野球狂の詩 2007

 

 

「先生、早く早く!」

ホームには出発を告げるベルが鳴り響いている。

僕は電車のドアから身を乗り出し、売店から駆けてくる先生に手を振っていた。

「はぁ、はぁ・・・!」

太った身体を大きく揺らし、彼、柏木龍之介先生は電車に飛び乗った。

その直後にドアが閉まる。まさに間一髪だ。

「痛っ!」

先生が飛び上がり、尻尾をさすった。

「先生?」

「・・・しっぽ挟んだ・・・」

見ると、電車のドアの間に黒い毛が挟まっている。

結構抜けたな。これは痛そうだ。

先生は涙目で尻尾の先端にフーフー息を吹きかけていた。

 

 

 

「まったく・・・まあちょこっとばか待っとってくれてもいいがや・・・」

未だに尻尾の先端が気になるようで、先生は席に着いた後でもぶちぶち文句を言っていた。

「先生が悪いんじゃないですか」

「たわけ。売店のヤツがグズグズしとったんでいかんのだわ」

「買いすぎですよ。駅弁二つにサンドイッチって・・・」

「旅行の楽しみはコレだがや。ほい」

と、僕に冷凍みかんをくれる。

デザートまでちゃっかり買っていたとは、抜け目がない。

その上、売り子を呼び止めて缶ビールを2本購入した。

「・・・先生、最近体重計りました?」

僕が訊ねると、彼は瞬間的に目を反らした。

・・・さては。

「くどいようですけど、100キロ超えたらダイエットですからね?」

「・・・わ、わかっとるがね。大丈夫、まだ越えとらせんでよ」

ぷしゅ、と缶ビールのプルタブを開く。

本当だろうか。

仮に本当だとしても、かなりギリギリであることは間違いない。これはもう、時間の問題だな。

「まあいいですけど。・・・乗られる方の身にもなってくださいよ?」

「・・・喜んどるくせに」

「何か言いました?」

「なーんも言っとらんよ」

飄々とうそぶいて駅弁の蓋を開ける。

一瞬で機嫌は直ったようで、先生は鼻歌交じりに箸を割った。

 

 

僕等は今、先生の出身地であるオワリに向かう車上にいた。

目的は、ドラグーンズの凱旋パレード。

激戦だったペナントレースを僅差で制覇した我らがドラグーンズが、ファンに感謝するためにオワリの街を練り歩くのだ。

リーグ優勝したのは、実は十数年ぶり。当然、僕がファンになってからは初めてのことだ。盛大なお祭り騒ぎになることは確実で、今から楽しみだ。そして、隣の先生は僕以上にそれを楽しみにしていた。

優勝が決定してからこっち、先生の機嫌は上々で、何かにつけてはニヤニヤしている。

パレードを見に行こうと言い出したのも先生だ。交通費も全額出してくれると言う。もちろん、僕もできる範囲で払うつもりだが、この調子だと払わせてはもらえないだろう。何か別の方法でお返しを考えておいた方が良さそうだ。

「それにしても、楽しみですねえ」

「おう! ファン冥利に尽きるわなー!」

二つ目の駅弁を食べながら、先生。これだけ幸せそうにしていると、少しくらい体重が増えても許してあげようかな、という気分になる。いや、もちろん健康のためには良くないことだけど。

「朝倉先生も来るんですよね?」

「そりゃーな」

彼も柏木先生に負けずとも劣らないドラキチだ。

優勝が決まった日には、僕の所にもダイレクトで連絡が届いた。なんでも、一人でも多くのファンと喜びを分かち合いたかったらしい。

「二人っきりの方が良かったか?」

「いえ、そんなこと無いですよ」

多くのファンと喜びを分かち合いたい気持ちは僕だって同じだ。そのためのパレードなんだし、彼とは容易く会うこともできない。それに・・・

「・・・心作、おみゃあさん、今エロい事考えとりゃーすな?」

「えっ、いや、そんなことは・・・!」

「ほー?」

「・・・まあ、ちょっとだけ」

先生は「浮気者ー」と僕の頭を軽くこづくと、言った。

「安心しやあ。どうせアイツもその気だし、ワシも最初っからそのつもりだでなぁ」

「もう。・・・でも、楽しみです」

「たわけ。正直すぎるわ」

先生は口をとがらせて言う。

朝倉先生は、柏木先生と違って筋肉質のナイスバディだ。

もう一度あの肉体美を好きにできるのかと思うと、早くも下半身が熱を帯びる。

・・・本当に、楽しみだ。

 

