毎週日曜日に野球の練習をしている息子は、昨日も雨がパラパラとしている中を自転車で出かけていきました。家を出て10分もしない時に電話。「クルマにぶつかった」。驚いてすぐに現場に駆けつけてみると、茫然と佇んでいる息子と、髭面の青年。「怪我は？」と聞くと、「胸を打った。少し痛い」とのこと。

　状況を聞くと、駐車場から国道に出ようとしたクルマが、坂道を疾走してきた息子の自転車に気付かずにぶつかってしまったとか。息子は自転車ごと倒れて、その時ハンドルで胸を打ったようです。蒼い顔をしている青年に「警察に連絡したの？」と聞くと「まだです」と言うので、仕方なく僕が警察に電話。10分くらいでパトカーが来て事情聴取。まだ息子はショックでちゃんと説明ができません。救急車も来たので、そのまま息子は妻と一緒に病院に運ばれていきました。

　青年は警官に「とりあえず救助が先だろう、なぜすぐに連絡をしない！」と怒られていました。まあその通りですが、彼もかなりパニックしているようで、逃げださずにこちらに連絡してきただけでもマシかも。多分小狡い人間なら、転んだだけで目立った外傷もない息子の様子を見て「大丈夫だな？よし」とか言って、そのまま逃げてしまうような奴もいることでしょう。

　幸い息子は打撲だけで済んだようで、ショックから立ち直った後はすっかり元気になっていました。自分でも自転車で少しスピードを出しすぎていたのがいけなかったと思っているようで「僕も悪かったかも」と反省をしていました。日頃の息子の不注意さを知っているだけに、髭の青年にも少し同情してしまいます。

　妻は「相手が悪い人じゃなくて良かった」と言っていましたが、考えてみれば向こうの方がびびっていたかも。親に連絡をしたら、フィルムを貼ったジャガーに乗った色黒でガタイが妙に良い強面のオヤジがやってきたのですから。もし自分が彼の立場だったら、本当に「こりゃマズイ」と思ったかも知れません。自分では優しそうな顔だと思っているのですが、周囲の評価は微妙に違うんですよね。

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