幹事クリタのコーカイ日誌2016

[ 前日翌日最新今月 ]

5月25日 ● 「翼はいらない」はあの曲のアンサーソング。

 AKB48の44枚目のシングル「翼はいらない」のMVが公開されました。と言っても、まだ発売前なのでショートバージョンですが、雰囲気は十分にわかります。それを見ると、なんと設定は1972年の大学紛争。全共闘世代が舞台になっていて、そこで頑張る4人の女性のストーリー仕立てのMVなのです。

 映画監督志望の向井地美音、フォークシンガーを目指す山本彩、詩を書く渡辺麻友、バレーボール選手の柏木由紀。それぞれが夢に向かって歩み続ける姿を描いています。これまでにもAKB48のMVではこういう映画のようなものはいくつもありましたが、今回はまた特に凝って作ったなぁという感想。とにかく当時の再現度が高いのです。

 と言っても、僕も1972年はまだ小学校6年生ですからキャンパスの中を実際に歩いたわけではありませんが、クオリティが高いのはわかります。この映画がどういう展開なのか、本編を見たいなぁと思ってしまいました。

 さて、そうなるとこの「翼はいらない」は、かの名曲「翼をください」へのアンサーソングなのかと思い当ります。赤い鳥が歌った「翼をください」は1971年に発表されました。テレビではほとんど放送されていないと思いますが、ラジオを通じて徐々に若者に浸透していった、我々の世代にはとても馴染み深い曲です。当然、「翼はいらない」もフォークソング調でヒットした「365日の紙飛行機」の系譜です。

 なぜ新しい世代に切り替えていくAKB48が、いまこのタイミングでこの曲を歌うのか、そこがわかりません。今回は向井地美音を単独センターに起用したように、かなり世代交代を意識したシングルです。しかも次の総選挙の投票券がつく恒例の夏曲。本来なら水着で砂浜で踊るようなアップテンポの明るい曲にするところを、わざわざ懐古趣味のフォークソングにして、楽曲にもMVにも夏らしさの欠片も感じられません。

 総選挙投票券付きの曲ですから最初からミリオンは間違いないでしょう。だからこそ攻めた曲でいくというならともかく、ちょっと秋元康も迷走しているんじゃないかと思ってしまいます。いや、悪い曲ではないと思うのですが。


gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」