 

「青っ!」

オワリの駅はドラグーンズカラー一色だった。

そこかしこに応援幕が垂れ下がり、コンコースの上には巨大な「優勝おめでとう」の看板が。

駅の売店も優勝セールに便乗し、全ての賞品が青い包装紙で包まれていた。

・・・これ、他球団のファンには不愉快なんじゃないだろうか。と、ついついいらぬ心配をしてしまう。

「はー・・・さすがはホームですねえ・・・」

「だろー。うんうん、やっぱこうでにゃーと」

先生は上機嫌だ。

そりゃまあ、にわかファンとはいえ、僕も嬉しいんだけど。

「おーい」

そんな僕等の姿をいち早く見つけ、声をかけてきた人物がいた。

先生の友人、獅子人の朝倉先生だ。

「朝倉先生。お久しぶりです」

「やっとかめだなも」

「うん。久しぶり」

朝倉先生は今日もキッチリした恰好でオシャレだった。

指輪にテールリング(尻尾輪)、鬣もビシッと決まっているし、この前と同じ香水の匂いもした。本当に、先生とは大違いだ。

「じゃあ、さっそく行こうか。パレードは午後からだけど、せっかくだから色々見て回りたいだろう?」

「はい」

朝倉先生に案内され、僕達は大きなデパートに連れてこられた。

なんでも、ドラグーンズの出資社系列で、ここが一番大々的に優勝セールをやっているらしい。

「・・・っていうか、すごい人ですね・・・」

まさにお祭り騒ぎだった。

といっても客のほとんどは主婦だ。安い物には目がないのだろう。

「はぐれないように気を付けて。もしはぐれたら、一時間後にここに集合。いいね?」

「おー」

「わかりました」

・・・で、言ったそばからはぐれた。

気が付くと、二人の教師は人混みに紛れて消えてしまっていた。

右も左もわからない地でひとりぼっちにされるのは不安だが、まあ待ち合わせ場所は決まっているし、いざとなったら携帯もある。僕は前向きに一人で買い物を楽しむことに決めた。

地下の食品フロアは主婦の群れが凄まじく、売り場に寄りつくことすら難しい。ドラグーンズ優勝記念「ドラ」焼きが欲しかったのだが、諦めよう。

男性ファッションのフロアは、比較的空いていた。

僕はそこでシャツや香水を購入する事にした。本当は朝倉先生と同じ香水が欲しかったのだが、銘柄がわからない。聞いておけば良かった。狼人の嗅覚を駆使し、なんとか似た匂いを嗅ぎ当てる。・・・微妙に違う気もするけど、多分これだろう。

次にアクセサリー。

見るだけのつもりだったが、イイカンジのテールリングを見つけた。

龍が巻き付いた形のリング。

一応ドラグーンズのグッズなのだが、パッと見ただけではそれと気付かないほどオシャレだ。

・・・これ、ペアで買って先生にプレゼントしようかな。

彼のことだからきっと付けてはくれないだろう。何せオシャレとは無縁の人だ。・・・でも、好きな人と同じ物を持っていたい。古い考えだろうか。

セールで割引されていても少々値の張る物だが、思いきって買うことにした。

「・・・うん、いい買い物した」

そう思いこむ。

気が付くと、もう待ち合わせの時間だった。

僕は再び、人混みにその身を投じた。

 

 

「って、どんだけ買ってんですか!?」

待ち合わせ場所に現れた二人の教師は、両手一杯に紙袋を下げていた。

いくら大人の財力があるとはいえ、明らかに買いすぎだ。

・・・あ、僕が諦めた「ドラ」焼きまで買ってる! あの主婦の群れを押しのけてゲットしたのか。

「いやー、ホラ。ドラグーンズ優勝って入ってると、つまようじでさえありがたく思えてきちゃって」

「って、バットまで! 先生もう持ってるでしょう!?」

「たわけ! あれはもう一昨年のモデルだがや! コレは今年限定の優勝記念バット!」

「川本モデルか。いいなあ」

・・・いいの!?

