったで、てっきりもう仲良くなっとるかと思ったがや」

「そりゃ待ち合わせ場所が同じなんだから、一緒にいるに決まってるだろ・・・」

もっともだ。

「まあええわ。心作、コイツがワシのツレ、朝倉タメ吉」

「あ、は、初めまして。上杉心作です。・・・タメ吉?」

それはあだ名なんじゃないの・・・?

「本名だよ。遺憾ながら」

マジですか。

こんなにカッコ良くて、体格も良くて、おまけに美声なのに。

「笑えるだろー。んで、タメ吉。こっちがワシの生徒、上杉心作」

「初めまして、上杉君。よろしく」

タメ吉さん・・・いや、朝倉さんと呼んだ方がいいかな。朝倉さんはそう言って右手を差し出した。体に合った大きな手で、オシャレな指輪もしている。僕は少し緊張しながらもその手を取り、握手した。

「こちらこそ、よろしくお願いします」

「ほらほら、自己紹介は歩きながらでいいだろー。早よせんと試合終わってまうがや」

「まだ始まったばかりですよ」

「自分が遅れてきたくせに」

僕と朝倉さんは顔を見合わせて笑った。

 

 

観客席は熱気に包まれていた。

席は外野自由席。当然レフトだ。

「やっぱナイターは外野だよな」

先生の言葉にはまったく同意。僕等は三人でうんうんと頷く。

聞くところによると、朝倉さんも重度のドラグーンズファンらしい。先生と出身が同じなのだから無理もないが、その割には全然方言が出てこないな。

「学校側が厳しくてね。標準語で喋らないと叱られるんだよ。模範となるべき教師が正しい言葉遣いをしなくては、教育上良くない! ってね」

「へえ、朝倉さんも先生なんですか?」

「うん。教科は外国語」

うーむ。カッコ良くて、体格も良くて、美声で、優しくてオシャレで、そのうえ頭までいい。

どこをとっても非の打ち所がないじゃないか。

「ねえちゃん、ビール2本とジュース1本!」

一方、下品な大声を張り上げて売り子を呼び止める柏木先生。

・・・先生、あんまり幻滅させないでくださいよ・・・

「うちの学校とは大違いですね」

若干の皮肉を込めて、僕は言う。

先生はそれには全く気付かない様子で、僕にジュースを渡しながら言った。

「そりゃ女子校だでな」

「女子校!?」

なるほど。正反対なのも頷ける。

「でも女子校なんて、朝倉さんモテモテなんじゃないですか!?」

ただでさえいい男だ。男子校でだってモテモテだろう。

「あはは・・・まあね」

「まあコイツは女なんかにモテても嬉しくにゃーだろうけどな」

「え?」

「おっ、おい! 柏木!」

「大丈夫だて。心作も・・・お仲間だで」

「そ、そうなのか? だからってその・・・大声で言うなよ・・・」

朝倉さんは顔を赤くしてビールに口を付ける。

寝せた耳が、なんだかちょっと可愛い。

お仲間、というのはゲイということだろう。ってことは・・・朝倉さんも・・・ゲイ、なんだ・・・。

「し、しかしまあ、アレだ。お前、心作君に手出してるんじゃないだろうな?」

話題を変えるために、冗談めかして朝倉さんは言ったが、僕らにとっては冗談にならない。

口を付けたジュースが気管に入り、僕は盛大にむせてしまった。

「・・・え? お、おい、柏木?」

「な、なにー?」

「お前、まさか生徒に・・・!?」

「・・・・・・」

肯定したも同様の沈黙。

「大丈夫なのか!? も、もし学校にバレたらお前・・・!」

わあっ、と上がった歓声に、朝倉さんの声がかき消される。

ヒットだ。白球は三遊間を抜け、三塁を蹴ったランナーはホームへ! 外野手の必死の送球。クロスプレー!

