幹事クリタのコーカイ日誌2002

 
 1月23日 ● キューピッドとキューピット。

 昨日仕事で「キューピッドとキューピット、どちらが正しいですか?」と聞かれました。僕は即答で「そりゃキューピッドだろう。スペルがcupidなんだから」と言うと、その質問者は「でも花キューピットは濁りませんよ」と言います。確かにその通り。周りに聞いても「キューピット」と濁らない派が多いのです。

 これはよくある日本語英語の誤用です。「キューピット」と濁らない方が言い慣れていますし、愛らしい語感があります。しかし、辞書を引けばどれでも当然「キューピッド」と濁っています。公用文書や学術論文なら、ここは迷うまでもなく、当然「キューピッド」とすべきなのでしょうが、そこが広告の辛いところ。正しいけれど少数派、間違っているけれど多数派。どちらを選択すれば良いのか悩むところです。

 経験上、これはどちらを採用しても多分苦情が来ます。「キューピット」と濁らなければ、多くの人が何も思わないことでしょうが、一部の人から「間違っている」と指摘を受けます。「広告が間違った言葉を使うから日本語が乱れるのだ」などと言われてしまいます。

 と言って「キューピッド」と正しい言葉を使えば、たくさんの人から「この広告間違っているよ」と思われてしまいます。広告主に苦情まで言ってきてくれれば、まだ説明もできますが、そのまま「アホな会社」と思われてしまっては大きなイメージダウンです。わざわざ広告本来と関係ないところで注釈をつけるのもおかしな話ですし、それだけのスペースが ない場合もあります。これがテレビやラジオCMなら、ナレーターに微妙に発音させれば良いのですが、新聞やポスターのような印刷媒体ではごまかしようがありません。

 コピーライターはこうしたささいなことで結構悩んでいます。正しい用法と慣用語の問題は頭が痛いのです。まあ、Mっちゃんのように、そんなことは委細構わず「使わなきゃいいじゃん」という豪快なコピーライターもいるにはいますけどね。

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