1997年10月後半のコーカイ日誌


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●長野五輪は「滑降」悪い。(97/10/31)
 いよいよ残り100日を切った長野五輪。その割には全然盛り上がっていませんが、唯一話題になっているのが滑降競技のスタート地点問題。距離が短いという文句をつけられても、五輪委員会は1680m地点からのスタートを主張して引き上げを拒否しています。ところが五輪委員会が問題にしている「環境保護」が実は大嘘で、年間50万人もの一般スキーヤーがそこで滑っているというからお笑いです。で、それを指摘された五輪委員会は、何と自らの主張を押し通すために、一般スキーヤーの滑走を禁止することも検討するというから、もうその意固地さは見上げたものがあります。当然スキー連盟は怒りまくっていて、長野五輪からスキー競技は撤退する、という脅しまでかけてきました。どうにもこうにも外野には面白い展開になってきていますが、五輪委員会にとっては当然笑い事では済まないでしょう。最終的にはスタート地点を引き上げるしか解決策はないんじゃないのかなぁ。
 ところで一般的な支持は得られないことはわかっていますが、僕の個人的見解は、スキーなんて全面的に禁止してくれても全然困りませんけどね。やらないから(笑)。いや、マジな話、スキー場とゴルフ場というのは、ただの遊びにしては自然破壊の度合いがひどすぎると思います。21世紀になるのにまだやってんの、という個人的2位&3位ですね。1位?そりゃハンティングでしょう。職業としての狩猟は認めますが、ブルジョア趣味の動物虐殺行為は地球的論外です。
●鈴鹿サーキットでの取材。(97/10/30)
 仕事で三重県の鈴鹿サーキットに取材に行ってきました。三重県の遊園地と言うと、「パルケエスパーニャ」「長島スパーランド」が有名ですが、鈴鹿サーキットも国際サーキットコースだけではなく遊園地の方も結構充実しています。ここの特徴はサーキットに併設されている遊園地だけに、クルマ系の乗り物施設が充実していることで、ゴーカート類がいくつもあって、クルマ好き・ドライブ好きにはかなり楽しめます。時速60kmくらいのスピードが出る本格的なレーシングカートや、時速100km以上のスピードが出るドラッグレースなどもあって「さすが鈴鹿」という印象です。
 ところで、この秋トヨタが電気とガソリンで動くハイブリッドカーを発表しましたが、環境問題・資源問題を考えると、現状のままなら21世紀にはガソリンエンジン車が消えていくことは必至です。モータリゼーションの楽しさを伝えることでは日本メーカー随一のホンダと言えども、いつまでもそこにとどまっていられないでしょう。ホンダのことですから、トヨタとは違ったアプローチできっと楽しい「エコカー」を作ってくれると期待していますが、鈴鹿サーキットでガンガンとガソリンまき散らして遊べるのもあとわずかのことかも知れません。
●サッカーブームの後に来るもの。(97/10/28)
 Jリーグのバブル的人気も今年一気に凋落し、このW杯最終予選でとどめを刺されそうです。そう言えばサッカーの前に爆発的に流行したF1は、ビルヌーブがシューマッハを制してチャンピオンになりましたが、誰もそんなこと話題にもしていませんね。片山右京引退のニュースの扱いが小さいこと。中島悟の時とは大違いです。
 で、F1からJリーグへと流れたミーハーファンは今度どこに行くのでしょう?去年あたりならNBAかと思ったのですが、ジョーダンがいつ引退してもおかしくない今となっては、後に続くスーパースター不在のNBAが一気にメジャーになるとは思えません。もちろん、日本ではあまりに馴染みが薄いNFL(アメリカンフットボール)やNHL(アイスホッケー)は、もっと難しいでしょう。だいたい、ヘルメットで顔が見えないのはテレビ映えもしませんし(とは言えもっと顔が見えないF1が流行ったのだからわかりませんけどね)。それに何と言ってもブームになるにはフレッシュな日本人スターの登場が不可欠です。野茂のお陰でメジャーリーグの注目率がグーンと上がったように、やはり国際的な舞台で活躍する日本人、というのが一番今の日本では受けがいいですからね。
