幹事クリタのコーカイ日誌2008

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1月15日 ● 『薔薇のない花屋』第1回。

 今クールの月9ドラマ『薔薇のない花屋』。主演に香取慎吾、竹内結子。共演に釈由美子、松田翔太、寺島進、三浦友和、池内淳子。脚本に野島伸司、演出に中江功、主題歌は山下達郎。完璧に豪華です。プロデューサーとしては非の打ち所がない仕事です。

 実際、映像の美しさはさすが『Dr.コトー診療所』の中江功です。東京の風景のはずなのに実に美しく夕景などを撮っています。それに応えて俳優陣も熱演していました。香取、竹内はもちろん、他の俳優陣もきちんと自分の見せ場を作っていました。

 問題は脚本。いかにも野島伸司らしいあざといドラマ作りというか、リアリティのないドラマのためのドラマというか。見ていて突っ込み所が多すぎて困るほどでした。冒頭からあっさり人が死んで「またかよ」と突っ込み、男手ひとつで新生児から子どもを育てるなんて無理だろと突っ込み、竹内結子が白い杖ついて出てきて「また障害者かよ」と突っ込み、頭巾を被った小学生を放置する学校もないだろうと突っ込み、その頭巾が自分の顔を見ると父親が亡き母を思いだして悲しむからなんて大人びた理由を小学2年生に考えられるわけないと突っ込み、親もいる全盲の若い綺麗な女性の一人暮らしなんてあり得ないんだから怪しめよと突っ込み、今どき「しょっぱい」ケーキを作る人がどこにいると突っ込み、夜中に営業している花屋なんて繁華街にはいくらでもあるぞと突っ込み、薔薇のない花屋なんてすぐに潰れるわいと突っ込み、小学生の娘と2人で朝までアパートの階段で夜明かしなんてできるわけないだろうと突っ込み、見えているのに見えてないふりで雨の夜に交差点のど真ん中に立つなんて命がけの行動せんだろうと突っ込み、もう5分に1回は突っ込んでいたので疲れてしまいました。

 これだけ突っ込みどころがあるドラマというのは、もはや狙いでやっているとしか思えません。そうやって視聴者にドラマに突っ込みを入れさせながら次回への期待をつないでいこうという策略でしょうか。それにしては見ている方が疲れます。もう少し突っ込みどころを減らしてもらわないと落ち着いて見ていられません。

 ヒューマンドラマにして純愛ドラマにしてサスペンスドラマという野島お得意のミックスドラマ仕立てのようですが、この調子で今後も続くとなると、ちょっと見続ける自信がありません。もう1回か2回は豪華キャスト見たさに頑張ってみますけど。