1999年2月下旬のコーカイ日誌



  ●「日本たたき」に負けなかった金銀銅独占。 (1999/2/27)
 世界ノルディックスキー選手権のジャンプノーマルヒルで船木・宮平・原田が金銀銅独占を果たしました。先日の団体で最後の最後に船木が失敗して銀メダルに終わった雪辱を果たし、あの札幌五輪以来の表彰台独占(笠谷・青地・今野とスラスラ言えるのはもう40才近い世代以上ですよね)という快挙を成し遂げたわけです。しかも葛西も5位に入賞し、出場4選手が全て5位以内に入ったわけですから、まさにジャンプ王国日本の底力を示したと言えます。

 しかもこの快挙の凄さは今シーズンから変えられた新ルールのもとで達成されたところにあります。従来スキー板は「身長+80センチ」までの長さが許されていたのに、今季から「身長×1.46(上限270センチ)」と変えられてしまったのです。これだけ聞くと、なんのことやら、なのですが、実は身長が173センチ以下の選手はスキー板が短くなってしまうのです。スキー板はジャンプ選手にとっては風を受ける翼です。これが短くなるということは当然飛距離を出しにくくなるわけですから、身長の低い選手にとっては死活問題と言えるほど不利なルール変更でした。

 もちろんこの変更の狙いは強すぎる日本選手つぶしです。実際164センチしかない岡部は今季すっかり不振に陥ってしまいましたし、あれだけ昨シーズン強かった船木や原田も身長の高い外国選手になかなか勝てなくなりました。今回の金銀銅独占は、その不利をわずか1シーズンに満たない期間で克服しての快挙だけに、余計に価値が高いと言えるわけです。

 それにしてもヨーロッパ人というのは、こういう嫌がらせをよくやります。かつてF1でホンダエンジンがサーキットを席巻していた時も、複合で荻原健司が圧倒的な強さを誇っていた時にも、同様なルール変更をして「日本たたき」を画策しました。スポーツだけではなく、経済でもかつてはよく強すぎる日本は同じような目に遭ったことは記憶に新しいところです。逆の立場なら日本は自分たちの努力が足りないからだ、と懸命に学んで強くなろうとするのに、彼らはルールを自分たちに有利に変えてしまうのですから困ったものです。

 ただ今回のジャンプ陣もそうですが、そのたびに不利を克服しようとして頑張ってしまうから、ますます日本には底力がついてしまう、ということもあります。「艱難汝を玉にす」と言う言葉を彼らに教えてやりましょう。
●スーパーランチ。 (1999/2/27)
 毎日昼食時にどこのお店へ行くかはサラリーマンなら誰しも思案するところです。もちろん愛妻弁当や工場の食堂だよ、とか、コンビニでサンドイッチ買っておしまいだよ、という人も結構いるとは思いますが(いつも昼抜きだという可哀想な人もいますしね)、少なくともオフィス街のサラリーマンやOLは結構安くて美味しい耳寄りランチ情報はないか、と思っていることでしょう。

 とは言え、実際にはいつも同じような店をローテーションで回しているだけなのが現状。たまに冒険してみても「外れたぁ」と思うことの方が多いです。昨日初めて僕が会社の同僚と入ったのは新しく会社の近くにできた回転寿司。回転寿司のフロア(1階)はいっぱいだったのですが、2階にテーブル席があり、そこにもランチメニューがありました。売り物は「スーパーランチ」。なんてネーミングだ、と思われることでしょうが、中身と値段が凄い。握りが5つ(玉子、マグロ、穴子、イカ、エビ)と野菜炒めに鮭の切り身、野菜の煮物に味噌汁、漬け物、そしてダメ押しにおにぎりが2個(高菜と昆布)。寿司におにぎりとは、という感じですが、握りの数を減らしてもお腹いっぱいにしてもらうためでしょう。この内容でなんと580円!安いです。激安です。まさにスーパー。