 で、僕の注目はラグビーです。サッカーと違ってW杯出場の経験もあるし、平尾という加茂と違ってルックスが良くて若いスーパースターが監督をやっています。サッカーより選手のキャラクター性にも富んでいるし、ゲーム展開もエキサイティングです。問題はラグビー協会の体質ですね。アマチュアリズムの権化のようなところですから、ブームを盛り上げて一気にメジャーに、なんて商業主義はもっとも嫌いそうです。でもラグビーって本当に面白いんですけどねぇ。あまりミーハーなブームになるのも問題だけど、もう少し話題になってテレビ中継が増えると嬉しいんですが。
●引き分けと負けは一緒。(97/10/27)
 UAE戦、勝つしかないし、きっと勝ってくれるだろうと思っていました。この土壇場で、しかもホームでUAEに勝てないようでは、この先の3位決定戦に至るまでの厳しい戦いに勝ち残れるはずもないからです。思惑通りロペスの素晴らしい先制ゴールが開始直後に飛び出し、さすがに今日は安心かと思ったら、後はいつものようにズルズルとした試合展開。そして追いつかれた後はゴールを割れる気配もなく、大した闘志も感じられないまま試合終了のホイッスル。ブーイングする気力すら起きないようなダルな試合でした。
 今さら点数計算しても虚しいだけですが、ともに韓国戦を残す日本とUAE、どう考えたってソウルで戦う日本の方が不利です。今日の北沢と中田の出来を見ていてもわかるように、もうここまで来たら頼りになるのは五輪組ではなくドーハ組だと思いますね。闘志が違います。中山を入れましょう。なんならラモスだって入れましょう。カッコつけた綺麗なサッカーしかできない若いJリーガー達はもう当てになりません。ソウルでは引き分けも許されないんですから。
大瀧詠一なんて知らない!?(97/10/26)
 さて、またテニスメンバーのO嬢の話ですが、『ラブジェネ』を彼女とお姉さんが見ていて、「歌が悪いよね、キャストに金かけ過ぎて、安い変な歌手使ったりするから」「そうそう、山下達郎の出来の悪いやつみたい」と語り合ったそうです。もちろん、このドラマの主題歌を歌っているのは大瀧詠一!これを聞いた僕と、やはり30代の女性は卒倒しそうになりました。これを読んでいる30代以上の人には、この気持ちわかりますよね?
 もちろんそれからO嬢に、いかに大瀧詠一が日本のポップスシーンにとって先駆的で偉大な存在であるかを語ったのですが、それはとても虚しい試みでした。そりゃ歌を聞いて「変!」って思ってしまった以上、もういくら「凄い人なんだよ」って言われたってダメですよね。今の20代以下は『恋するカレン』も『さらばシベリア鉄道』も知らないんだから。
 それにしても、あの頃みんなクルマの中には大瀧詠一のカセットが積んでありましたよね。ラコステのポロシャツ着てドネー(ヤマハでもいいけどさ)のラケット持ってファミリアとかシルビアに乗って大瀧詠一を流しながら海に行く。自分たちの青春は誰しも美しく懐かしいものなんですね。ああ、とってもオヤジになった気分です。
●総会屋は必要悪ではない、けど。(97/10/25)
 四大証券、勧銀に続いて松坂屋、三菱自工も総会屋へ金を渡していたことが明らかになって、次々と総務担当者、そして役員が逮捕されています。各企業のトップが次々と辞任し、もうどこも上へ下への大騒ぎでしょう。総会屋に金を渡している企業など、それこそゴマンとありそうですから、そういう企業ではどう取り繕うか今頃必死なんでしょうね。
 それにしても警察はどこまで摘発を続ける気なのでしょうか。総会屋に金を渡している企業を全部摘発するとはとても思えないんですけど。だって数が多すぎて無理でしょう、事務能力的に。だいたい、政治家や役人の贈賄と違って、企業が総会屋に金を渡していたって、それほど怒りを感じるようなことではありません。マスコミなんかは妙に正義漢ぶっていますが、本音で言えば「関係ないじゃん」って思いません?総会屋に金を渡すことがいいとは思いませんが、それで損するのはその企業でしょ?そんなのどうでもいいですよ。額だって個人のお金と考えれば大金ですが、企業の取引としては「はした金」です。消費者にはね返るような影響があるとも思えません。だいたい、カツアゲした奴を逮捕するのはわかるが、カツアゲされた奴まで、そこまで大悪人のように扱っていいのか?大きな会社の偉い奴なんて、どうせろくでもないに決まっている、というビンボーな平サラリーマンのひがみ根性が入っていないか?
