幹事クリタのコーカイ日誌2014

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2月25日 ● 人は思うようには動かない。

 長年幹事をしていると、つくづく思うのは「他人は自分の期待しているようには動かない」ということです。こうして欲しいな、こうしてくれるだろうな、という期待を抱いていると、大抵の場合はその期待を裏切られることになります。そりゃそうです。冷静に考えたら、他人がそうそう都合よく自分の思いを感じ取ってくれるはずもありません。でも幹事をしているとどうしても「こうなってくれると都合が良い」という理想を想定して、それを追求してしまうのです。

 若い頃はついついその自分の「理想=都合」を相手に押し付けてしまいがちでした。もちろん自分の都合と言っても、幹事をしている立場では「全体のため」だと思っているので、それが自分のわがままの押し付けだとは思っていません。「全体のために個人に我慢を強いる」ことが、自分だけではなく全体のためになるんだと思っていると、強引な運営も正当化してしまいがちです。でも結局それは各個人を我慢させて、結果として全体を圧迫していくことになっていってしまいます。だから全体のためにもならず、単に自分が勝手に思い描いている理想を追い求めているだけに過ぎなくなるのです。

 年を取り経験を重ね、そのあたりが少しずつわかってくると、全体のために個人を我慢させることはなるべく控えようと思うようになりました。もちろん、個人が負担してもらわなければ全体が立ち行かなくなると判断したら、それはやってもらわなければなりません。しかし、なるべくなら我慢することは極力少なくなるように考え工夫することが大事だと思うようになりました。もちろん、自分もあまり我慢していると長続きしませんから、自分にもみんなにも優しくできるように、「理想の押し付け」は極力やめるようにしています。

 小さなテニスサークルですら、もしくは単なる同窓会ですら、舵取りをするとそうなってしまいがちなのですから、ましてや政治家になって国とか県とか市とかをまとめていこうとなれば、ついつい「自分の考える理想」を目指すあまりに強引に邪魔な人間を排除したくなることでしょう。「理想を実現するのが政治家」だと信じている人は、そのためには少々強引な手法を使うことも、誰かを切り捨てることも仕方ないと考えているんだと思います。

 でも、実は全体をまとめて最適な解を導き出し、そこに導いていくのは、理想を目指して強引に突き進んでいくのとは全く別のアプローチが必要だと思います。強引さよりも粘り強さが大事なのです。他人は自分の思うようには動かないからこそ。


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