幹事クリタのコーカイ日誌2010

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9月25日 ● イチローはまだ記録を目指すのか。

 イチローが10年連続200本安打という大記録を達成しました。200安打を1回するだけでも大変なことなのに、10年連続ってどれほどすごいことなのか、ちょっと想像がつきません。長い大リーグ史上でもイチローを超える安打製造機はタイ・カッブとピート・ローズくらい。恐れ入ります。

 ただここまでイチローがきてしまうと、どれほど安打を打ち続けても、見ていてどこか満足できないものも感じます。それは彼が「孤高の安打製造機」だからでしょう。つまり、イチローは試合の勝敗に関係なく常に打ち続けているけれど、マリナーズはイチローに関係なく負け続けていることが、イチローの偉大な記録のどこかに陰をさしてしまうのです。

 恐らくイチローもそれはよくわかっていると思います。自分が10年間コンスタントに大リーグ屈指のリードオフマンとして活躍し続けたのに、それがチームの勝利にちっとも結びついていないという事実は、イチローにとっても厳しい現実でしょう。野球は個人記録のためにやっているわけではなく、チームの勝利のためにやっているのですから。

 ここまで記録の高みに登り詰めてしまったイチローに残された選択肢は、このままマリナーズで孤高を守り続け、ピート・ローズの数字を目標にヒットを打ち続ける道を選ぶか、もしくはシアトルを出て優勝を狙えるチームに移籍をするかです。

 記録のためならマリナーズにいるのも良いでしょう。環境は整っていますし、イチローの記録更新だけがファンを呼べる材料となるチームですから、記録を狙うことを阻害する要因はありません。ピート・ローズを超えるためならマリナーズにいた方がやりやすいかも知れません。

 しかし、WBCで見せたように、本当はイチローも当然チームの勝利、優勝を渇望しているはずです。だったら今のうちに勝てるチームに移籍する道を選んだらどうでしょう?ワールドシリーズでダイヤモンドを駆け抜けるイチローを見たいファンはたくさんいます。

 いくら36才になっても衰えぬ肉体を誇っているとは言え、サイボーグでもロボットでもないイチローの残り選手寿命はせいぜい10年未満でしょう。45才までトップで活躍を続けることができるかどうか。今のイチローを見ていれば50才になってもやってそうですが、年齢による衰えは故障などを契機に突然きます。先のことはわかりません。

 イチローの記録はもう十分殿堂入りのレベルです。もういらないとは言いませんが、これからは記録は後からついてくるものと割り切って、ワールドシリーズで勝って喜ぶイチローを見てみたいものです。



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