1998年10月下旬のコーカイ日誌



  ●『ソムリエ』と『眠れる森』に見るはまり役。(98/10/31)
 結局この秋のドラマで見続けているのは『ソムリエ』『タブロイド』『眠れる森』のフジテレビ系3本でした。トータルに一番評価しているのは『きらきらひかる』と同じスタッフで作っている『タブロイド』で、脚本・演出・キャストとも破綻なくよくまとまっています。それに対し『眠れる森』は豪華キャストと謎の多いミステリアスな脚本が、『ソムリエ』は何と言っても稲垣吾郎ならではのキャラクターが突出しています。

 『眠れる森』は第4回が終わっても未だに謎がかなり多く残されていて、視聴者に推理する楽しみを与えてくれています。ただ僕がちょっと疑問に思っているのは、果たしてこのドラマに木村拓哉と中山美穂が必要だったのか、ということです。確かに『眠れる森の美女』をベースにしているという意味では、美女と王子様に相応しいキャストが必要なのかも知れませんが、それは現在考え得る最高の美男美女カップルでなくても良いと思います。と言うのも、キャストに頼らずとも、このドラマはあまりにも脚本が素晴らしいからです。これならそこそこの若手俳優なら誰が演じても面白くなります。萩原聖人と鶴田真由でも、いしだ壱成と田中美里でも成立するのです。

 確かに木村・中山ならよりドラマも話題にもなりますし、それなりに効果はあったのかも知れませんが、やはりこの2人でしかできないような究極の恋愛ドラマを作ってこそ、このキャスティングを真に生かしたと言えるのはないでしょうか?その点、『ソムリエ』の素晴らしさは稲垣吾郎という俳優を見事に使い切っているところでしょう。このドラマの佐竹役は、稲垣サンキュー吾郎以外にできる俳優を知りません。まさにプロデューサの慧眼と呼ぶべきキャスティングです。『眠れる森』のプロデューサは、木村・中山を並べながら、虚をつきサスペンスドラマに仕立てて「してやったり」と思っているのかも知れません。しかし僕には単に恋愛ドラマという王道から「逃げた」という感が否めませんね。
●どうなる?横浜F・マリノス。(98/10/30)
 経営不振の横浜フリューゲルスが横浜マリノスに吸収合併されるという話は、噂も全然知らなかっただけに驚きました。まるで銀行の吸収合併劇のような話ですが、名前まで銀行の合併の時(「東京三菱」とか「太陽神戸三井」とか)のような「横浜F・マリノス」とはね。銀行じゃなければマンガ家か。藤子・F・不二雄(笑)。もっとも、こっちはくっついていたものが2つに分かれたんだから、ちょっと違うかな。

 ともあれ、いきなり潰れるよりは吸収合併でもした方がずっといいんでしょうが、当然企業と同じですからリストラされる選手やコーチ、それに球団職員も多いことでしょう。実力のある選手はチームがどうなろうと生き残っていけるので大した問題ではないでしょうが、まだ入団1,2年目くらいのフリューゲルスの若手なんかは大変ですよね。夢と希望に燃えてJリーガーになったのに、いきなりチームがなくなってリストラされちゃかないません。

 もちろんマリノスの選手だって安閑とはしていられないのは同じことです。サブはもちろん不動のレギュラー陣だってポジション争いは激化します。特にGKは川口と楢崎という日本代表キーパーが同じチームに所属することになるのですから、これはもうどちらかが移籍するしかないでしょう。そもそもどちらかを控えに回すなんて大きな損失です。特に楢崎にしてみれば実力でさほど劣っているとも思えないのに代表で控えでしたから、チームでまで同じ目に遭うのは絶対御免だという思いが強いでしょうね。