「・・・!」

一瞬の沈黙の後、主審は右手を高く掲げた。

「・・・あーあ・・・」

惜しかったな・・・。

思わず席を立っていた先生がドスンと腰を下ろす。

「・・・まあ、その辺は、上手くやるわ」

「・・・気をつけろよ?」

 

 

0−0のまま試合は進み、7回のイニング終了時、僕はトイレに席を立った。

トイレの列に並んでいると、隣に朝倉先生が並ぶ。奇しくも、僕等はほぼ同時に便器に着いた。

「・・・・・・」

隣で朝倉さんがチャックを降ろす。

・・・いけない、と思いつつも、僕はつい視線をそちらに向けてしまった。チラリと、アレが見えたような気がして心臓が跳ね上がる。

朝倉さんは放尿を終えると、それをブルブルと振って滴を飛ばした。身体を便器から少し離したおかげで、立派なアレがハッキリと見えた。いや・・・見せてくれた・・・?

顔を上げると、彼はニコッと笑ってその場を離れた。

どうやら、僕の視線に気付いていたらしい。

あー、もう! 最低だな、僕は。

落ち込みながら、微妙に大きくなったソレをなんとかしまう。

トイレの外では、朝倉さんが待っていてくれた。

「あ、どうも」

「うん。何か買っていこう」

そう言って売店の方へ歩き出す。僕は言われるまま彼に付いていった。

「あの、朝倉さん」

「ん?」

「先生って呼んでもいいですか?」

「はは。構わないよ。いつもそう呼ばれているからね」

朝倉先生は売店でカレーコロッケを買って、僕に一つくれた。

「これ、柏木が好きなんだ」

「そうなんですか」

悪食の先生のことだから、カレーコロッケにも平気で味噌をかけそうだ。

そう言うと朝倉先生は可笑しそうに笑った。

その素敵な笑顔にほだされて、ついつい僕も笑顔になる。

真顔に戻った朝倉先生が「・・・意外と美味しいかもしれないな・・・」と呟いた独り言は、聞こえないフリをしてやり過ごす。

「朝倉先生は・・・先生と・・・その、付き合っていたんですか?」

「いいや。付き合ってはいないよ」

そうなのか。

ちょっと安心した。

「ただ、まあ・・・えーと、これは言ってもいいのかな・・・、そういうことは、多少、したけどね」

「そ、そうなんですか・・・」

「ああ、でも恋愛感情とかは全くないから安心して。アイツ、昔からショタコンだったし」

そうなのか。

初めて聞いた。

じゃあもし、僕が卒業してしまったら、先生は僕に興味を無くすんだろうか。

あと・・・一年半で。

そんな僕の沈黙をどう取ったのか、朝倉先生は申し訳なさそうに言った。

「・・・嫉妬、させてしまったかな」

「え? い、いえ! そうじゃないです!」

そりゃまあ、多少の嫉妬心はある。

若い頃の先生を知っている朝倉先生にも、朝倉先生とそういう関係を持った先生にも。

・・・あれ? いま僕、先生のことまで羨ましい、って思った?

顔を上げると、朝倉先生の優しい顔。

思わず胸がときめいてしまう。

ああ、そうか・・・。

先生、ごめんなさい。僕はどうやら、朝倉先生にも気があるみたいです・・・。

「さ、早く帰ろう」

「・・・はい」

 

 

席に戻ると、先生が新しいビールを片手に、大声を張り上げて応援していた。全く大人げない。

「柏木。ほら」

「おっ。カレーコロッケだがや!」

「オワリ球場の味には及ばないけど、結構いけるぞ」

「あすこのカレーコロッケは絶品だでなあ!」

よかった。

一瞬、僕は先生に対する恋心が消えてしまったのかと思ったけど、そうじゃなかった。

嬉しそうにカレーコロッケを頬張る先生の姿はとても可愛くて、前と変わらないか、それ以上の愛しさがこみ上げてくる。

「先生」

「んー?」

「好きです」

「ぶほっ!」

むせて咳き込む先生。

僕と朝倉先生は同時に笑った。

 

 

 