「まだまだ買い足りんけど、まーこんくらいで勘弁したるわ」

「荷物になるしな」

いや、もう既に充分、歩くのすら困難になるほどの荷物になっている。

まったく。

見事に踊らされているなあ・・・。

「別にいいがや。楽しんで踊っとるんだで」

「そうそう。せっかくのお祭りなんだから」

「まあ、いいんですけど・・・でもどうするんです? その大荷物」

「コインロッカーにでも預けておこう。すぐに悪くなる物は買ってないし」

「肉がでら安かったで、欲しかったけどなー。しゃーにゃーわな」

「ああ、あれは惜しかったな」

「オバチャンのパワーが凄すぎて近づけえせんでかんわ」

「うんうん」

・・・いや、僕に言わせればあなた達二人も相当のものですけど。

まあ、いいか。

 

 

荷物をコインロッカーに預け、とりあえず喫茶店で一服。

というのも、二人が煙草を吸いたいと駄々をこねたからだ。

そのあとはお待ちかねのパレードだ。

大通りをまるまるせき止めて、パレード用のど派手な車が練り歩く。

沿道はファンで埋め尽くされ、テレビの取材もたくさん来ていた。ビルの窓という窓からも声援が飛び交う。

選手達は手を振ってそれらに応えてくれていた。

中でも目を引いたのが、マスコットキャラ、ドラアの着ぐるみだ。

なぜか最近になって急に人気を博し、全国的に有名となりつつある。前々から知っている僕達から見れば不思議な現象だが。

その微妙にシュールな顔をした青いコアラが、「クスリでもキメてんじゃねえのか?」っていうぐらいのスーパーハイテンションで飛んだり跳ねたり。バック転をして頭から落ちたりもしていた。・・・中の人も大変だな。

よく考えたら、獣人が着ぐるみを着るというのもヘンな話だ。

二人にそう言うと、

「中の人などいない!」

と、スゴイ剣幕で怒られた。

いや、でも、だって・・・いいや、よそう。何を言っても無駄だ。今やこの二人は完全にトリップしている。下手をしたらあそこで踊っているマスコットよりもハイテンションだ。

とまあ、まるで自分はテンションが低いみたいに言っているが、実のところ僕も相当舞い上がっている。

川本選手と目が合って(たぶん錯覚だろうけど)、手を振ってもらえた時は二人を差し置いてキャーキャー言っていたし。

高校球児冥利に尽きるとは、まさにこのことだ。

僕等はゴール地点の中央公園、ひかりの広場にいたので(もちろん、そこが一番混んでいた)、選手や監督の挨拶まで聞くことができた。

ファンの応援に対する感謝の言葉、監督が「来年もこの優勝パレードを一緒にできることを約束します」と述べた時には、先生達は感涙にむせび泣いていた。ナイター中継で散々ヘボ監督と罵っていたことはすっかり忘却の彼方である。

監督の挨拶が終わり、締めは万歳三唱。

もちろん、声が枯れるほど大声で万歳した。

 

 

とまあそんなワケで、燃え尽きた僕達は予約していたホテルへとやってきた。

ちなみにラブホテルではなく、ちゃんとしたシティホテル(っていうのか?)だ。だから当然、ベッドは二つある。

そのうちの一つは、早くも先生の荷物に占領された。

「これじゃ寝られないじゃないですか・・・」

「なに言うとりゃあす。どうせ一つしか使わんがや」

「いやまあ、それはそうですけど・・・」

煙草を吹かす先生に、抗議の視線を送る。

「いいなあ、二人とも」

朝倉先生が、羨ましそうに呟いたので、僕等は顔を見合わせた。

「なんだ、タメ吉、おみゃあさんも泊まってきゃーいいがや」

「ええ、別にその、邪魔だなんて全然思っていませんよ?」

「ははは、悪い、そうじゃなくてね。明日仕事じゃなければ喜んで泊まっていったんだけどね」

そうなのか・・・てっきり泊まっていくと思っていたから、残念だ。

「別に仕事でもいいがや。こっからなら近ゃーだろー?」

「そりゃまあ、朝早く出れば間に合うけど・・・」

朝倉先生は僕をチラリと見ると、歯を見せて苦笑した。

「足腰立たなくなりそうだからな」

「おまけに寝せてもらえーせんしな」

ひどい言われようだ。

そりゃ、確かにこの間は一晩中、その、ヤってたけど・・・

「ほんじゃま、そういう事なら、ちゃっちゃとやろまい。そんくりゃーの時間は大丈夫やら?」

「まあね。・・・心作君さえ、良ければ」

「え、ええ、そりゃもう、大歓迎です」

「いいに決まっとるがや。コイツ、この前のでタチに目覚めてまってよー。ワシのケツ掘りてゃーとか抜かすで参るわ」

「せ、先生・・・!」

「ははは、いいじゃないか。お前もたまには掘られてみろよ」

「たわけ、ウケなんかできすか。チンボなんか入れられたらケツ痛ゃーてかなわんわ」

自慢の巨根で散々人を掘っておいて、ヒドイ言い草だな。

僕と朝倉先生は顔を見合わせて肩をすくめるのだった。

 

