幹事クリタのコーカイ日誌2012

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2月11日 ● 菅原洋一のライブ。

 名古屋ブルーノートに菅原洋一を聴きに行きました。菅原洋一という名前にすぐに反応できるのは50代以上でしょうね。それも50代後半かも。彼が『今日でお別れ』でレコード大賞を受賞したのは1970年のこと。僕は9才でしたが、よく覚えています。『知りたくないの』『忘れな草をあなたに』などのヒット曲があり、紅白歌合戦にも22年連続で出場している歌手ですが、今の30代以下にはほとんど馴染みがないことでしょう。

 菅原洋一はもともとタンゴ歌手としてデビューしているので、演歌歌手ではないのですが、当時は子どもだったしあまり違いが良くわかっていませんでした。ただ子どもながらに「歌が上手いなぁ」とは思っていました。前田武彦に「3日前のハンバーグ」などとあだ名をつけられていましたが、司会もこなすなど喋りもでき愛嬌がある人でした。

 いま菅原洋一は「ニュークラシカルコンサート」という生歌と生音にこだわった最小限のユニットのコンサートをライフワークとしています。ブルーノートではそのライブ版ということで、タンゴピアニストの山下淳と2人だけのいかにもアコースティックなライブでした。

 歌ったのは『知りたくないの』『恋心』から始まり、『奥様お手をどうぞ』『ラ・クンパルシータ』などのヨーロッパタンゴ、アルゼンチンタンゴの定番曲、『慕情』『ゴッドファーザー愛のテーマ』といった映画音楽、そして菅原のヒット曲メドレー、最後に『愛の讃歌』で締めました。78才とは思えない声量で衰えを知らない豊かなボーカルは往時と変わりません。さすがに足腰はちょっと弱ってきているかなと思いましたが、歌は本当に衰え知らずで、1時間余りのライブを見事に歌いきりました。

 それとともに素晴らしかったのはピアノの山下淳。タンゴピアニストとしての力量を見せつけるような切れの良い演奏は、とても女性とは思えない力強さがありました。少々力強すぎる気もしたほどですが、菅原の豊かな歌声とのマッチングは絶妙で、普段はあまり聴かないタンゴですが、「良いなぁ」と思って聞き入ってしまいました。

 客層は当然のことながら年配者中心で、51才の僕は若僧の部類です。隣の席の60代とおぼしき奥様はずっと菅原の歌を口ずさんでいました。良いライブでした。



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