月の綺麗な夜だった。

空気はまだまだ暑いが、時折吹く風が気持ちいい。昼間はあれだけ騒がしかった蝉の声も今はなく、代わりにどこか遠くの方から、犬の遠吠え。

夏の夜。僕はこの雰囲気が好きだ。スタジアムの興奮がまだ残っているのか、身体は少し火照っているが、それすら心地良い。

結局、今日の試合は1−0でドラグーンズの惜敗だった。

半ばやけになった二人の教師はビールをぐいぐい煽り、結果、二人ともグデングデンだ。まったく、生徒の前だというのに。

「ホラ先生、大丈夫ですか?」

「・・・あー・・・ダメだ・・・」

フラフラと壁に向かっていき、側溝に胃の中のモノをぶちまける。

「ちょっと!」

せっかくの夏の夜が台無しだ。

「あー、俺も釣られゲロ」

「朝倉先生まで!」

二人の教師が道端にかがみ込んで、どぶ川に嘔吐する。

まったく・・・。

「ちょっとまってて下さいよ」

自販機でミネラルウォーターを買ってきて、先生に手渡す。

二人の先生はペットボトルに交互に口を付け、少し落ち着いたようだ。しかし、まだまだフラフラである。

「大丈夫ですか?」

もう何回この言葉を口にしただろう。

「うー・・・ダメ・・・」

そして何回こう返されただろう。(ちなみにいま答えたのは朝倉先生)

「しゃーにゃーね。・・・ちょこっと休んでこまい」

「・・・さんせー」

と、二人が向かった先は・・・

「ちょ、ちょっと!? そこ、ラブホテルじゃ・・・!」

「ホラ、おみゃあさんも早よこやあ」

「え、でも、だって・・・!」

「ええから。俺が奢るで」

と、方言で朝倉先生。すっかり地が出てしまっている。

「い、いいのかな・・・?」

いいわけない。

でも、二人はすでにその中へ消えてしまっている。

僕は辺りを見渡して誰にも見られていないことを確認すると、サッと暖簾をくぐった。

「・・・わー・・・」

中は全体的にピンクの装飾。

壁に大きなパネルが掛けてあって、各部屋の写真が貼られている。いくつかのパネルの電気が消えている、ということは、その部屋は使用中ということだろうか。つまり、この部屋では現在、あんなことやこんなことが行われているワケで。

「・・・へえー」

「何キョロキョロしとらすの」

そりゃこんな所に来たの、初めてだもん。興味も出るよ。

先生が適当に部屋のパネルを押すと、そのパネルの電気が消えて、スリットからカードが出てきた。カードキーというヤツだ。

ほぼ同時にエレベーターが来て、僕たちを招き入れる。

エレベーターを降りると、部屋番号と矢印が点灯していた。コッチですよ、と教えてくれているらしい。

「へえー」

「心作君は連れ込み初めてか?」

「あ、あたりまえじゃないですか!」

「そうか。初々しいねえ」

・・・朝倉先生はもっとマジメな人だと思っていたけど。

17歳の少年をラブホテルに連れ込むなんて、さすがは先生の友人だ。

「へぇー」

部屋の中は割と普通だった。

テーブルが一つに、ソファー。小さな冷蔵庫の上にポット。大きなテレビがあって、その奥には・・・キングサイズのベッド。

ベッドの枕元には色々ボタンがあって、有線が聴けるようだ。あとは電話に、ティッシュ。そして、その脇に、コンドームが。

「うわー・・・」

壁や天井には、なぜか鏡が貼ってある。

あ、そうか。アレに映るんだ。ベッドの上の様子が。

「なるほどー・・・」

「ホント、初々しいね」

朝倉先生がソファーに腰掛けながら笑った。

二人はソファーでくつろいで煙草を吸っている。

「だ、だって・・・!」

「ほんならワシ、風呂浴びてくるわ」

先生が煙草をもみ消して立ち上がり、手早く服を脱いでシャワールームに消えた。シャワールームはガラス張りになっているらしく、薄い磨りガラスの向こうに先生の黄色い毛皮が見える。

っていうか、磨りガラスの透明度が高い。ほぼ透明で、目を凝らせば全部見えそうなほどだ。

「心作君、鼻血出とるよ」

「えっ、あ!」

慌てて鼻に手を当てて気付く。

担がれた。

鼻血なんて出てないじゃないか!