 総会屋が「必要悪」という議論に耳を貸すほど甘くはありませんが、それよりも無闇に摘発することによって、有能な経営者まで辞任に追い込んでいないかが心配です。無能な奴がトップに立ってその会社をダメにする方が、はるかに我々にとっては影響が大きいのですから、警察もちゃんと社内事情を考えた上で無能や老害だけ取り締まってはどうかな。ま、誰が本当に無能か見極めるのは難しいけどさ。あ、老害は簡単だから、どんどんやろう(笑)。
アムロの結婚は社会を変えるか。(97/10/24)
 人気アイドル安室奈美恵がTRFのダンサーと結婚しました。年齢差15才、収入差は果たしてどれだけあることやら、という不釣合いな組み合わせですが、「できちゃった婚」だけに、まあ仕方ないかと世間も無理に納得しようとしている感じです。本当に「仕方ない」のかどうかはともかく。
 で、アムロファンの気持ちはさておき、この結婚、やはり彼女らしく時代を象徴する「いまどき」な感じがとってもしますね。これはいわゆる「ヤンママ」的な結婚です。本人がまだ子どもなのに、妙に早くから年寄りじみて家庭を持って落ち着こうとする最近のヤンキー上がりに多い思考パターン。彼らの人生観・結婚観はかなり保守的・家族主義的で、戦後のリベラルな民主主義教育は、結局揺り返してこういうカタチで結末を見たのか、と思ってしまうほどコンサバです。アムロの結婚によって、この先ますますそういうヤンママ的価値観が前面に押し出されて、一気に社会に公認されていきそうな気がします。
 かつて山口百恵が結婚したときに、一気にウーマンリブ的肩肘張って頑張ろう志向が時代遅れになったように、アムロの結婚は、松田聖子的パワー全開やりたいことはなんでもやるわ志向を葬り去るかも知れません。今の女の子って、ああ見えても実は閉塞感強いからねぇ。一気にみんな「落ち着きたい」って思うようになるかもよ。
●10,000アクセス達成記者会見。(97/10/23)
 カウントダウンを最近続けてまいりましたが、とうとう10月22日夕方、念願の10,000アクセスを達成しましたので、ここにご報告申し上げます。1年と12日での達成でした。予想より早い10,000件達成に、関係者一同、深く感謝しております。本当にこれだけ多くの人にアクセスしていただいき、誠にありがとうございました。もっとも10,000件のうち自分自身で稼いだ数が1割くらいはあるんじゃないか、と推測していますけどね。
 それはさておき、もともとはテニス仲間の募集を目的に始めたホームページでしたが、いつの間にやらそれ以上のものに膨れ上がってしまい、今では総ページ数が300ページを超えてしまいました。我ながらよく1年間にこれだけのボリュームを作り上げたものだなぁ、と呆れております。これからもしばらくは飽きずにこの調子でやっていきたいと思いますので、皆様よろしくお付き合いのほどお願いします。まだ読んでいないページがある方、ぜひ全ページ読破を目指して頑張ってみてください。
 え?今後の抱負ですか?子どもはできたら3人欲しいですね、って(笑)、違った、とりあえず20,000アクセスを1年以内に達成することと、伝言板の常連メンバーをもっと増やして賑やかにすることですかね。あまり凝った作りにせず、誰でも親しめるサイトにしていきたいと思っています。以上です。
●続・それでいいのか、電広エージェンシー。(97/10/22)
 昨日のコーカイ日誌(↓)について、各方面からご意見を頂戴しました。簡単に言うと、「自分の業界のことだから気になるんだろうけど、ドラマなんだからそう熱くならないで」と言うようなことです。確かに昨晩書いた時は、ドラマを見た直後だったので、一気に思うまま書いてしまいましたが、一晩経ってみるとちょっと考え方が変わりました。