 

入念に身体を洗い、僕が風呂場から出てくると、二人の教師は既にベッドの上で組み合っていた。

朝倉先生のマッチョな肉体を、先生の少しだらしない肥体が組み敷いている。

その絵面だけでもう、僕のアソコはガチガチになってしまった。

そんな僕に気付いた先生が、「早く来やあ」と言わんばかりに身体をずらし、朝倉先生の上半身を責めに入った。

むき出しにされた彼の下半身は、僕と同じかそれ以上にギンギンにいきり立ち、唾液と先走りで濡れ光っていた。

僕はさっそくその男根に食らいつく。

久しぶりに味わう朝倉先生の巨根は、前にも増して熱く、逞しく漲っていた。

あとで聞いた話だと、この日のために一週間溜めていたんだとか。優しそうな顔をしていても、この人も相当好き者だからなあ。

「・・・んっ・・・」

舌を止め、朝倉先生を口いっぱいに感じる。

どくん、どくん、と血管が脈動し、それに合わせるかのように鈴口から先走りが溢れ出てきた。

そのまま上目遣いに見ると、先生は彼の顔に跨って腰を振っていた。

大きなお尻の間から垂れ下がる先生の玉袋。その下には朝倉先生の顎。ときおり喉仏が動き、先走りを嚥下しているのがハッキリわかる。なんともいやらしい絵だ。

「・・・よし、んじゃあ交代」

先生がそういって朝倉先生の口を空ける。

僕も朝倉先生の肉棒から口を離した。よだれが垂れ、裏筋を伝って玉袋に留まる。先生はそれを舐め上げ、濡れそぼってテカテカに光る亀頭をくわえた。

そんな二人の様子を見ているだけでも充分興奮するが、そうも言っていられない。

僕も先生に習って、朝倉先生の精悍な顔に跨る。

彼は嬉しそうに僕をくわえて、舌を使ってきた。

「あ・・・っ・・・っ」

スゴイ上手い。

つい腰が動いてしまう。

「・・・んんっ!」

朝倉先生が喘いだ。

振り返ると、先生がフェラチオをしながら、どうやらアナルを責め始めたようだ。

「は・・・っ・・・あぁっ!」

先生がフェラを止め、朝倉先生にうつ伏せになるよう指示した。

僕も彼の口から出て、枕の上に股を開いて座る。

朝倉先生は先生に言われるままうつ伏せになると、恍惚の表情で僕のチンポに食いついてきた。

僕はそんな朝倉先生の頭を撫でてやる。

お尻を付きだした彼の後ろで、先生がローションを塗った指でお尻の割れ目をなぞっている。

指先を挿入すると、その都度朝倉先生がくぐもった喘ぎ声を上げた。

「・・・挿れて欲しいか? ん?」

「あ・・・う、うん・・・挿れて・・・」

先生はニヤリと笑うと、

「しゃーにゃーにゃー」

と嬉しそうに指を突き立てた。

「んあああぁぁっ!」

「ほれほれ」

「あっ! ぁあ・・・あ、はああっ!」

ずぶずぶと音を立てて朝倉先生の中をかき混ぜる。

僕はちょっと腰を浮かせて彼の背中に手を付き、先生とキスをした。

「よしよし、んじゃ、ほんもん挿れたろーな」

指を引き抜くと、先生は自慢の巨根を彼の尻にあてがった。

それにはいつの間にかコンドームが被せられている。しかも、イボイボの付いた攻撃力の高そうなヤツだった。

「よっ・・・と」

「ぅんんっ・・・!」

僕のチンポをくわえたまま、朝倉先生が女の声を出す。まったく、男らしい肉体をしていながら淫乱な人だ。

先生が腰を振ると、朝倉先生は泣きながら僕のチンポに舌を絡めてきた。

「ああ・・・すごい・・・」

早くもイキそうだ。

彼の事だから、顔にかけてあげれば喜ぶだろうか。

・・・いや、今回は・・・

僕はちょっと腰を動かして刺激を得ると、なんの予告もなく朝倉先生の口の中で射精した。

「ぅっ・・・!」

「!!」

突然口の中で射精され、朝倉先生は大いに驚いたようだ。むせて吐き出す。

「げほっ! ごほっ!」

涙と鼻水を垂らしながら、口からよだれ混じりの精液を吐き出す雄の姿に、僕の嗜虐性は満たされた。