「もう!」

「ははは。でもさすがに若いね」

と、今度は僕の下半身を指す。

これは、まあ自分でも気付いていたけど。

僕は今更ながら恥ずかしくなって手で隠した。

「あー、サッパリしたー」

先生は腰にタオルを巻いただけの格好で出てきて、ソファーにどっかりと座った。

当然、アレが見えてしまうわけで。

動揺する僕など気にも止めず、二本目の煙草に火をつける。

「ふー、ようやっとあんきにできるわ」

よく言うよ。さっきからくつろぎまくっているクセに。

「じゃあ次は俺が風呂貰っていいかな?」

「ど、どうぞ」

言うが早いか、朝倉先生がその場で脱ぎだした。

いくら酔っているとはいえ、逞しい肉体を惜しげもなく晒し、シャワールームに入っていく。

薄い磨りガラスの向こうに、朝倉先生の見事な肉体が見える。僕がそれから目を離せずにいると、先生が不満げに鼻を鳴らした。

「フン。・・・心作の浮気者ー!」

「なっ、ち、違いますよっ!」

「ワシの身体にゃーもう飽きたんか。遊びだったんだな」

「そんなわけないじゃないですか!」

僕は先生の元まで歩くと、膝の上に腰を下ろした。

「そりゃ、朝倉先生はカッコイイけど、僕が好きなのは柏木先生ですよ。・・・先生こそ、僕が大人になっても好きでいてくれますか・・・?」

「は?」

「だって・・・朝倉先生が、先生はショタコンだ、って・・・」

「たわけ。変なこと真に受けやあすな」

僕たちはそっとキスをした。

煙草味の、苦いキス。

「・・・あー、二人とも?

このガラスが薄いって事は、コッチからもそっちの様子がよく見えるって事なんだけど・・・気付いてる?」

僕等は慌てて離れた。

 

 

最後に僕がシャワーを浴び、出てくると朝倉先生がマグカップを差し出してくれた。

先生はというと、ベッドで大の字になっていびきをかいている。大きく股を広げているおかげで、アレが丸見えだ。

「もう・・・」

「ははは。変わらないな、柏木は」

マグカップの中身はコーヒーだった。これはサービス品らしく、冷蔵庫の上に袋入りのインスタントコーヒーが置かれている。

室内は冷房がよく効いていて、熱いコーヒーも全然苦にならない。

僕は朝倉さんの身体をチラリと見て、コーヒーをすする。

相変わらず裸で、腰にタオル一枚だけという格好だ(もちろん、僕もだが)。分厚い胸板に、割れた腹筋。体育教師の先生より、よほどいい体をしている。

「なにかスポーツでもしてるんですか?」

「特にこれといったことはしてないけど、水泳かな。ジムには週一で通ってるんだ」

「へえ」

きっとビキニだな。そしてバタフライだ。僕は根拠もないのにそう確信した。

「柏木には適わないけどね」

「またまた、そんなことないでしょう?」

「いや。アイツ泳ぐの早いよ? あんな身体のくせにね」

そうなのか・・・。知らなかった。

なんだか今日は僕の知らない先生の一面を知ることができて、新鮮だ。

「・・・こんな身体で悪かったなあ」

不満げな声に顔を向けると、先生がベッドの上でその太い身体を起こしていた。

太い虎人の尻尾が、不機嫌そうに左右に揺れている。

そんな先生は、タオルがほどけたことも気にせずに、ずかずかと歩いてきて僕の手からマグカップを奪って飲み干した。

「ちょっとは隠すとかしてくださいよ・・・」

「なんで?」

そりゃ、今更だけど、こういうのはデリカシーの問題だ。

「今からヤるのに、いちいちほんな事気にできすか」

「そりゃまあ・・・って、え? 今から・・・?」

「・・・まあ、ゲイが三人ホテルに入れば・・・ねえ?」

と、朝倉先生。

マグカップをテーブルに置き、なんと彼までタオルをほどき、立派なアレを見せつけてくる。

「え? そ、それって・・・さ、3ぴ・・・乱交・・・!?」

「・・・イヤ、かな?」

「ほんなワケにゃーがや」

先生が僕を後ろから抱きかかえ、股間を指す。

ソレを見て、朝倉先生はニヤリと笑った。

 

 