 ただマリノスサポーターにしたら、夢が膨らみます。今でさえマリノスは磐田や鹿島と並びJリーグでもトップクラスのタレントを揃えているのに、ここに楢崎、山口、三浦淳、それにサンパイオらが加わるのですから、きわめて実りの多い補強となります。高校野球、プロ野球に続く横浜日本一も十分射程圏内。他チームにしてみればとんでもないことです。こうなったら不振が続く関西勢もセレッソとガンバが合併するとか、いっそ京都も神戸も全部一緒になるとかしたらどうですかね?それでも鹿島や磐田には勝てないと思うけど。
●どうしても商品券を配りたい公明党の不思議。(98/10/29)
 自民党は自公連合のために仕方なく商品券を配ることに合意したようですが、政局運営のためなら、バカバカしいと思っていることでも受け容れてしまうこの柔軟さ(いい加減さ)が自民党の強さなんでしょうね。普通に考えれば余りにも意味がない(どころか資源の無駄使いですね)この商品券ばらまき、自民党だって本気でやりたいわけではもちろんないのですが、公明党が公約にしてしまった以上仕方ないわなぁ、という諦めを感じます。ここで節を屈する自民党を責めるのは簡単ですが、僕には致し方なくそうする自民党よりも、最初にそういう無意味な公約をした公明党の頭の中身が信じられません。

 公約なんて言っても、都市博中止というような政治的判断ならともかく、商品券をばらまくだけの国民を馬鹿にしているような景気対策を本当に望んで公明党に投票した人がどれだけいるというのでしょう?そもそも公明党に投票する人のほとんどは創価学会の人間ですから、公約がどうあれ関係ないはずです。ここで商品券を配らないと次の選挙で公明党に投票してもらえない、ということはまずないと思います。それでも無理矢理押し通すこのこだわりは、一体誰の意志なのでしょうか?そう言えば公明党は最近執拗なまでの竹入批判もしているようです。これも、共産主義国がかつてのリーダーを徹底的に弾劾するのに似ています。やはり宗教と思想は根っこが一緒だなぁ、と思える最近の公明党(創価学会)の動きでした。
●似顔絵を描かれてしまいました。(98/10/28)
 先日行った安曇野合宿は、長野ATCとの交流が目的のひとつでしたが、それは言い換えればこの「コーカイ日誌」と同じ日記猿人登録のweb日記である『お気楽アニメ日記』の作者小松信一さんに会いに行くオフライン・ミーティングでもありました。まあ日記作者は2人だけですが、お互いの率いるサークルのメンバーもホームページで顔写真入りで紹介されているので、総勢30人のビッグなオフミであるとも言えます。

 で、交流戦終了後、すぐに小松さんに僕の似顔絵を描かれてしまいました。似顔絵というのは似ていればいるほど描かれたモデルには不満なものです。それは特徴を上手く捉えてそれをデフォルメしているからですが、それにしても何というか、かなり丸顔なんですよ。確かに最近またちょっと太ったけど、それをきっちり指摘されたようでガックリです。小松さんデザインのオリジナルTシャツを頂いたのがプラス方向の刺激なら、テニスでボロ負けしたのと丸顔の似顔絵がマイナス方向の刺激でした。ダイエットへの意欲が減退していたこの夏でしたが、また頑張ろうっと。
●カツノリとカズシゲ。(98/10/27)
 阪神の監督に野村が就任することになってスポーツ紙も週刊誌も大騒ぎです。まあ久しぶりに阪神が注目を集めて話題になるのは大いに結構なことだと思うのですが、僕が個人的に注目しているのは野村監督の息子、ヤクルトのカツノリです。今季一軍に上がってちょっとだけ活躍したこの息子、若松新監督の元で今季のように使ってもらえるかどうか心配していた(真面目に心配なんかもちろんしちゃいませんが)ところへ、オヤジさんの阪神監督就任です。こうなったら敵の監督の息子という立場は余計にやりづらくなるでしょうから、多分阪神に移籍ということになるんでしょうね。

 もっとも外様監督がトレードで自分の息子を入団させるとなると、風当たりがますますきつくなるのも目に見えています。ましてや阪神。ちょっとでもダメなら容赦ない罵声が飛ぶこと間違いないですから、カツノリにしてみれば残るも移るも地獄には違いないことでしょう。

 ここで思い出すのが野村の天敵・ひまわり長嶋の不肖の息子カズシゲ。ヤクルト関根監督の庇護の元、のびのびと野球を楽しんでいたカズシゲは、野村に監督が代わってからボロクソに言われ、結局オヤジさんの巨人監督就任とともに巨人にトレード。しかしそこでも出番はなく、さっさと引退して今や独自の「お坊ちゃん」キャラクターでタレント業にいそしんでいます。カツノリはカズシゲよりは実力がありそうにも見えますが、とは言えオヤジほどの選手ではないことも明らかです。うまく起用しないとカズシゲの二の舞になることだって十分考えられます。