 『心療内科医涼子』という室井滋の新ドラマがありますが、これについて専門家から「あれは心療内科ではなく精神科の範疇だ」「だいたい聴診器も下げていない医者などいない」などという指摘があったそうです。確かに専門家から見ればそうなのかも知れませんが、我々素人からすれば、そんな細かいリアリティにこだわるよりもドラマとして面白ければそれでいい、と思ってしまいます。同様に『ラブジェネ』(って略すらしいね)の広告代理店「電広エージェンシー」についても、ドラマとして成り立っていれば内輪の人間から見た少々のリアリティの欠如はどうでもいいわけで、それをもってして脚本家やプロデューサーの姿勢を問うのは間違っているわけで(まだ3日前の純くん口調が残っている)。恐らく脚本家もプロデューサーも、そのあたりはわかっていてやっていることなんだろうと考えを改めました。
 もっとも『ラブジェネ』がその結果じゃあ面白いドラマなのか、と言われるとやっぱり疑問ですけどねぇ。あまりにも捻りのないストレートなストーリー、出演者の人気とキャラクターに頼ったキャスティング、映像も普通、音楽もとりたてて効果的でもないし。特に期待していた大瀧詠一がねぇ。新曲もいいけど、『恋するカレン』とか『A面で恋をして』とか『さらばシベリア鉄道』とか、全然使ってないじゃんかよぉ!30代は怒るぞぉ。あっ、やっぱり怒ってしまった(笑)。
●それでいいのか、電広エージェンシー。(97/10/21)
 中堅広告代理店「電広エージェンシー」の若手営業マン片桐哲平くんは、先日クリエーティブ部門から営業に異動したばかり。毎日頭を下げるだけの仕事に嫌気がさしていた時に、上司の営業課長から大きなコンペの仕事を任された。張り切る哲平くんだったが、つい頑張りすぎてクリエーティブ部門にまで口を挟み、スタッフから嫌われる。結局、クリエーティブ・スタッフが全然作業をしてくれずに、仕方なく営業課長はクライアントにコンペの辞退を申し出る。哲平くんは人を動かす難しさを学んだのだった。。。
 って、そんなアホな広告代理店ありまへん!即刻潰れてしまいますわ!!この「電広エージェンシー」とは、大半の方がご存知のように月9『ラブジェネレーション』の舞台になっている広告代理店でして、哲平くんがキムタクなわけですが、いくらドラマと言えども、ちょっといい加減過ぎますよ、電広エージェンシー。次から絶対仕事来ないな。
 この場合、哲平くんは、はっきり言って全然問題ないです。別に非道なことをしたわけでもなく、よりよい企画を練り上げるためにまともなディスカッションをしただけです。出来の悪いクリエーティブに対して建設的な意見を述べていた哲平くんの行為は営業として当然です。最終的な責任は営業が取るわけですから、クリエーティブ・スタッフは哲平くんときちんと議論を戦わせた上で、お互い納得できるものを作り上げるべきなのに、単なる感情的なわだかまりで仕事をサボったのですから、クリエーティブのスタッフの方がはるかに問題です。しかし、一番悪いのは、それくらいのことであっさりコンペを諦めた営業課長ですね。熱心に仕事をしていた哲平くんをひとり悪者にするわ、わがままなだけのクリエーティブを放置するわ、挙げ句にクライアントに迷惑かけて信頼を失うわ、もう失態の三段重ねです。彼は大体哲平くんに任せっぱなしで会議にも出席していないのですから、まさにこんなアホな課長いらない、の世界です。
 しかし、いくら脚本家が世間を知らないとは言え、こんな脚本を許しているプロデューサーも「いらない」ですね。今までどうやって広告代理店と付き合ってきたのでしょう。この『ラブジェネレーション』、初回はびっくりの高視聴率でしたが、この先どうなることやら、ちょっとこれでは心配です。
●ホージーの「秘打」。(97/10/20)