ベッドに横にされ、僕の顔の上に先生が跨る。

「あ・・・ぅ・・・」

動揺しながらも、僕は欲望に抗えず、先生をくわえた。そして、そんな僕のタオルをほどき、現れたソレを朝倉先生がくわえ込んだ。

ああ、なんか、すごい・・・シックスナインしてるわけでもないのに、チンポをくわえたままチンポをしゃぶられるなんて。

目を開くと、僕たちの痴態が目に入る。天井の鏡に、この様子がありありと映し出されているのだ。

先生を味わっていると、朝倉先生が僕を吐き出して上がってきた。そして、僕の上で先生とキスをして、そのチンポを差し出す。

ギンギンのチンポを二本も差し出され、僕は迷った。

二人とも立派な大人のチンポで、しっかり剥けている。先生の方が太い。でも長さで言えば朝倉先生の方がちょっと長いようだ。早い話が、二人とも見事な巨根ということだ。

僕は迷った末に朝倉先生をくわえる事にした。

まさか先生以外の男を味わうことになるなんて、思いもしなかった。しかも、先生と同時に。

僕は二人の教師を両手で握って、交互に味わった。まさに両手に花だった。

「心作君は欲張りだな」

ニヤニヤ笑いながら、朝倉先生。

そのまま身をかがめて先生の乳首に吸い付き、大きな腹を撫でる。もしかしたら、彼もデブ専なのかもしれない。

先生はそんな朝倉先生の愛撫から逃れると、僕のチンポに吸い付いてきた。身体を倒し、股を広げる。先生の意図に気付いた朝倉先生が身体を倒して先生をくわえる。つまり、僕等は三人で環になってそれぞれのチンポをくわえてるワケで。

なんだか、頭がクラクラするほど興奮した。それは朝倉先生も同じで、僕の口の中で後から後から密を溢れさせている。たぶん、先生も同じなんだろうな。

しばらくその体勢でお互いを愛し合うと、先生が立ち上がった。

「タメ吉、そろそろ本性現しゃーどうだ?」

「・・・え?」

先生がいつの間にか取り出したローションを手に取り、朝倉先生の尻に指を立てる。

「ぅっ!」

精悍な顔を歪ませて、朝倉先生が呻いた。

先生の指が彼の中で暴れているらしく、大袈裟に喘ぎながら逞しい身体を淫靡にくねらせた。

ああ、すごい。

立派な男の人が、男に嬲られて快感に喘いでいる。

「か、柏木・・・ああ・・・!」

「んー?」

「んっ・・・! せ、生徒の前なんだ・・・ああっ! ・・・手加減・・・してくれよ・・・!」

「今更なに言うとりゃあす」

もっともだ。

先生は手加減どころか、いつも僕にするより激しく、指を動かした。

「ぁあぅっ!」

ず、ちゅ、といやらしい音が響くたびに、朝倉先生が吐息を漏らす。

僕はその様子をもっと見たくて、朝倉先生の下から抜け出して二人のやりとりを観察する。

仰向けになった朝倉先生は大きく股を開き、肛門に指をつっこまれてよがり泣いている。頭を振るたびに獅子人の立派な鬣が乱れた。

「ん? 心作もやってみるか?」

「あ・・・はい・・・」

ローションを塗った指を、先生の替わりにつっこんでやる。

「――ああっ!」

朝倉先生が泣くと、そのチンポから先走りが溢れ出し、割れた腹筋に垂れて糸を引いた。

・・・僕の指が、朝倉先生を泣かせている。あんなにも逞しくて、雄々しい獅子人を。

「・・・朝倉先生、いやらしい・・・」

「うぁっ! あ・・・し、心作君・・・! あ、っ!」

「コイツは昔からこうだで」

先生はそう言って僕にキスしてきた。

「心作。タメ吉を女にしたりゃー」

「え? ・・・あ、はい」

先生が僕のチンポをしごき、くわえてきた。

するといつの間にか僕のチンポにはコンドームが付けられていた。まるで風俗嬢のようなテクニックだ。・・・行ったことないけど。

指を引き抜き、コンドームを付けられたチンポをあてがう。

「い、いいのかな・・・?」

この期に及んで、僕は迷っていた。

タチをするなんて初めての経験だ。上手くできるだろうか?