 野村にしてみれば、たださえ阪神の監督なんて難しい仕事を選んだのに、この上息子の面倒まで見なくてはならないのですから、相当に疲れることでしょう。「男と生まれたからにはやってみたい3大職業」のひとつであるプロ野球監督(他の2つは海軍提督とオーケストラの指揮者)ですが、つくづく内実は大変な商売だと思いますよ。ちなみに僕が考えた「なってみたい」3大職業は「風呂屋の番台、AV男優、女子校の教師」ですが、前のものとは権力欲か色欲かの違いだけですね。
渋滞早抜けレース。(98/10/26)
 合宿の帰途、中央道中津川〜多治見間が渋滞とのこと。こりゃいかん、と3台のうち僕のクルマも含めて2台が中津川インターを降りて国道19号へ、残す1台はそのまま我慢の高速道路ノロノロ走行を続けました。で、19号も混んでいたので、僕たちのクルマはさらに山の中を迂回して多治見まで行こうと地図を見ながら走りました。もう1台は地元土岐出身のボンバー(愛称)の誘導で、さらに山の中へと分け入り、そのまま瀬戸から名古屋へ抜けようというルートを選択。ここで完全に3台別のルートを辿っての早抜けレースになりました。まるでテレビ番組の企画のような状況です。

 お互い携帯電話で連絡を取りながら状況をチェック。僕たちのクルマは恵那から国道257号、363号、県道33号、20号、66号と平均時速70kmくらいで走り抜けて、土岐の「道の駅」で夕食。多治見インターから再び中央道に乗り、春日井インターを降りたのが夜9時過ぎでした。対して高速道路を亀走行していたファイヤー(愛称)のクルマは、徐々に流れが良くなり、8時半には春日井インター着。9時過ぎには中華料理屋でラーメン&餃子を食べ終わっていたようです。若干僕たちよりも早かったということですね。そしてその頃、極寒の山中をさまよっていたボンバー車。9時を過ぎても未だに食事にもありつけずに岐阜東濃の山の中で行方を絶ったとか…。

 と言うことで、やはり渋滞していても高速道路を我慢して走っているのが、時間的には一番のようです。ただし、適当に抜け道を走るのも楽しいですよ。いろいろ変化もあるし、知らないスポットにも出会えるし、なによりタダ。まあそう考えると、今回は引き分けかな。ボンバー車?まあハプニングもまた楽し、ということで。いいじゃないの、若いんだから。
●晴れサークル。(98/10/25)
 ここ2〜3年、あまり雨に降られることもなくテニスができていた我がATC。合宿の時も同じで、例え集中豪雨の時でも、テニスの合間だけは崩れずにもったりします。で、今回の安曇野合宿でも、金曜日夕方から土曜日夕方まで雨の予報でしたし、実際テニスコートに向かっているときはどんより曇っていて、今にも雨が降りだしそうだったのに、僕たちが着いたらどんどん晴れてきてしまいました。合宿にいろいろと協力してくださった長野ATCさんも、この「晴れサークル」ぶりには感動されたようです。もっともテニスでは全然かなわなかったのですから、せめてそれくらい協力しないとねぇ。
●自分を鑑定したら1億1605万2540円。(98/10/24)
 設問に答えていくと自分の値段を鑑定してくれるという面白いホームページがあります。とりあえず僕の鑑定結果の詳細はこちらです。約1億1600万円という値段は、トータルに見れば「ピカソ級」ということなので、かなり良い方なのでしょう。しかし、内訳を見ると運4500万、人徳2800万、心2000万円で全てSクラスなのに対し、才能は1200万のBクラス、境遇に至っては900万円のCクラスです。どうしてこれほど評価にばらつきがあるのかわかりませんが、とにかく人柄の良さと運の良さだけを誉められるなんて、まるで「老人力」を誇るMちゃんのようで、ちょっと寂しいものがあります。

