幹事クリタのコーカイ日誌2003

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7月30日 ● 高校野球と甲子園。

 日本各地で夏の甲子園出場に鎬を削る地方大会が行われています。続々と全国で代表が名乗りをあげていて、東京では都立雪谷が都立校としては史上三校目となる甲子園代表を勝ち取りました。もっともこれは東京代表だからこそ全国ニュースになるわけで、どこか地方の県で県立進学校が初出場を果たしてもこれだけ大きくは取り上げられないでしょうけどね。

 さて、日本の夏の風物詩である高校野球ですが、そろそろ抜本的な改革を行ってもよい時期ではないかと僕は思っています。と言うのも、「夏の甲子園」と別称されるほど「甲子園」で行うことにこの大会は固執していますが、そのための弊害の大きさも相当なものになるからです。

 まず球場をひとつしか使用しないため、どうしてもスケジュールが過密になります。当然、選手たちにも過酷な戦いを強いることになり、特に無理をして肩を壊す投手が毎年のように出てしまいます。プロはおろか社会人ですらこれほど過酷なスケジュールで試合をしたりしないのに、なぜ高校生がこんな無理をしなければならないのでしょう?

 また常に球場が固定しているために、地域による有利不利が如実に出ています。大阪&兵庫を中心に近畿地方の学校が強いのは当然です。家から球場に行けるのと、宿舎に長期間滞在するのでは心理的にも体力的にも消耗度合に大きな差が出ることでしょう。もちろん経済的にも地元の方が有利です。

 また応援をするにしても、北海道や東北、九州の学校は大変ですが、地元なら簡単に大応援団を送り込むことができます。スポーツにおけるホームの有利さを考えると、これほど近畿の高校だけにアドバンテージを与え続ける制度はどう考えても公平ではありません。

 また今年に限って言えば無関係かも知れませんが、阪神タイガースが毎年「死のロード」で成績を落とすのも高校野球のせいです。これも一球団のみが一番暑い時期にホームグランドを奪われて転戦しなければならないのはおかしいと思います。

 高校野球の問題点はこれ以外にもあると思いますが、とりあえず「甲子園集中開催」さえ方向転換すれば、多くの問題点が解決できることになります。まず準々決勝までは全国数カ所の球場で同時開催するべきです。そうすれば過密日程は防げるし、一番暑い時間帯を避けて、涼しい午前中と夕方に試合を行うことができます。

 選手たちの健康問題により配慮するのなら、ドーム球場を使用すべきでしょう。札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5つのドーム球場で開催すれば、雨天中止もなく、真昼でも問題ありませんから、今よりはるかに日程が楽になるので、連投に次ぐ連投なんてことにもなりません。一地方だけが有利になることもなくなるし、某プロ球団だけが貧乏くじをひくこともなくなります。

 甲子園球場が球児たちの憧れだというのなら、決勝だけ甲子園で行えばいいのです。高校サッカーだって高校ラグビーだって、全国大会が全て国立や花園で行われるわけではないのですから。例え決勝だけでも甲子園が「聖地」としての地位は保てると思います。

 もっとも、こんな意見は朝日新聞は全く考慮しそうにないですけどね。高校野球の人気の半分くらいは、甲子園という舞台装置と、高校生が酷暑の中で頑張る健気さにあると思っていそうですから。高校生の健康を犠牲にしても、自分たちが主催する大会が盛り上がれば良いと考えているとしたら、ジャーナリズムとしてはかなり問題だと思います。

 

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