・・・ちょっと悪い気もしたけど。

「おいおいタメ吉、吐き出してまったらあかんがや。勿体にゃーだろ」

「そ、そんな事・・・」

「口答え禁止ー」

先生が腰を打ち付ける。

「ああっ! あっ! わ、わかった・・・! はあっ・・・!」

朝倉先生は泣きながら謝り、僕の竿を伝う精液を舐め取った。

・・・よかった。どうやら満足してくれたようだ。

「朝倉先生の口マンコ、気持ちよかったですよ・・・もう一発、いいですか?」

「あ・・・う、うん・・・」

朝倉先生は顔をぬぐうと、奉仕を再開した。

その後ろでは相変わらず先生が腰を振っている。

動きが早くなっていた。そろそろ絶頂が近いようだ。

「はっ・・・! はっ・・・! ・・・ん、なんだ心作、ワシのザーメン飲みてゃーのか?」

物欲しそうな顔をしていたのがバレたのか、先生はそう聞いてきた。

本当はお尻を犯して欲しかったんだけど、そう聞かれては断る事もできない。

僕は頷いて、二人の結合部に顔を寄せる。

「まあちょこっと待っとりゃあな・・・」

ふん、ふん、と鼻息を荒くして腰を振る先生。僕達の下では朝倉先生が思う存分喘ぎ声を上げて泣いていた。

ああ、いいなあ・・・僕もこんな風に先生に掘られたいのにー・・・

「ハッ・・・ハッ・・・よし、イ、イクぞ・・・っ!」

勢いよく引き抜いて、素早くコンドームを外す。

ローションでぬるぬるになって滑るハズなのに、さすが手慣れたものだ。

先生のチンポはテカテカに腫れ上がって、まさに爆発寸前。

暴発してしまう前に、僕は大きく口を開けてそれをくわえこんだ。

「・・・うッ!」

先生は、僕の口に入るやいなや、大量の精液を吐き出した。

びゅっ、びゅっと口の中に先生が広がっていく。

「ん・・・っ・・・」

舌を使って亀頭を舐め上げてやると、さらに勢いよく精液が溢れ出た。

受け止めきれずに口の端からこぼれた先生の精液が、朝倉先生のお尻に垂れる。

「んぁ・・・熱い・・・」

「ほうかほうか。良かったがや」

息を荒くしながら、先生はニヤリと歯を見せる。

「ほんじゃ、次はタメ吉イかせたろまい」

「あ、はい」

朝倉先生を仰向けにすると、彼はガマン汁を溢れさせ、ヒクついていた。

「ほー。なんだ、このチンボ」

先生がつつっ、と裏筋を指でなぞってやると、彼は逞しい肉体を震わせて切なげに呻く。

「そんなにイキたいんですか?」

二人の男になじられ、朝倉先生は恥ずかしげにうなずいた。耳まで赤くしちゃって、可愛いなあ。

僕は朝倉先生の股に入ると、その大きな男根を再びくわえ込む。

先生は朝倉先生の後ろに回り、乳首をいじっていたが、ふと何か思いついたように席を離れると、僕の後ろに回り込んだ。

「・・・?」

「続けやあ」

「はい」

フェラチオを再開すると、先生は僕のお尻に顔を埋め、虎人のざらつく舌で、アナルをほぐし始めた。

「んっ・・・」

しばらくその体勢でお互いの愛撫が続く。

僕の口の中の朝倉先生はもう限界のようで、ヒクヒク痙攣しながら精液混じりの先走りを垂らしていた。

一方の僕も、充分バックの準備が整っていた。

「・・・もういいだろー?」

「え? あ、はい」

先生はニヤリと歯を覗かせると、朝倉先生のチンポにコンドームを被せ、指差した。

僕は彼が何を言いたいのか理解し、フェラをやめて朝倉先生の巨根に跨った。

「・・・あ・・・」

ずぶ、ずぶ、と朝倉先生の巨根を飲み込んでいく。

「はあ・・・っ・・・!」

コンドームのイボイボが強烈な刺激を与えてくれる。僕は思わず喘ぎ声を漏らしてしまった。

それを最後まで飲み込んだあと、腰を浮かせ、もう一度腰を落とす。

その光景を、すぐ隣で先生が観察していた。・・・うう、あんまり凝視されるとさすがに恥ずかしいな・・・

僕の心情を察したのか否か、先生が朝倉先生を跨いで僕の目の前にチンポを突き出す。

「先生・・・!」