 1・2戦とも実に白熱した好試合を展開している日本シリーズ。老練なヤクルトに対し、若々しい西武が良く挑んでいる、という感じで、ここまでかなり見応えがあるシリーズとなっています。そんな展開の中、プロ野球史上に残るような珍プレーが飛び出しました。なんとあの「プリクラ男」ホージーが、グリップエンドでタイムりーを放ったのです。全くそのまんまマンガです。『巨人の星』の大リーグボール1号か、『ドカベン』殿馬の秘打か、というレベルですね。珍プレーとしては宇野のヘッディング事件と並び称されるべきでしょう。いやぁ、こういうプレーもあって好プレーもあってこその野球、レベルが低く内容もお寒いナビスコ杯とやらに比べると、はるかに面白いです。神宮に移っての3戦以降も楽しみです。
●『僕らの勇気〜未満都市』。(97/10/19)
 今回のクールで個人的には一番注目しているドラマ『僕らの勇気〜未満都市』第1回を見ました。日本テレビ系列土曜9時枠はずっと劇画っぽい子ども向けドラマで高視聴率を上げてきたのですが、今回も基本的な路線は変わりません。ただテーマがこれまでの怪奇サスペンス的なところから、SFチックな友情ドラマに変わったようです。そういうと、僕たち世代なら昔NHKでやっていた少年ドラマシリーズを思い出す人も多いことでしょうね。ちょうど中学生の頃に『夕映え作戦』とか『タイムトラベラー』とか、筒井康隆や眉村卓の少年向けSF小説を原作にドラマ化したシリーズで、本当に胸躍らせて見たものです。だから、この『僕らの勇気〜未満都市』もちょっとそんなタイプのドラマになるのでは、と期待して見ました。
 感想。うーん、ちょっと違うなぁ。まあドラマとしては良く作ってあると思います。脚本も頑張っているしロケもふんだんにあって映像も凝っています。ちょっと細部の詰めにリアリティがなくて子供だましですが、まあキンキの2人の熱演に免じてそれはよしとしましょう。ただ何というか、どうもドラマに温もりが感じられないんですよね。どこか殺伐としていて、冷たい空気がします。ストーリーがどうこうではなく、演出手法の問題、いや、問題でもなくそういう演出の狙いなのでしょうね。ただ僕の期待していた雰囲気と違っていた、ということなんです。もちろんまだ1回だけでうんぬんすべきではないのかも知れません。ストーリーは手が込んでいるので、とりあえずこの先どうなるのか、続きも見たいとは思っています。ただこの演出の雰囲気だけは、もしかしたらずっとなじめないかもなぁ。
●日本的な日本離れCM。(97/10/18)
 世の中に妙な広告はいろいろありますが、変てこりんだけど笑えたりするものは、まあいいとしましょう。お金がなかったり、社長が変人だったりするために生まれてきてしまったそれらのCMは、雑多で混沌とした世の中を象徴的に示していて、かえって人間の健全さを感じさせてくれたりするからです。ところが今NTTグループがやっている松たか子と吉岡秀隆のCMは、一体どういうつもりなのか、最初見てもさっぱりわかりません。未見の人のために簡単に説明すると、2人がボソボソと話をしているのです。それも「どうしてたの?」「ちょっと」「どこにいたの?」みたいな(正確ではありませんが、そんなようなことです)どうでもいいことを脈絡なく話しています。合間に電子メールらしきものを外国(確かデュッセルドルフ)と鎌倉で離れて読んでいる2人のカットが入ります。で、最後にNTTグループ、って出るわけで、これは一体なんのことだか実に訳がわからないわけで。蛍、お兄ちゃんはとにかく訳がわからないわけで(笑)。
 でもまだそれは僕は許せます。いかにも現代の若者らしい雰囲気を醸し出している2人。そんな生活の中にNTTグループ、ってことなんでしょう、きっと。訳のわからないCMに慣れっこの日本人ですからそれくらいは読みとってあげようじゃありませんか。でも、さらにこのCMには英語字幕バージョンというのがあるのです。演技その他は全て一緒です。ただ日本語のセリフに英語の字幕が入るのです。いったいなんのために?誰に見せるために?日本に住んでいる外国人の人々のために、わざわざ親切に作ってあげたの?いつから日本はそんな多国籍国家になったわけ?
