幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 6月29日 ● 短パンとスコート。

 ウィンブルドンに出ている男子選手を見ていて、そう言えばすっかりショートパンツの丈が長くなってショートじゃないなぁ、と思いました。選手によって少しずつ長さが違うように感じますが、大抵膝上10〜15cmくらいという印象です。少し短めの選手から、ほとんど膝近くまで隠れてしまっている選手までいろいろですが、これはもしかしたら単に足の長さの違いからくるだけなのかも知れません。いずれにしても伝統を重んじるウィンブルドンも、時代の流れには逆らえないということでしょうか。白を基調としたファッションと言うのは未だに頑なに守られているようですが。

 このダボッとしたパンツが流行したのはいつ頃からなのでしょうか?僕たちがテニスを始めた20年くらい前は、もちろんみんなピチッとした本当の「ショート」パンツを穿いていました。当時からトランクス愛用派の僕も、テニスの時だけはブリーフに履き替えていたのですが、たまに忘れてトランクスの上にショートパンツを穿いてしまい、はみ出しているトランクスを女の子に笑われてしまった苦い経験もありました。

 当時のトッププレーヤーであるボルグやコナーズ、マッケンローもみんなこのピチパンを穿いていましたから、どこにも今のようなルーズで長いパンツでテニスをしている人はいませんでした。その後、レンドルやビランデル、ベッカー、エドバーグ、松岡修造も短いピチピチしたパンツでしたから、やはり時代を変えたのは革命児アガシでしょう。

 今でこそ単なるハゲオヤジのアガシですが、10年前の彼はロック系のファッションをお堅いテニス界に持ち込んで衝撃を与えたものです。ウェアを理由にウィンブルドンに出られなかったこともありました。彼が流行らせたデニムのパンツは今でも僕も愛用しています。

 ダボダボのショートパンツ、ゆったり大きめなシャツを着こなすルーズなアガシのファッションは、楽なこともあり、徐々に一般プレーヤーにも広まりました。白を基調にしたオーソドックスなポロシャツに、ピッチリと締まったショートパンツというファンションの人もいますが、みな20年以上テニスをしているようなオジサンばかりです。

 最近の20代半ばくらいの子は、ルーズなテニスウエアを着ることすら拒否反応があるようで、シルエットやデザインはどうあれ、エレッセやタッキーニと言ったブランドを着ないで、ストリート系のファッションでテニスをしていたりします。まあ格好なんて機能的であればどうでもいいと言えばどうでもいいのですがね。さすがに先日ジーンズでテニスをされた時には、ちょっと困りましたけど。

 もっとも男性のショートパンツ問題は、僕たちにとっては大したことではありません。ピチピチの短パンで前がモッコリなんてのは、オバサンならともかく男性としては見ても嬉しくないですしね。

 それよりもっと大きな問題は女性がすっかりスコートを穿かなくなったことです。これは一大事です。なにせテニスと言えばスコート、スコートと言えばテニスというくらい、テニスにとっては大事なアイテムなのですから。ところが今ではテニスウェアの売場へ行っても、女性用もショートパンツばかりでスコートはほとんど売っていません。いわんやアンスコ(アンダースコート)なんて、どこに行けば売っているのかすらわからないほど貴重な代物になってしまいました。

 プロに限らず、テニスの公式戦では今でも女子選手はみんなスコートを穿いています。そう言う意味では、これはテニス界には珍しく、上からではなく下(一般プレーヤー)から広まったファッションです。全然嬉しくない流行ですけどね。ファッションは時代につれて輪廻するものですから、いつかはスコートって可愛いじゃん、という時代が来ることを切に願っています。

 

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