「あぁ・・・心作君・・・は、ぁ・・・!」

「ホラホラ。あんまり焦らしたるな。欲しくて欲しくて辛抱たまらん、って言っとるがや」

「は、はい」

僕は先生に促されるまま、朝倉先生にのしかかった。いつも先生が僕にしてくれるみたいに。

えっと・・・どこに入れればいいのかな・・・。

いや、もちろん入れる穴は一つしかないけど、見えないのだから上手く的が定まらない。先生、よくこんな体勢から一発で挿入できるなぁ。

ぐずぐずしていると、先生が後ろから僕を抱きかかえ、サポートしてくれた。

やがて、にゅるっ、とした感触と共に、チンポが暖かい何かに飲み込まれた。

「――ああっ!」

朝倉先生が我を忘れてよがり泣く。ヨダレがこぼれることも気にせずに。

そうか。僕は今この瞬間、童貞を捨てたんだ。

「うぁ・・・なんか、すごい・・・」

「どうだ? 筆卸した感想は?」

「はい・・・あったかくて、気持ちいいです・・・」

「だろう? タメ吉のケツは具合いいんだわ、これが」

先生が満足そうに笑って、僕の腰を引っ張る。

「うぁあっ!」

「あっ・・・」

僕たちの声に気を良くし、腰を入れさせる。

ずるっ、と朝倉先生を深く貫いて、もう一度引く。

「ほれ、こっからは自分でやりゃあ」

「は、はい・・・」

僕は先生の真似をして、朝倉先生の足首を掴んで足を広げさせ、腰を振った。

すぐ後ろで先生が僕を抱き、監督してくれている。なので、腰を引くたびに、お尻に先生のチンポが当たる。

「ああっ! あっ! はっ・・・! んああああっ!」

大声で、朝倉先生は泣いていた。

その目が開き、頬が朱に染まる。

彼の目はおそらく今、天井に映し出された自分の姿を見ているのだろう。

年端もいかぬ少年に犯され、女になっている自分自身を。

「ああ・・・いい・・・気持ちいいです・・・先生・・・」

先生は朝倉先生の横に行って、彼の身体を愛撫した。乳首をつまんだり、腹を撫でたり、チンポをしごいたり。

そのあと、顔を上げて僕とキスをする。

・・・っていうか、早くも限界だ。

「・・・イキそうか?」

さすがに付き合いの長い先生は、僕の表情ですぐに見抜いたようだ。

「はい・・・! えと・・・中で出しても・・・?」

と聞いたところで気が付いた。

そう言えば僕はコンドーム付けてたんだっけ。中出ししても問題ない。すっかり忘れていた。

しかし先生は首を振って、朝倉先生の顔を指差した。

「はい」

正直に言うとこのまま中で出したかったけど、僕は朝倉先生の中から出ると、彼の胸に跨った。

再び僕の後ろに回り込んだ先生が、コンドームを外し、しごいてくれる。

ああ、このままイッたら、朝倉先生の顔に・・・

「タメ吉ぃ、現役高校生の射精だぞー。しっかり目に焼き付けやあよ?」

「あ、ああ・・・心作君・・・すごい・・・」

トロンとした目つきで、朝倉先生。

「先、生・・・っ!」

先生の太い身体に身を委ね、僕はとうとう絶頂を向かえた。

「あ、あぁッ!」

ビュッ、ビュッ! と勢いよく射精し、朝倉先生の男らしい顔に、雄汁を叩き付ける。二度、三度と。

「ぅあ、すごい・・・!」

「元気だろー? 心作のイクとこは、見とるコッチまで気持ちいいでかんわー」

「うっ・・・あ・・・っ!」

僕の射精は朝倉先生の顔と鬣を汚し、徐々に勢いを無くして胸に垂れた。

「ああ・・・」

ベロリと舌なめずりして、マズルの周りの精液を舐め取る朝倉先生。

僕は力を無くして彼の上に倒れ込み、キスをした。

舌と舌が絡み合う。獅子人の唾液は、僕の精液の味がした。

「う・・・ぅんっ!」

キスをしていた朝倉先生の顔が歪む。

振り向くと、先生が彼を犯していた。

うわー、連続で・・・

さすがに先生の腰使いは僕のそれと比べて達者だ。鼻息も荒く激しく突き上げると、朝倉先生は感涙にむせび泣いて嬌声を上げる。今や彼は、完全に女にされていた。

「っし・・・ほれ、今度はバック」

「はぁ・・・うん・・・」

四つん這いにさせ、バシッと尻たぶを叩いてから、バックで挿入。

僕は前に回ってチンポをくわえさせてやった。

「んっ、ん・・・! んんっ!」

僕のチンポをくわえたまま、朝倉先生が声にならないあえぎ声を上げる。

ああ、いいなあ・・・。上と下の口を同時に犯してもらえるなんて・・・。

