幹事クリタのコーカイ日誌2021

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5月9日 ● 映画『女の機嫌の直し方』。

 映画『女の機嫌の直し方』を見ました。AI研究者・黒川伊保子の同名ベストセラーを原案に、とある結婚式で次々と巻き起こる男女のトラブルを、男女脳の違いを分析した研究をもとに解決していく様子を描いたハートフルコメディで、2019年に日本テレビの深夜ドラマ(全3回)プラス劇場版として制作されたそうですが、ドラマ未見のまま映画単品で見ましたが予想以上に面白い作品でした。

 内容は男女の脳の違い、発想法の違いを結婚式を舞台にして事例的に紹介し解決していくもので、男は解決脳、女は共感脳という良く言われていることを使って「あるある」のコメディ仕立てにしています。まあ映画というよりは2時間ドラマで良いのではないかと思いますが、どうせ家で見ているならどちらでも同じようなものです。

 タイトルの印象で思ったよりも脚本が良くできていて、「あるある」を元にしている割には感動的なシーン、セリフも多く、俳優陣の演技もあって見応えがあります。主演の早見ゆかりは淡々と狂言回し的に冷静に演じていて、それに対して周りを固める平岡祐太、松井玲奈、佐伯大地、水沢エレナ、原日出子、金田明夫、朝加真由美らがオーバーなくらいに熱演しています。またクドカン的な巻き戻しの演出、伏線の回収などもあり、笑わせるところと泣かせるところのメリハリも上手く、教養書の原作をよくここまでのストーリーに仕上げたなと感心します。

 残念なのはかなり価値観が古いというか、昭和の話かなと思うほどに男女の役割固定、性差固定が顕著なことです。男は外で仕事をし女は家を守るという前提で話が進んでいきます。とても2019年の話ではなく30年くらい前のバブル時代の話かなと感じてしまいました。もちろんLGBTQなんて言葉は知らないのではないかと思われるほど無視されています。男性脳、女性脳の話がしやすいのはわかりますが、さすがにこの古臭さはどうなんだろうと違和感を感じます。

 昭和生まれの還暦オヤジである僕ですら違和感を感じるのですから、もっと若い平成生まれが見たら今どきこんな結婚はないだろうと思うことでしょうが、そこに目を瞑ってあくまでも男女脳の差異を見る「あるある」の映画だと思ってみれば楽しめると思います。



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