最近ますます連続ドラマを見なくなりました。世間的にも同じことだと思いますが、ヒットドラマが生まれません。結局今年は『ＨＥＲＯ』だけだったなぁ、という感じです。なにせ出演者、脚本家、演出家が全て“いつもの”陣容でしかないので、新しいわくわくするようなドラマがちっとも生まれてこないという閉塞感が漂っています。日本社会の縮図みたいです。

　そんな中、1月から始まる新ドラマのラインアップを見ると、どれもこれも志の低い二番煎じのような番組ばかりで、もはやテレビには何も期待できいないのかなと思ってしまいます。まず定番のフジ系月曜夜9時ですが『人にやさしく』（香取慎吾、松岡充、加藤浩次、陣内孝則、りょう、星野真里）というハートフルコメディ。男3人が突然小学校1年生の男の子のパパになるという設定だそうですが、ヒット映画『スリーメン＆ベイビー』のパクリであることは明らかです。もっともあの映画だってフランス映画『赤ちゃんに乾杯』をいただいているのですから、オリジナルが何であれ、面白ければとりあえず良いのかも知れませんが、ま、出演者を眺めている限りでは期待薄ですね。

　アイドル系男性俳優が揃い踏みという意味ではフジ系水曜夜10時『ロング・ラブレター〜漂流教室』が素晴らしいキャスティングです。主演の窪塚洋介を始め、妻夫木聡、山下智久、山田孝之と最近流行の年下男系をずらりと並べました。相手役は常磐貴子。ＯＬには必見、というキャストですが、問題は原作が楳図かずおの名作であること。中年には、そちらの方が気になるところです。とりあえず1回目は見てみようかなと思っていますが、見なければ良かった、と思うような気もします。

　これ以外にも、今回は年下系を並べ立てたドラマが目立ちます。フジ系火曜夜9時『初体験』では、藤木直人、オダギリジョー、小泉孝太郎という男性陣に対し、女優は水野美紀、篠原涼子、坂井真紀、畑野浩子と明らかにお姉さん系。ＴＢＳ系金曜夜10時『木更津キャッツアイ』では、岡田准一、桜井翔、岡田義徳、塚本高史に対し、薬師丸ひろ子です（酒井若菜もいますけど）。どちらも僕には興味が沸きませんが、可愛い男の子を見たいという疲れたＯＬには人気が出ると睨んでいるのでしょう。

　人気ドラマの続編モノではＴＢＳ系日曜夜9時『サラリーマン金太郎3』（高橋克典、羽田美智子、松方弘樹、津川雅彦、野際陽子）と、日本テレビ系水曜夜10時『続・平成夫婦茶碗』（東山紀之、浅野温子、優香、鈴木杏樹）があります。どちらもそれなりに視聴率は取ることでしょうが、大体先が知れるだけに、僕は見る気になりません。

　若い女性に媚びていない感じのドラマというと、フジ系火曜夜10時『恋するトップレディ』（中谷美紀、柳葉敏郎、奧菜恵、小野武彦）か、フジ系木曜夜10時『恋ノチカラ』（深津絵里、堤真一、坂口憲二、西村雅彦）あたりになりそうです。ともに主演女優も脇のキャストも魅力的ですし、前者は市役所、後者は広告業界を舞台していて、業界内部ものという側面もありそうなので、見るならこの2本かなと思っています。どちらも大ヒットドラマにはなりそうもないですけどね。 　

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