NHKの大河ドラマ『武蔵』が2回目の放送を終えました。ここまで見ていて何となく盛り上がりに欠けるというか、この先1年の長丁場を見続けることができるか、ちょっと不安になってきました。

　一番気になるのは役と俳優が合ってないんじゃないか、ということです。これが例えば忠臣蔵のようなものだったら、新機軸の意外なキャスティングというのも面白いと思うのですが、宮本武蔵ではやはり真っ当に正面からいく方が視聴者が戸惑わなくても済むと思います。

　まず主役の武蔵。いくら顔を汚しても市川新之助では綺麗過ぎます。あの役者顔では、ワイルドさが感じられません。またヒロインお通の米倉涼子は、逆にワイルド過ぎます。カラダもでかいし顔もゴリラ系で、清楚なお通のイメージとはかけ離れています。沢庵和尚の渡瀬恒彦も魅力がありません。もっと渋みと凄みの両方が感じられる俳優はいなかったのでしょうか。さらに柳生兵庫の高嶋政伸に至っては全くコメディです。柳生は石舟斎が藤田まことで、但馬守が中井貴一と、どうも全部外れな気がします。

　ただ本位田又八の堤真一、お杉の中村玉緒、お甲のかたせ梨乃、朱実の内山理名は良いです。特に堤真一の又八がはまり役なので、彼絡みのところは安心して見ていられます。

　松岡昌宏の佐々木小次郎は、もう少し様子を見てみないと何とも言えませんが、全体にキャスティングが、先に俳優を押さえてから無理に役にはめ込んだような印象です。1年間続く大河ドラマだけに俳優のスケジュールを空けさせるのも大変だとは思いますが、せめてお通だけでも何とかならなかったのでしょうか？

　これでは来年の大河ドラマ・三谷幸喜脚本『新選組！』のキャスティングが不安になってきます。近藤勇、土方歳三、沖田総司の三人や、坂本竜馬、桂小五郎あたりは納得のキャスティングをして欲しいと願っています。