幹事クリタのコーカイ日誌2014

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3月20日 ● 恒例春ドラマ展望。

 春ドラマ情報がいよいよ出揃ってきました。最近は普通のラブストーリーは少なくなり、ひねりのきいた職業ドラマが多いようですが、そうなんると人気作家の原作に頼る傾向がますます強くなってきているようです。

 まず「半沢直樹」の池井戸潤作品が2本も登場します。TBS系日曜夜9時『ルーズヴェルト・ゲーム』。経営危機の社長が不況と闘う企業エンターテイメント。主演に唐沢寿明。共演に檀れい、石丸幹二、立川談春、江口洋介、山崎努ほか。脚本八津弘幸、演出福澤克雄と半沢直樹スタッフが再集結しています。二匹目のドジョウ狙いは明らかですが、クオリティは保障されているという感じでしょうか。

 もう一本、池井戸潤原作なのが日テレ系水曜夜10時『花咲舞が黙っていない』。正義感あふれる女性銀行員がヒロインということで、半沢の女性版になりそうです。主演に杏。共演に上川隆也、塚地武雅、榎木孝明、甲本雅裕、大杉連、生瀬勝久ら。脚本は「ごくせん」の江頭美智留。コメディタッチのドラマはうまい人です。朝ドラヒロインで乗っている杏を起用したのがどう出るか。

 経済モノということで少し繋がるのがフジ系火曜夜10時『ブラック・プレジデント』。池井戸作品と狙いは同じ層かも。ブラック企業の社長が経済学を学ぶために大学生になるという設定ですが、普通は社会人向けの大学院にいくと思うんだけど。社長役に沢村一樹。共演は黒木メイサ、国仲涼子、門脇麦、長瀬匡、澤部佑、青木さやか、永井大、白川由実ほか。脚本はベテラン尾崎将也。演出は三宅喜重。この関西テレビ枠のヒット作「アットホームダッド」「白い春」などのコンビです。

 裏の経済学を描くという意味で異色作がフジ系月曜夜9時『極悪がんぼ』。借金女子が裏社会に飛びこんで厄介事を解決するという田島隆原作マンガのドラマ化で月9らしさの欠片もない異色の作品になりそうです。主演に尾野真千子、共演に椎名桔平、三浦翔平、仲里依紗、竹内力、板尾創路、小林薫、三浦友和ほか。なかなか曲者を揃えたキャスティングですが、これも月9とは思えません。演出が大ベテランの河毛俊作なので、月9という固定観念をとりはらえば面白くなるかも知れません。

 キャスティングで目をひくのがTBS系木曜夜9時『MOZU Season1〜百舌の叫ぶ夜〜』。原作は逢坂剛。出演は西島秀俊、香川照之、真木よう子、生瀬勝久、吉田鋼太郎、伊藤淳史、有村架純、池松壮亮、長谷川博巳、石田ゆり子、小日向文世ほか。まるで大河ドラマ並みの豪華キャストです。警察と殺し屋のハードボイルドアクションサスペンス。力の入ったキャスティングに脚本、演出が応えられるかどうか。

 真裏の枠のテレ朝系木曜夜9時もなんと警察ものです。『BORDER』。原案・脚本がこちらは金城一紀。死者の声を聞くことができる特殊能力を持つ刑事に小栗旬。共演は青木崇高、波瑠、古田新太、滝藤賢一、野間口徹、浜野謙太、遠藤憲一ほか。脇が実に渋いキャスティングです。華やかさではTBSに負けていますが。

 もうひとつ刑事ドラマがフジ系火曜夜9時『ビター・ブラッド』。原作は雫井侑介。出演は佐藤健、渡部篤郎、忽那汐里、吹越満、田中哲司、皆川猿時、草村礼子、高橋克実ほか。最悪の関係にある親子がバディを組んで活躍するコメディタッチの刑事ドラマ。女性向けに佐藤健のお色気シーンもあるとかですが、正直どうでも良いです。

 毎回主演作品が多いジャニーズ勢ですが、一番の注目は日テレ系土曜夜9時『弱くても勝てます〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜』。主演は二宮和也。共演に福士蒼太、有村架純、中島裕翔、薬師丸ひろ子ほか。福士、有村、薬師丸と「あまちゃん」ファミリーがキャスティングされています。原作は開成高校野球部の話でしたが、ドラマでは小田原の進学校に設定を変えています。野球ファンにとっても興味があるテーマですが、単なるジャニーズドラマにならないと良いのですが。

 同じく嵐の大野智が主演するのがテレ朝系金曜夜11時15分『死神くん』。原作はえんどコイチのコミック。共演に桐谷美玲、菅田将暉、松重豊ほか。脚本が「ショムニ」や「ウォーターボーイズ」などの橋本裕志、演出が「リング」などホラーの得意な中田秀夫だけにこの枠でこの組み合わせは意外に面白くなるかも知れません。

 もうひとつのジャニーズドラマがフジ系水曜夜10時『SMOKING GUN〜決定的証拠〜』。科学技術を駆使する敏腕鑑定人に香取慎吾。共演に西内まりや、中山優馬、安藤玉恵、濱田ここね、鈴木保奈美、倉科カナ、イッセー尾形、谷原章介ほか。香取版のガリレオ的展開を考えているのかも知れませんが、あまり似合ってはいないと思います。

 似合っているのかどうか微妙という意味ではTBS系金曜夜10時『アリスの棘』の主演の上野樹里。大学病院を舞台に父を死に追いやった人間に復讐をするダークヒロイン、という役どころです。かなり演技力を試される役柄だけに上野としてもやり甲斐があることでしょう。共演は中村蒼、オダギリジョー、田中直樹、中村梅雀、藤原紀香、六平直政、岩城滉一、栗山千明、国村隼ほか。個性的な俳優が多くはまれば面白いかも。

 好評ドラマの第2弾ということで2年ぶりに戻ってきたのはフジ系木曜夜10時『続・最後から二番目の恋』。前回に引き続き主演は小泉今日子、中井貴一。他に坂口憲二、内田有紀、飯島直子ほか前回のレギュラー陣健在です。脚本も前作から変わらず岡田惠和。続編だけにとりあえず見るという人が多いでしょう。アラフィフ世代の恋愛ドラマがヒットするあたり、本当にドラマ視聴者の高齢化が進んでいることがよくわかります。

 最後にまさか第2シリーズがあるとは思わなかったのがTBS系火曜夜10時『なるようになるさ。』橋田センセイのホームドラマが再びということですが、前回も尻すぼみの視聴率で終わったのにまたやるとはTBSも企画がないのか、橋田センセイのご機嫌を取らなければならないのか?「わたおに」のように育てていくつもりなのかも知れませんが、果たして思惑通りにいくことやら。キャストも変わらず舘ひろし、浅野温子を主演に、志田未来、安田章大、紺野まひる、渡辺美佐子、南沢奈央、伊野尾慧、泉ピン子ほか。僕には関係ないドラマです。

 と言うことで、期待は池井戸2作品『ルーズヴェルト・ゲーム』『花咲舞が黙っていない』と『弱くても勝てます〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜』になりますが、『死神くん』もこの枠のドラマが結構いつも面白いので軽く楽しみにしています。


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