 味の方はと言うと、さすがに寿司は値段相応、コンビニで売っている寿司と大差ありませんが、他のものの味付けは悪くありません。当然店内は大賑わいで、この不況でお小遣いをギリギリまで減らされたという顔のオジサンたちでいっぱいです。1日に1000円しかお小遣いがないお父さんなら、ここで609円(税込)でお昼を済ませられれば、残り約400円で缶コーヒーとタバコが購入できる計算になります。600円でも一応お寿司だから寂しくないしね。

 もっとも僕は積極的に今後も行こうとは思いませんでしたけどね。なにせ量が多すぎます。おにぎりをやめて、握りをもう1つ(それとも鉄火巻を2つ)つけてくれれば、たまには行ってもいいかな、と思いましたけどね。それとも値段をあと300円高くしてもいいから、もう少し上等なネタにするとかね。もっとも回転寿司は庶民の味方。とにかく始めに予算ありきですから仕方ないでしょうけど。結局こうしてまた来週からはいつものお店をローテーションするんだろうなぁ。
比較広告。 (1999/2/26)
 あるクライアントからのオーダーで比較広告を作りました。かなりきついキャッチフーレズを作ったら、クライアントよりも、うちの社内からまずいんじゃないか、という意見が出て、ちょっとマイルドになってしまいました。社内的にまずいというのは、結局どちらもお得意さんだから、ということです。

 やっぱりな、日本の広告会社は一業種一社じゃないから、ちゃんと比較広告ができないんだな、と思われるかも知れませんが、今回は同じ業種での比較広告ではなかったので、ちょっと事情が違いました。しかし、いずれにせよドライになってきたとは言え、やはり日本の会社はライバル社を露骨に批判したりするのは好きではないので、アメリカのような相手を蹴落とし貶めるほどの比較広告は体質的に馴染まないようですね。

 僕は卒論のテーマが比較広告でした。実に稚拙な卒論で、思い出しても顔から火が出るほど恥ずかしいものなのですが、その時の結論は「日本の企業体質にアメリカのような直接的な比較広告は馴染まない。日本人のメンタリティに相応しいマイルドな比較広告があるはずだ」というものでした。で、どういうものがそのマイルドな比較広告なのか?結局卒業してから16年、ずっと広告を作り続けていても「これだ」というものが見えてきません。

 受け手がわかるようにするには、やっぱり直接的な比較が一番です。秋田新幹線が飛行機との比較広告をテレビCMでやって話題になりましたが、あのくらいのものを果たして本当に比較広告と呼んでいいものやら、という気がします。エモーショナルな部分では理解されても、やはり論理的に説得するところがないと、本当の意味での比較広告たり得ていないでしょう。しかしだからと言って正面から論理的な説得をしても、押しつけがましいと思うのが日本人です。どうせセールストークだろう、くらいにしか思ってもらえないのでは逆効果ですしね。難しいものです。
●CPUアクセラレータを考える時。 (1999/2/25)
 相変わらず「信長の野望」にはまっているのですが、どうも僕のPentium100Mhzのデスクトップでは、動きがもたもたしていてまどろっこしいので、MMX・Pentium200Mhzのレッツノートの方でプレイしてみたら、そりゃもう快適なこと。確かにゲームの説明書には対応機種がPentium100Mhz、推奨は166Mhz以上となっていますから、頭では苦しいかなとわかっていましたが、ここまで差が出るとは思いませんでした。

 こうなると俄然CPUアクセラレータでCPU交換をしたくなります。昔、PC-9801DAという機種を使っていた時にも、386DXを486SXにCPU交換したことがありましたが、現在のCPUアクセラレータの性能は当時とは全くレベルが違います。メルコから出ているAMDのK6-2を使ったアクセラレータなら400Mhzにだって交換可能。CPUだけなら何倍ものスピードが可能になります。もちろん、他の周辺機器が遅いために、そこまでスピードアップは実際にはしないと思いますが、それにしたって相当なものだと考えられます。

