大相撲春場所が始まっています。一番の注目はもちろん琴奨菊の綱取りです。先場所に続き今場所も優勝できれば一気に横綱昇進となるでしょう。そして４日目を終わった時点で４連勝。内容も文句ないだけに期待は高まるばかりです。

　さて、今場所は意外な展開で始まっています。初日に白鵬に土がついたのを皮切りに、３横綱が１日交代で負けて１敗ずつ。対していつもコロコロと下位に負かされている大関陣が好調で、照ノ富士に今日土がついてしまいましたが、残る３人は４日間全勝。と言うことで、７人の横綱大関が４日目を終わって全勝３人１敗４人。しかも全勝は３人とも日本人で１敗はモンゴルという、これまでとは逆の展開になっているのです。

　こうなった原因はやはり先場所の琴奨菊の優勝にあると考えるのが妥当でしょう。これまでモンゴル勢に徹底的に押さえつけられてきた中、琴奨菊が遂にそれを打破したことが稀勢の里、豪栄道に大きな刺激になったのだろうと思います。年も近い大関同士だけにライバル心もあるでしょうし、琴奨菊にできるなら自分にもできるとなります。豪栄道はカド番ですし大阪は地元ですから奮起をしないわけにはいきません。稀勢の里も日本人で一番優勝と横綱に近いと長年考えられていただけに、ここで琴奨菊に追い抜かれるのは意地でも避けたいでしょう。

　これまで何となく大関の地位に胡坐をかいていた感じの彼らが、ここで火がついて奮起をすれば当然横綱たちも迎え撃たねばなりません。上位陣の土俵が充実すれば全体が盛り上がること間違いなしです。琴奨菊の優勝が大きな効果を生み出そうとしています。今場所はなかなか楽しみな場所になりました。