 しかしまた、人生を幸せに生きるのに最も必要な要素はなにか、とじっくり考えたら、それはやはり運ですよね。運の良い人は大した苦労も努力もせずに道が拓けますし、逆に運の悪さを自らの才能でカバーしていくの大変です。「才子策に溺れる」のも、運に逆らっているからです。それに比べれば人徳は大切ですよね。誰かが助けてくれるのですから、運の悪さもある程度はフォローしてもらえるかも知れません。うーん、これって実は運に頼るか人に頼るかの違いだけのような気もしますね。やっぱり僕って他力本願の人生ということでしょうか?鑑定は大当たりかも知れません。
●阿漕なシノギに燃える警察。(98/10/23)
 娘の幼稚園の親子遠足ということで、朝早くに遠足に行く妻と娘を幼稚園までクルマで送りました。行く途中の道で「随分警察官が出ているなぁ、検問でもやっているのかな」と話しながら走りましたが、そんなことは1分半後には忘れていました。

 幼稚園からの帰り道、天気も良く鼻歌まじりに走っていたら、先ほど警官がたくさんいた辺りで止められました。前を走っているクルマも後ろを走っているクルマも全部止められています。「迷惑だなぁ、朝っぱらから」と思いながら止まっていると、前のクルマのドライバーが免許証を提示した後、クルマから降りてどこかへ連れ去られていきます。「あれあれあれ???」と思っていると、こちらに寄ってきた警官が「はい、免許証。じゃあこちらに来てください」だって。これは明らかに交通違反で捕まった時の応対です。

 何も思い当たる節がない僕は、不審に思って「なんですか?」と聞いたら「はい、ここはバスレーンでね、朝7時から9時は車両通行禁止なんですよ」だって。おいおいおい!片側一車線しかない道路がバスレーンで通行禁止だ?じゃあなんだ、この道はバス以外走るな、ってことか?はじめて聞いたぞ、そんな話!いつからそんなこと決まったんだ?「もうね、20年くらいになりますよ」おいおいおいおい!ここらへんにかれこれ10数年住んでいるけど、一度たりともそんなこと聞いたことないぞ!こっそり20年前に決めて、今まで見逃していたわけか?スパイを泳がせておいて一網打尽みたいな話じゃないかよ。

 僕と同じく捕まって反則キップを切られている全員が口々に文句を言っています。「聞いたことがない」「今まで一度も取り締まりなんかしてないじゃないか」「どこからどこまでが通行禁止なんだ」「もっとちゃんと明示してくれなきゃわかんないよ」…。皆さん、本当にごもっとも。なんで20年間ほったらかしにしておいて、今さら急にそんな取り締まりをするんでしょう?「バスが渋滞に巻き込まれると困るでしょ」バ・バ・バカヤロー!この道は朝でも空いているから通っているんじゃないか!もっともっと混雑している道はいくらでもあるぞぉ。なんでこんな道をバスレーンにする必要があるんじゃい!

 「はい、ここに人差し指で指紋が残るように押して。はい、反則金7000円は一週間以内に郵便局か銀行で振り込んでね。はいはい、ご苦労様でした」うー、悔しい。明らかにこれは警察が予算達成のためにやっているシノギじゃないかぁ。ボロイよなぁ。スピード違反や駐車違反よりも確実に捕まえられるもん。走ってくるクルマは全部違反者なんだから。誰も知らない、意味もよくわからない通行禁止区域。その正体はいざという時の警察の資金源だったのね。赤い羽根募金より「愛は地球を救う」よりも簡単に集金できるんだから、暴力団の方がまだしも苦労しているってもんです。どうせ明日からまたクルマはバンバンあの道を走って、誰もかれもが今朝の事件を忘れた頃、またやるんだろうな。警察のカツアゲ。
生まれながらに「老人力」のある人。(98/10/22)
 「トマソン物件」や「路上観察学」「新解さん」などいつもユニークな発見と着想で知られる作家にしてイラストレーターの赤瀬川原平が、最近「老人力」という言葉を提唱してまた話題になっています。すでに本も2冊ほど出ていますが、要は年を取って物忘れが激しくなってきたことを「ぼけた」と言わずに「老人力がついた」とマイナスのままプラス評価しよう、ということです。これからの高齢化社会に向けて、年を取ることをこういう風に楽しもうとする赤瀬川らしい楽しい発想です。