 これまでCPUアクセラレータに二の足を踏んでいたのは、ワープロや表計算、インターネットに使うくらいなら、現状の100Mhzのままでもさほど不満はなかったからです。実際、レッツノートの200Mhzと比べても、ある程度の差は感じますが、だからと言ってうんざりするほど違うわけではありませんでした。しかし、ゲームはごまかせません。パワーの違いをこれほど体感させてくれるとは、いかにゲームがギリギリまでパソコンの能力を使っているかという証明です。まあ昔からパソコンをあれこれいじるきっかけになるのはアダルトかゲームと相場が決まっていますから、今回の僕の決意もある意味、王道ですよね。
●凛とした寒さの中にも。 (1999/2/24)
 梅の花が香る今日この頃。僕にとっては春まであと一歩、というこの季節が、昔から1年で最も情感に訴えてくる時期です。寒さが底を打って、ほんの少し春に向けて動き出した感じが、なにかワクワクするような期待感を感じさせます。学生の頃なら年度末試験が山場を迎えていて、これが終われば後は学年末までの行事をこなすだけ、もう目の前には輝く春が、と、ある種の逃避的感情で耐えている時期でした。

 この季節からは日々春に向けてのニュースが入ってきます。梅の花が咲いた後は、春一番が吹き、土筆が芽を出し、モンシロチョウが舞い、タンポポや桜が咲き、いつの間にか春満開。ゴールデンウィークの予定など考えていると、この寒空の下にいても、なんだか浮き浮きしてきます(あ、でも花粉症の人にはこれから地獄のような季節かもねぇ)。

 今の日本の景気も、ちょうどこの季節と同じような感じがします。もうこれ以上に悪くなることはなさそうで、後は少しずつ良いニュースが入ってきそうな、そんな楽天的な予感がします。凛とした寒さの中にこそ、春の芽生えがあるんだと思って、バカバカしい地域振興券だってありがたく使おうと考えています。
●軽自動車は全然軽じゃない。 (1999/2/23)
 スズキの「きたろう」を使った軽のCMで、新作が「でかきたろう」「みにきたろう」バージョンもオンエアされていて面白がっていたのですが、CMはともかく、軽自動車自体は最近本当に大きくなってしまいました。テニスサークルのメンバーであるボンバー(愛称)もビンボーなくせに新規格のワゴンRに買い換えました。こいつがまたやたらとデカイんですよね。見るたびにとても軽自動車とは思えないその姿に複雑な気持ちになります。

 そもそも軽自動車というのは性能も装備も簡便であるがゆえに、安い税金でいいよ、と免じてもらっているはずです。ところがこれだけ大きく重くなって、かつてのリッターカーよりも堂々としてきてしまうと、なにゆえにこのデカイ顔をしたクルマが格安の税金で済むのか、と思わず考えてしまいます。

 環境問題・資源問題を考えたとき、クルマも省燃費の追求を抜きには21世紀カーとはとても言えません。なのに省燃費車の代表であった軽自動車が大きく重くなるのは明らかに時代に逆行しています。むしろこれからは小さくて燃費が良いクルマこそ奨励されるべきでしょう。そう言う意味では、排気量で区分している自動車税の体系も見直した方がいいでしょうね。排気量ではなく燃費で税額が決まるようにすれば、自動車メーカーもユーザーも、もっと省エネについて真剣に考えるようになると思います。トヨタのプリウスのようなハイブリッドカーは格安にして、そのかわりに大型ワゴンやスポーツカー、ディーゼル車からふんだくる。それも現行の5000円刻みなんて生ぬるいものではなく、倍々で5段階くらい税額が跳ね上がっていけば、相当の金持ち以外はみんな省エネ車に乗り換えると思いますよ。税制改正に伴って、買い換え需要が発生して新車販売にもとりあえず弾みがつくと思うし、いいんじゃないのかなぁ。
●快挙か暴挙か、一挙に二足。 (1999/2/22)
 テニスというのはなまじ昔からファッション性が高いスポーツだけに、ついつい道具よりもウエアやバッグ・小物類に凝ってしまうところがあります。道具でもラケットはさすがにちょっとテニスが上達すると、ある程度考えて選ぶようになりますが、これがシューズとなるといつまでたってもなかなか「これ」という選び方ができず、結局流行のブランドとかデザインとか予算とかで決めてしまったりしがちです。

