幹事クリタのコーカイ日誌2017

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7月11日 ● セクシャルCMの炎上。

 性的なメタファーを使用したとして、サントリーの新商品「頂(いただき)」の動画が、公開してすぐに炎上、公開中止になりました。規制の厳しいテレビではなくweb動画での公開でもあり、かなり「狙った」表現だけにサントリーもある程度の批判は覚悟の上で作ったのだろうと思うのですが、意外とあっさり公開中止という判断に至ったようです。

 確かに「狙ってやった」「挑発的な表現」だけに、結果として中止に追い込まれたのは仕方ない結末だとは思います。ただ個人的にはこの程度の性的表現をネットからデリートさせていたら、どんどんネット社会が狭まりつまらなくなると思うのですが、そう考えない人の方が多いのでしょうか。今やネットもマスメディアと同等の規制を求められるようで、黎明期からネットに関わってきた自分としてはネットの自由さや奔放さがどんどん失われていくようで寂しい限りです。古い時代の人間の懐古に過ぎないかも知れませんが。

 そして次に槍玉に上がっているのが宮城県の観光PR動画。こちらは壇蜜が登場してちょっとエロめのセリフを言っているのですが、案の定というべきか批難が集まっているようです。ただこちらはクライアントである村井宮城県知事の肝が据わっているようで、「厳しいことを言っていただくと、もっと伸びると思いますんで、どんどん厳しいことを言ってアクセスを伸ばしていただきたい」と炎上商法を自ら認めてしまっています。

 これに対して当然のことながら「税金を使って何を言っているのか」とさらなる批難が集まるだろうと思いますが、村井知事がブレないで今の態度を貫き通せるかどうかが見ものです。個人的にはレイプ擁護とか児童ポルノ、明らかな性差別が含まれている表現なら論外ですが、単にエロチックだとか下ネタだというだけなら、それは表現の一種であり注目を集めるテクニックだと思います。「不快」という個人的な感情が理由で削除を求めるのは表現の自由の侵害でもあります。

 エロがダメで美味しそうに食事をするシーンはOKというのは本来理屈が通りません。どちらも本能を刺激する表現であり、どちらも人間の根源的な欲求に関わるものです。また女性のセクシーな格好がダメで男性の裸体がOKなのも逆差別でおかしな話です。広告にとどまらず、例えばジャニーズやエグザイルのメンバーがやたらと脱ぐのも、ニーズは女性ファンにあると思います。僕は男の裸を見せられるのは「不快」ですし「男性の性の商品化」だと考えますが、だからと言ってわざわざ文句はつけません。

 そもそも性的なものを避けて生きていくのは人間の本能に反するだけではなく、社会的にも悪影響を及ぼしかねません。性に興味を持たず、異性との交際をせず、結婚もせず、子どもも作らず、聖職者のようにみんなが生きていったら、早晩人類は滅んでしまいます。もっと性に対しても大らかで猥雑で自由な世の中にならないものですかね。


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