羨ましくなった僕は、先生におねだりした。

「先生・・・ぼ、僕も、欲しい」

「ん、ほうか。じゃあ次は心作な」

朝倉先生の横で仰向けになり、先生に挿れてもらう。

「はぁっ・・・!」

声を上げると、隣の朝倉先生が覆い被さってキスをしてくれた。鬣に付いた精液の匂いが興奮をそそる。

「柏木ぃ・・・お、俺も・・・」

「無茶言やあすな。ワシちんぼ一本しかついとらんわ」

女を二人も相手にすると、さすがの先生もタジタジだ。

それでも、交互に相手をしてくれる所は、さすが体育教師。すごいバイタリティとしか言いようがない。

「はぁ・・・はぁ・・・心作、おみゃあさん、もう回復しだだろー?」

「あ、はい・・・」

「いっぺんに二人も掘れすかや」

そう言って先生は僕の中から出て、朝倉先生の尻を叩く。

「ひ!」

そして僕に手早くコンドームを付けると、獅子人特有のボンボンの付いたシッポを握り、手荒に持ち上げる。

すっかりトロトロにできあがった、男の穴。

僕は言われるまま、その穴を再び犯した。

そんな僕の背中にのしかかり、先生が入ってくる。

「ああ・・・!」

「んぅっ!」

「おぉ・・・!」

三人が一つになって、快感をむさぼる。

真ん中の僕は特にすごい快感で、二発目だというにも関わらず、真っ先に果ててしまった。

「あ・・・! イク・・・ッ!」

朝倉先生の中で、射精する。

僕の痙攣に合わせて括約筋が閉まり、先生もたまらず声を出した。

「ああ・・・ワシも・・・! タメ吉、顔に出したるぞ・・・!」

焦りの混じった声でそう言い、僕の中から出て、朝倉先生の目の前へ。

そのままいきり立ったチンポをしごいて、彼の顔にぶっかけた。

「ぁあぁ・・・か、柏木ぃ・・・!」

二人分の精液で顔をドロドロに汚し、朝倉先生は舌を出して先生のチンポを舐める。

そうか、彼は顔射されるのが好きなんだ・・・。

「はぁっ、はぁっ・・・!」

射精を終えた先生は、肩で大きく息をしながら腰を下ろす。

僕は朝倉先生をひっくり返し、ご丁寧に挿入してから、彼のギンギンチンポをしごいてあげた。

「・・・し、心作くん・・・っ! い、イク・・・!」

そう宣言し、彼も果てた。

20も年下の男に犯されながらしごかれ、立派なチンポから精液を溢れさせる。

僕や先生と違い、勢いはなかった。それでも濃い精液はドクドクと大量に溢れ、彼の腹筋に白く濁った水たまりを作る。

「・・・タメ吉ぃ、おみゃあさん、相変わらずたるい射精だなあ」

「ううっ・・・!」

ニヤニヤ笑いながら言う先生の残酷な言葉に、朝倉先生が泣く。

・・・ヒドイ、とは思ったけど、たぶんこう言われるのが嬉しいんだろうな。

その証拠に、僕の手の中で彼のチンポがびくん、と震えた。

僕は確信して、先生の言葉に乗る。

「ホントですね。でもこれはこれで可愛いじゃないですか」

「お。心作もそう思うか。まあタメ吉にゃあお似合いの射精だわな」

僕たちの言葉に、朝倉先生は泣いていた。

とても嬉しそうに。

 

 

 

二人の教師が煙草を吸っている。

僕は何となく仲間外れにされた気分で、コーヒーをすすっていた。

テレビはスポーツニュース。

今日の試合のダイジェストを流していた。

一瞬、僕等が映ったような気がしたけど、気のせいかもしれない。・・・仮にホントに映っていたところで、どうということはないのだけど。

「あー・・・終電、終わってまったなあ・・・」

確かに。

これから帰るとなると、タクシーしかない。

「しょうがないね。今夜は泊まっていこうか」

「はい」

・・・外泊許可取っておいて良かった。

「じゃ、じゃあ第二ラウンドですね?」

僕の言葉に、二人は顔を見合わせた。

「・・・受けて立ったるわ」

「・・・お、お手柔らかに・・・」

 

 

 

ちなみに、第四ラウンド辺りで二人とも勃たなくなってしまった。

体力、精力を全て使い果たし、眠りに落ちる直前。二人の教師は声を揃えてこう言うのだった。

『・・・若い子にゃあ敵わんわ、ホント・・・』

 

 

おしまい

 

 

 

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