 僕もかれこれ20年テニスをしていますが、ラケットはその間にいろいろと自分なりに考えて選んできたので思い入れも深いのですが、シューズはいつも履いているのが古くなると適当に目に付いたものを買っていました。だから過去のラケット遍歴は下手をすると女性遍歴よりきちんと言えるのに、シューズ遍歴は「ナイキの前はリーボックで、その前はヘッド?いやヨネックス?」程度しか覚えていません。もちろん新製品なんて買ったこともなく、大抵は安売りしている旧製品でした。

 今履いているシューズもかなりくたびれてきていて、去年の秋頃から買いかえたいなと思いつつ、なんとなく億劫だったのと予算がなかったせいで、そのままずるずると履き続けていました。ところが最近テニス雑誌が立て続けにシューズ特集を組んだこともあって(春になると必ずやるんですけどね)、僕の中でシューズに対する認識も高まり、改めて今回はじっくり検討して購入してきました。

 今回のニュースは何と言ってもハードコート専用シューズとオムニコート専用シューズの二足を一挙に購入したことです。しかもそれぞれ新製品で価格も過去最高だったので、シューズ代としてはまさに破格の予算を計上してしまいました。本当に良いのだろうかと、自分でも買った後にうれしさ半分、後悔半分という気分でしたが、まあ買ってしまったものは仕方ありません。二足をサーフェスによって使い分ければプレー自体の質が上がり怪我もしにくいし、シューズ自体の寿命も長くなるはずだから、多分、いやきっと長い目で見ればお得なはずです。そうじゃなければ困ります(笑)。幸い今週からまたガシガシと春に向けてテニスするつもりなので、「そうび」によって攻撃力・守備力・すばやさの数値が上がっていることを期待しましょう。なにせ自分自身のレベル上げはなかなかこの年になると大変ですからねぇ。
●未だに「信長の野望」。 (1999/2/21)
 今月19日に発売された『信長の野望〜烈風伝』を早速購入しました。これだけプレステだ64だドリキャスだと家庭用ゲーム機が騒がしい時に、今さらPCで楽しむゲームが、それも基本的には最初の頃からほとんど変わらないシミュレーションゲームの古典の新作がどれほど売れるのか、と疑問に思いつつ大須に行ったのですが、ショップでの売れ行きを見ていると相変わらず山積みになっているパッケージが飛ぶように売れていました。

 「武将風雲録」で信長の野望シリーズに魅せられた僕は、ドラクエとともに欠かさず新作をプレーしてきましたが、特に前作「将星録」から採用された箱庭のようなシステムは気に入っていました。唯一の欠点は城の数が激減してしまったことだったのですが(やはり尾張に清洲城がないのは納得いきません)、それもこの「烈風伝」では支城を250以上も築くことができるそうですから、見事に前作の不満を解決してくれたわけです。さすがおたく心を良く知る光栄ならではの気配りです。

 と言うことで、古くからのマニアは多分心ゆくまでこの新作をwindows上で堪能するのでしょうが、いくら昔からのPCゲームの老舗光栄と言えども、これからの商売の儲けどころはやはり家庭用ゲーム機でしょう。以前は新作が出てから家庭用ゲーム機版が出るまで結構タイムラグがあったものですが、今後はどんどんその時間差が短くなっていくのではないかと思います。そうなるとますますPCゲームの世界は肩身が狭くなっていくような気がします。通信機能さえ家庭用ゲーム機に搭載されてきた昨今、PCゲームはどうなってしまうのでしょうか。


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