 推察するに、これはもちろん英語しかわからない異文化の人のために作ったわけではなく、単に英語字幕を入れて、それっぽい(つまりなんというか、アメリカっぽい、というか)雰囲気をCMの中で出したかったんでしょうね。要はカッコつけ、ってことです。しかも、これは単に英語が相変わらずカッコイイ、と思っているというようなレベルではなく、完全に視点が日本人を離れていることによる「カッコイイ」なのです。これを見て欲しいターゲットの若者は、自分がすでに日本人だと思っていない、ほとんどアメリカ人のノリだから、日本語の会話に敢えて英語字幕を入れると、アメリカンじゃん、なんか、センスいいじゃん、って思ってもらえるだろう、というのが制作者の読みだと思われます。バカですよねぇ。いや、制作者じゃないよ、そう思われているターゲットの若者がね。だって先ほど書いたように、CMの中身自体は、バリバリに訳がわかんない典型的な日本型CMなんですよ。アメリカ型の論理で攻めまくるCMとは全く違うのに、カタチだけそんなアメリカっぽくしたってねぇ。CM自体ののクオリティは高いだけに、かえって日本文化はどこに行くんだ!と嘆きたくなりました。笑えない、変なCMです。
クルマに女の子は付いてこない。(97/10/17)
 僕も20代は人並みにクルマ好きで、いつも次はどんなクルマを買おうか、といろいろ雑誌を眺めながら空想を膨らませていたものですが、最近はとんとクルマに興味を失ってしまいました。ま、何を買ったところで、さして違いがあるわけでもないしな、なんて。ところが、いつも僕を楽しませてくれる隣席のM氏(30代後半妻あり)は、最近7年乗り続けたカリーナEDを捨てて、新しいクルマが欲しいと物色中。彼のクルマに対する要求は、1.女の子に受けること 2.故障しないこと 3.燃費が良いこと 4.できたら安いこと という、実にわかりやすいものなのですが、2から4までの要求と1の欲望がなかなか一緒にならなくて現在困っているのです。そりゃそうだよね、女の子受けしようと思ったら、コストバリューに優れた実用車は難しいもの。だいたいクルマで女の子がなんとかなる、なんて幻想を抱いていられるのは20代前半まででしょう。どんな高いクルマを買っても女の子が標準装備されているわけではない、ということに男はいつか気づくものです。
 ところがM氏は、この妄想をなかなか捨てられないでいるのです。現在彼が悩んでいる車種はアコードワゴン・ゴルフ・アウディA4。この中で一応女の子受けしそうなのは、なんたってアウディですが、これは当然高い。割高感があります。逆にアコードワゴンは、割安感はあるのですが、どう贔屓目に見てもやっぱりファミリーターゲットのワゴン車でしかないだけに大してもてるとは思えません。ゴルフは新型が出るまで待つか、ということになると、結局買うクルマがなくなってしまうんですよね。これはクルマに何も期待していない僕が横でごちゃごちゃ言うから、余計にそういう結論になってしまうのかも知れませんが、決定打がないだけに、もうしばらくM氏のクルマ選択の悩みは続きそうです。もっとも悩んでいるうちが楽しいんですけどね、クルマ選びなんて。買ってしまったらどれでも一緒。ただの中古車ですからね。
●子どものボキャブラ。(97/10/16)
 フジテレビ系列の人気番組『ボキャブラ天国』が、いきなり日曜深夜から火曜夜8時へと枠移動しました。日曜深夜より視聴率は上がるでしょうが、ちょっと時間帯的にまだ健全なところなので、出場している若手芸人たちもちょっとやりにくそうです。
 ところで、わが家の3才の娘も巧まざるボキャブラをよく喋って笑わせてくれます。最近のヒットは、キンキキッズの『硝子の少年』を「カラスの商店」と歌っていたのと、「おひっこしならぁ〜松本引っ越しセンター〜」と言うコマーシャルソングを「おしっこするならぁ〜松本引っ越しセンター〜」と歌っていたやつです。特に後者は普段の彼女のお漏らし癖を彷彿とさせて笑わせてもらいました。こういう子どもの天然ボキャブラって、どこの子どもも2,3才の頃はやっているんですが、当たり前のことながら成長するにしたがって少なくなっていくので親としては寂しいものです。


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