まずはお腹に顔を埋め、ヘソを舐めてから先生自身を。

「腰止めてかんぞ」

「・・・はい・・・」

言われるまま、僕は腰を上下させながら、先生を愛する。

「ハッ・・・! あ・・・! イ、イク・・・!」

朝倉先生が切なげに宣言し、僕の中で膨れあがった。

「んッ・・・! あっ・・・っ!」

どくん、どくん、と彼の射精を感じる。

「ん? タメ吉イッたか?」

「はい、イキました」

ずるり、と彼の巨根を引き抜くと、コンドームの先にたっぷり精液が詰まっていた。

「おー、珍しくぎょうさん出したがや」

「・・・ですね」

僕等は三人で交互にキスをして、ベッドに倒れ込んだ。

 

 

小休止。

二人の教師は煙草を吸って、談笑していた。

あー、僕も大人になったら一緒に煙草吸えるのになー。

・・・正直、別に吸いたいワケじゃないけど、なんか仲間外れにされたみたいでヤだ。

「ヨシ、続きやろまい。・・・の前に、ちょっと便所」

先生がベッドから下りて、チンポをぶらつかせながらトイレに向かった。

「・・・心作君。ちょっといいかな?」

「え?」

朝倉先生が僕にそっと耳打ちする。

「・・・え、本気、ですか?」

「イヤかい?」

「いえ、その・・・やってみたいです」

「よし、じゃあ決まりだ」

朝倉先生がニヤリと笑う。

その笑顔が先生みたいで、僕はちょっとドキッとした。

「んー、どうしたー?」

「いえ、な、なんでもないです」

「そうそう」

顔を見合わせて笑う僕達を見て、先生は首を傾げた。

 

 

第二ラウンドが始まると、先生は早速朝倉先生の顔に跨って腰を振り始める。

僕は朝倉先生のチンポをしゃぶりながら、そっと顔を上げてみた。

目の前で虎人の尻尾が揺れている。朝電車のドアで挟んだせいか、先端の毛がちょっと抜けていた。

尻尾の付け根に、肉付きのいい大きなお尻。

その割れ目をなぞっていくと、まだ誰も達した事のない先生の蕾が。

僕は朝倉先生を吐き出し、その蕾にそっと鼻先を近付けた。

当然、ちょっと匂うけど、まあ、思ったほど気にはならなかった。

舐めるのに躊躇しないほどに。

「ひ・・・!」

突然肛門を舐められて先生が背筋を伸ばす。

きゅっ、と穴がすぼんだのがわかった。

「こら!」

身体を起こして抗議するが、両足を朝倉先生にしっかり捕まれているので、お尻は開かれたままだ。

僕は気にせずに先生のお尻の穴を舐め続けた。

「や・・・やめ・・・! タメ吉、ちょ・・・離しゃ・・・あっ!」

先生がトイレに立ったあと、朝倉先生はある提案を持ちかけてきた。

それは、先生のバージンを今日、奪ってしまおうという作戦だった。

朝倉先生が先生の動きを封じて、僕が犯す。

まさかこんなに上手くいくとは。

「や・・・! あかんって・・・! ワシは無理・・・!」

「散々人を掘っておいてそりゃないだろ。・・・心作君、大丈夫だから続けて」

「はい」

「い・・・だめ・・・!」

あの先生が狼狽えている。

これは結構そそるモノがあるな。

僕はますます調子に乗って、彼の秘部を愛し続けた。

やがて抵抗も弱くなり、先生は朝倉先生に跨ったまま弱々しく抗議し続けていた。

「そろそろ、いいですか・・・?」

「ハァ・・・ハァ・・・待っ・・・ダメだって・・・言・・・」

先生の抗議を無視し、僕はコンドームを着けた。

それを見て先生の顔色が変わる。

「それは・・・待った・・・!」

「ん?」

「今更何言ってるんだ。観念しろよ、可愛い生徒のためだろ?」

「違・・・しょ、初心者にそのスキンは・・・」

確かに。

このイボイボの付いた攻撃力の高いコンドームで初釜を掘るのは、酷かもしれない。

「・・・でも、僕コンドーム持ってきてないですし・・・」

「俺も。・・・諦めろ」

「や・・・生で・・・生でいいから」

いいんだ?

