幹事クリタのコーカイ日誌2023

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8月1日 ● 織田裕二と阿部寛は脇役か?

 この夏のドラマで見ているのはテレ朝の『シッコウ!!〜犬と私と執行官〜』と、TBS『VIVANT』です。前者はお仕事ドラマですが、執行官というのが新しく、後者は今の日本のテレビドラマとしては破格の予算をかけた大型ドラマで映画のような見応えがあります。そしてそれぞれ織田裕二、阿部寛という大物俳優が主役ではなく脇役に回っているところが共通しています。

 とは言え、織田裕二は脇役と言っても主役の伊藤沙莉が狂言回し的な存在で、伊藤から見た織田の活躍ぶりがドラマのメインです。例えるなら伊藤はワトソンで織田がホームズですから、本来の主役は織田だと言って良いでしょう。この設定なら織田が主役、もしくは伊藤とのW主演という形で良かったのに、敢えて織田を脇役にした意味がわかりません。ただ脇に回った織田は肩の力が抜けている感じに映るので、良い効果はもたらしていると思います。

 『VIVANT』にいたっては主役クラスの俳優が揃った豪華キャスト、というのが売りですから、阿部寛だけではなく、役所広司、二宮和也、松坂桃李、二階堂ふみなども脇に回っています。ただ第3話までで役所、二宮、松坂はまともにドラマに出てきていませんから、実質的には堺雅人と阿部寛(プラス二階堂)のW主演と言って良いでしょう。堺と阿部ががっぷり四つに組んでドラマを見応えのあるものにしています。イメージとしては007やミッションインポッシブルシリーズのようなサスペンス調の冒険活劇ですから、映画か海外ドラマのようなノリです。

 お馴染みの日曜劇場の常連俳優陣が並んでいるものの、『半沢直樹』的な時代劇風の勧善懲悪ドラマではないので、視聴者の好みがわかれているようですが、僕は正義の味方と悪人がわかりやすく出てくるようなドラマよりもずっと面白いと思っています。あとは脚本が破綻なくラストまで進んでいけるのか、途中で腰折れになってしまわないかを心配するばかりです。

 さて、実質的に主役の織田や阿部が敢えて脇役設定されている謎ですが、そうすることでドラマのキャストが豪華に見えるという効果を狙っているのでしょうか。NHK大河ドラマなんて毎年そうやって大物俳優をトメにして豪華キャスト感を演出しています。今年も阿部寛は武田信玄としてトメでしたし。1年間かけて展開される大河はシーズンごとにトメの俳優を入れ替えていけますが、1クールの民放ドラマではなかなかそうはいかないので、そこが難しいところでしょう。

 まあどんなに頑張っても予算が段違いな大河ドラマのキャスティングには敵いません。『どうする家康』も過去の大河ドラマ主演俳優が勢揃いしています。それでも評判が低く視聴率が上がらないのですから、やはりドラマはまず脚本が何より肝心です。



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