 ところで会社の同僚コピーライターで「コーカイ日誌」の常連Mちゃんですが、彼はまさに生まれながらにしてこの「老人力」がついている人です。例えばMちゃんはアニバーサリーというものを自分と奥さんの生年月日以外全く知りません。自分の両親の誕生日も年齢すらも知らないのです。もちろんMちゃんは自分が大学を卒業した年も、結婚した年も、今の会社に入った年も月日も覚えていません。個人的な記念日なんて、そんなことは「どうでもいいじゃん」らしいのです。親の年も知らない人って、なかなかそこらへんにはいませんよ。

 Mちゃんはハンバーグが好きらしく、ランチに一緒に行くとよく「ハンバーグランチ」を頼みます。しかし、ランチに出てくるようなハンバーグが美味しい店はなかなか巡り会えるものではありません。よく僕たちが行く「Tチバヌーチ」にも「Cャンティ」にもハンバーグランチはありますが、他のメニューに比べて全然美味しくありませんでした。ところがMちゃんは、そこでハンバーグを注文しては「失敗したぁ、もうここのハンバーグは2度と頼まないぞ」と僕たちに向かって叫ぶのですが、必ずまたそのことを忘れて「ハンバーグランチ」とオーダーしているのです。呆れた僕たちが「もう注文しないって言ってたじゃん」と言っても「そうだっけ?」なんて全然覚えていないのです。

 なにせMちゃんは中学の時に給食だったか弁当だったかも覚えていない人です。学校の担任の先生の名前が全然思い出せない人です。大好きなお姉ちゃん関係(もちろん実の姉の話ではないですよ)であっても、どんどん忘れていってしまうので、相手をしたお姉ちゃんにしてみればたまりませんが、本人は至って平和に次のお姉ちゃんにいくことができるようです。赤瀬川原平が60才を過ぎてようやく身につけ始めた「老人力」を、30代で完全にマスターしているMちゃん。相変わらず肩こりも頭痛もしたことがないとか。真にストレスのない人生とは忘れることでしか成り立たないのかも知れません。
●昔F1、今K-1。(98/10/21)
 フジテレビが懸命にF1日本GPのPRを続けています。随分前から有名タレントにF1について語らせるCMを流していますし、プロ野球ニュースの時にも随時取り上げていますが、もはやかつてのあの盛り上がりは望むべくもないようです。セナ&プロスト時代には名古屋のホテルはどこも満杯、鈴鹿サーキットを目指す巡礼者のような行列ができたものでした。女の子からチケットを取れないかと相談されたり、まさに秋の名古屋はF1一色という時代でした。その後、ご存知のようにホンダの撤退、中島悟の引退、セナの事故死などが重なってF1人気は衰え、移り気なファンはJリーグに流れていきました。フジテレビ以外のマスコミはもはや日本GPさえ無視しているようにすら見えます。

 対してここのところ思いっきり盛り上がってきているのがK-1。12月13日には最強の8人によるトーナメント大会が開かれますが、すでに雑誌でも大きく取り上げられています。日本生まれの新格闘技(?)であるK-1の魅力は、何と言ってもわかりやすい派手な試合展開と、選手それぞれのキャラクターの立ち方。実はこのあたりの演出は、かつてのF1に良く似ているのです。人気と実力を兼ね備えたセナ&プロストにあたるのがアンディ・フグとアーネスト・ホースト。中島悟が佐竹雅昭。さすがにF1をヒントにK-1と名付けただけのことはあります。最近では広告にも彼らは起用されていて、日清の「ゴーメンください」や、サントリーのボス「俺ならよけちゃうよ」などで登場して、その人気ぶりを証明しています。

 で、これからですが、F1人気が再び盛り上がることは当分ないでしょう。対してK-1人気はこれからピークを迎えると思います。来年あたりが最盛期になると僕は見込んでいます。格闘技人気は若者の間ではずっと前から続いていますが、まだ社会全体を巻き込むような大きなうねりにまではなっていません。しかし、この12月のK-1グランプリあたりから、ブレークして来年はK-1イヤーになりそうな気がします。来年はオリンピックもサッカーW杯もありませんからね。ラグビーのW杯がありますが、多分好き者だけが注目する大会になりそうだから敵ではありません。強いて言えばライバルはノストラダムスかな。なにせ1999年ですから。


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