幹事クリタのコーカイ日誌2020

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4月7日 ● 宣言だけなら安上がり。

 安倍首相が緊急事態宣言を出しました。遅いと各方面から言われていますが、それは東京五輪を今夏にやりたかったからでしょう。延期になってようやく宣言を出せたという感じです。それでもさらに遅れたのは「休業補償」についてまとまらなかったからだと思います。

 イギリスもフランスもドイツも「休業と補償はセット」です。当然です。戦争なら弾薬と食料を補給しなければ前線で戦えません。なのに補償はしないけど休業はしてください、では弾も食料もないけど戦ってこいという戦時中の日本軍と同じ。南方戦線にいた兵士の多くは戦死ではなく餓死だったということですが、今回も餓死する事業主が続出するのでしょうか。

 緊急事態宣言について首相の説明は長かった割に具体的な施策の内容は乏しくほぼ精神論でした。強制はしない、補償もしない、でも働くな、移動するな、家にいろと言われてもと思った人はたくさんいたでしょう。給付のハードルはやけに高く、30万円もらえる人はどれだけいることやら。こんな内容でも暴動が起きるどころか、ある程度の効果がありそうだと思うのは、日本人がお上の言うことには素直に従う傾向があり、精神論が好きで馴染みやすく、同調圧力が高く周りと同じにしていることに安心するからです。恐らく8割くらいの人は素直に「ステイホーム」に努力するのでしょう。

 ただ全ての日本人がみんな素直なわけではありません。残る2割は店が潰れるくらいなら営業するし、感染のリスクがあっても収入がなければ働くでしょう、また東京で遊べないなら田舎に行って遊ぶという連中も必ずいます。そんな人間が全体の2割もいたら感染は広がり続けます。強制力というムチも補償というアメもない、ただ言っただけの緊急事態宣言にはどうしたって限界があるのです。

 政府としてはあまり金はかけたくない、変に私権を制限して非難もされたくない、でも何かやってる感は出さないとまずい、という落としどころが今日の緊急事態宣言という感じでした。後は素直に従って我慢をしてくれる日本人のメンタリティに期待するということみたいです。日本の政治家って楽だなと思うか、うまいこと考えたなと思うかは人それぞれですが。


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