先生の事だから、こういう事だけはキチッとすると思ったんだけど。

「その代わり、風呂入るまでしゃぶったらんからな・・・」

ああ、そっか。

先生は別に病気とかに警戒してゴムを着けていたんじゃなくて、衛生的な配慮でしてただけなのか。

・・・考えてみれば当たり前か。病気が心配ならフェラの時にも着けるハズだもんな。

「じゃあ・・・生で・・・」

「う・・・」

自分で言っておいて気が引けるのか、先生はうつむいた。

よく見たら、寝せた耳まで真っ赤になっている。

やばい、可愛い・・・!

「ほほう。・・・心作君、柏木のヤツ、種付けして欲しいらしいぞ?」

「え、中で出してもいいんですか?」

「か、勝手にしやあ・・・!」

じゃあ、お言葉に甘えて・・・

ローションを手に取り、自分のチンポと先生のお尻に塗りたくる。

「うっ・・・」

「じゃあ・・・挿れますね・・・」

「柏木、そんなに力むなよ」

「わ、わかっとるがね!」

と言うものの、先生は緊張でガチガチになっていた。

僕は先生に体重を預け、胸と腹を揉みしだいて首筋にキスをする。

大きな腹の下では、朝倉先生が奉仕を再開したようで、くちゅくちゅと淫靡な音が聞こえてくる。

「はぁ・・・!」

「先生・・・僕、もう・・・」

そっと先生の秘部に自身をあてがい、押し込む。

「っ!」

ぐっと先生を圧迫した僕自身は、やがてぬるっ、と先生を貫いた。

「ふおぁっ!」

「・・・お、挿れたか?」

「ええ。先っぽだけ」

「痛・・・! 無、無理! もう、あかん・・・っ!」

「まだ先っぽだけだぞ? ほら、がんばれ」

朝倉先生がそういって先生の金玉を揉みほぐす。

「ああっ! あ・・・! あ!」

そっちに気を取られている隙に、僕は更に先生の奥深くへと侵入した。

「痛っ! やめ・・・ああああっ!」

「先生・・・! 先生・・・!」

あの男らしさの塊みたいな先生が、僕に犯されて泣いている。

先生には悪いけど、すごく興奮した。

朝倉先生も相当興奮しているようで、振り返ると彼のチンポもギンギンにいきり立っていた。

「全部・・・入りましたよ・・・」

「おー、おめでとう」

「は・・・も・・・勘弁したって・・・」

涙目で先生は言う。

でも、今更そんな事を言われても、もう後戻りできない。

「ごめんなさい・・・」

謝って、腰を引く。

先生は身をのけぞらせて悲鳴を上げた。

「ははっ。まあ、最初はどうしてもな。次からはもっとラクになるぞ」

「も、もう二度とやらんわっ! ・・・くぅっ!」

それでも少しは慣れてきたのか、先生の悲鳴も多少和らいでいた。

僕は焦る気持ちを抑えてゆっくりと腰を動かす。

「はあっ・・・! は・・・っ! あ! あっ!」

「かわいいぞ、柏木」

本当に。

自分でも恥ずかしいくらい荒い息で、腰を振る。

朝倉先生が前で、僕が後ろ。

前後を挟まれ、先生は普段からは考えられないくらい取り乱して嬌声を上げていた。

「ああっ! で・・・出る・・・出る・・・っ!」

先生が吠え、その太った身体がびくんっ、と震えた。

「んあああっ!」

「んんっ・・・!」

僕からは見えないが、朝倉先生の顔に大量の精液がかけられた事だろう。

その証拠に、先生のお尻はきゅっとすぼまり、僕を痛いほど締め付ける。

「せ、先生っ! 僕も・・・っ!」

耐えきれず、僕は先生の身体にのしかかって、彼の耳を噛みながら射精した。

二人の結合部から精液が溢れ、射精に縮み上がった金玉を伝って朝倉先生のお腹に垂れた。

「あぁ・・・!」

あとで知ったが、この時朝倉先生も自分で自分をシゴいて射精していた。

三人はほぼ同時に絶頂を迎えて、脱力した。

「ハァ・・・ハァ・・・」

「はあ・・・先生・・・」

「ちょ・・・ま、まあええ、だろ・・・早よ抜いてちょ・・・」

相変わらず苦しそうに先生が言う。

