幹事クリタのコーカイ日誌2008

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9月3日 ● 「エア・ケイ」の鮮烈。

 全米オープンテニスで旋風を巻き起こした「エア・ケイ」こと錦織圭ですが、残念ながら4回戦でアルゼンチンの19才デルポトロに完敗を喫してしまいました。第4シードのフェレールに勝った勢いで、一気に上位進出なるかと思われましたが、フェレール戦で18才は身も心も燃え尽きてしまったようです。

 試合後のインタビューでも「精神的にきつかった」ということを語っていましたが、自分でも想像していた以上の結果が出てしまい、どこかで満足してしまったのでしょう。この先、がイマジネーションできずに何となく試合に入ってしまったという中途半端な精神状態が感じられます。

 また相手のデルポトロは現在絶好調。ウィンブルドン以降負けなしで4大会連続優勝している世界でもっとも勢いのある若手選手です。198cmの長身を生かしたビッグーサーバーで、クレーが得意なアルゼンチン選手のくせにハードコートが好きだそうですから、ハードコートで行われる今大会の伏兵でした。サービスが弱点の錦織としては、グランドストロークでの展開力が勝負の分かれ目だったのに、精神的に負けて攻める姿勢を失っては勝てる試合も勝てません。

 まあまだまだ成長途上の選手です。今回は16強でも第4シードを破ったのですから、世界のテニスファンに鮮烈デビューと言っても良い結果でしょう。怪我さえなければトップ10の選手にも勝てる能力があることを証明してみせただけで今回は満点。5セットマッチで2週間行われるグランドスラムを勝ち上がるには経験も体力も不足しています。それは来年のグランドスラムで少しずつ結果を出していけば良いでしょう。

 次は10月に東京有明で開かれるAIGジャパンオープン。昨年この大会がプロデビュー戦だった錦織が、1年経って大きくなって日本のファンの前に帰ってきます。どれほどのパフォーマンスを披露してくれるか今から期待で胸が躍ります。ちなみにデルポトロもAIGに出場予定だそうです。ニューヨークの仇を東京でリベンジといきたいところですね。もしかしたらこの2人、3年後にはグランドスラムの決勝で対戦しているかも知れません。今が見頃です。