幹事クリタのコーカイ日誌2015

[ 前日翌日最新今月 ]

6月1日 ● ツォンガだろうがベルディヒだろうが。

 錦織の準々決勝の相手がフランスの第14シード・ツォンガになりました。本来なら第4シードのベルディヒが上がってくるのが順当ですが、もちろんツォンガも実力者。どちらがきても不思議ではありませんでした。問題は錦織にとってどちらが戦いやすい相手かということです。

 ベルディヒとは過去に3勝1敗と勝ち越しています。いま現在ではランキングで上をいかれていると言っても、ベルディヒは下位にとりこぼさないだけで上位選手には滅法弱いだけに、錦織の方が「格上感」があるので勝てるんじゃないかと思っていました。ツォンガにも4勝1敗とやはり勝ち越しています。どちらかと言えばお得意さん。相性という意味ではどちらも悪くないので錦織にとってはやりやすい相手ですが、ツォンガはベルディヒと違って「一発」がある選手なので、爆発したら怖いかなという差はあります。

 一番ツォンガで問題なのは地元フランスの選手だということ。全仏の観客は昔から「贔屓」がすごいのですが(かつてグラフと対戦したヒンギスを泣かせたこともありました)、今大会で5人も16強に残ったフランス勢は恐らくツォンガ以外みな8強には進めないと思うので、ツォンガにかかる期待はかなり大きくなると思います。錦織としてはかなりアウェーの中で戦わなければなりません。

 ただそれはツォンガにとっても良いことばかりではありません。期待がかかる分だけ重圧もかかることになります。他にも勝ち上がっている選手がいれば分散するのでまだしも、フランスの期待を一身に背負うとなると、かえってそれはツォンガにとっては負担になる可能性もあります。ウィンブルドンで長らく英国選手が勝てなかったように、強すぎる期待はハンデになりかねません。

 それと錦織という選手はあまりそうした「空気」を読まない、感じないタイプだと思うので、結構平気でいつものプレーができそうですし、そうなるとますますツォンガが苦しくなることもあり得ます。あれこれ考えると、ベルディヒだろうがツォンガだろうが、錦織の勝ちかなと思えてきました。トップ10の選手が相手であってもそう思えるのですから、すごい選手になったものです。


gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」