名残惜しかったけど、そんなに早く抜いて欲しいなら仕方ない。

ずるっ、とチンポを引き抜くと、精液がボタボタと垂れた。結構大量に出してしまったらしい。

「・・・っ・・・!」

先生は枕に顔を埋めて震えていた。

「・・・おい? 柏木・・・?」

「・・・先生・・・?」

「・・・痛かった・・・」

「え?」

「だ、大丈夫、ですか・・・?」

「・・・でら痛かった」

先生はゆっくり顔を上げると、涙目で言った。

「おみゃあら・・・ええ度胸しとるがや・・・」

「え、あの・・・?」

「おい、落ち着け・・・な?」

「・・・覚悟はできとるわな?」

と、先生。

笑顔だけど、笑ってない。

「・・・さ、さて。俺はそろそろお暇しようかなー・・・」

「あっ、ずるい!」

「いやほら、だって俺、明日仕事だし・・・」

「ええから」

先生は凶悪な笑顔で言う。

腕を組み、精液に塗れた竿をギンギンに勃起させながら。

「二人ともそこに四つん這い。ケツ高ぁ上げてな」

拒否権はなかった。

思わず正座する僕達。

「・・・はい」

「・・・はい」

 

結局、この日は眠らせてもらえなかった。

 

 

 

色々な意味で楽しかった旅行も終わり、僕と先生は帰りの電車の中にいた。

「・・・ったく・・・でら眠ぃーでかんわ・・・」

あくびをかみ殺しながら、先生はぶつくさ文句を言う。

「僕だって眠いですよ・・・」

「おみゃあさん達がヘンなことするでいかんのだわ」

「えー、だってー・・・」

「ったく・・・まだケツ痛ゃーわ・・・」

お尻に違和感があるのか、先生はさっきから何度も座り直していた。

僕も初めて先生と結ばれた次の日はそんなだったなあ。

「ごめんなさい」

「・・・まあ、ええけど・・・次からはまあちょっと優しくやってちょーよ?」

「はい」

・・・ん?

「・・・次からって・・・また掘ってもいいんですか?」

「・・・・・・。

・・・まあ、心作がどうしても、っていうんなら、しゃーにゃーわな・・・」

やった。

僕は内心ガッツポーズを取って喜んだ。

「もしかして先生、気持ちよかったんですか?」

「・・・・・・」

先生は答えない。

「クセになっちゃったとか?」

「たわけ。調子に乗りゃーすな」

ごん。と僕の頭をこづいて先生はそっぽを向いた。

照れているらしく、耳が寝ている。

「へへ。先生かわいい」

「やかましいわ。ワシ寝るで、着いたら起こしてちょ」

「はい」

そういって先生は寝息を立て始めた。

僕も眠い。

目的地はどうせ終点で、乗り過ごすことはないだろうから、僕も寝よう。

「・・・あ」

ふと思いついて鞄を開く。

今がチャンスかもしれない。

 

 

「先生、先生」

「・・・んー・・・」

「もうすぐ着きますよ」

「・・・んー」

僕に揺り起こされて、先生は目を覚ました。

寝ぼけ眼をこすり、んーっと伸びをする。

「おはようございます」

「・・・おう」

まだ寝ぼけているらしく、自分の体の変化に気づいていない。

ペットボトルのお茶を一口飲むと、ようやく目が覚めたのか、先生はそれに気づいた。

「・・・なにこれ」

先生の虎縞尻尾の先に着いた、小さなリング。

「えへへ。お揃い」

そういって僕は自分の尻尾を振る。

その先にも、先生と同じ竜のリングが巻かれていた。

「ワシこういうの、あんま好きじゃにゃーけどな」

「知ってます。持っててくれるだけでいいんです」

「・・・そっか」

そうこうしているうちに、電車は駅に着いた。

降りる客で車内がにわかに騒がしくなる。

「心作」

「はい?」

先生はさっと周りを見渡し、短いキスをしてくれた。

「・・・ありがとうな」

 

 

尾張

 

 

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