幹事クリタのコーカイ日誌2012

[ 前日翌日最新今月 ]


 
6月17日 ● 新聞は「読者の味方」になるべき。

 新聞の基本的なスタンスは「弱者の味方」です。それが本音かどうかはともかく、ポーズとしては常に庶民の側に立ち権力に立ち向かうという図式。もっとも新聞によってある程度の差はあり、日経なんかは経済界よりだったりはしますが、あくまでも権力をチェックしてペンをもって世を糺すというのが基本姿勢であることは変わりありません。

 ただ昔と違って最近の「庶民」というのは必ずしも一面的ではありません。もう落語に出てくるような長屋の熊さん八つぁんじゃないのです。生活保護問題がその端的な例ですが、新聞が味方しようとする社会的弱者が実は税金を貪っていたりする場合もあるわけで、むしろ生活が大変なのはそれよりちょっと上の給料が上がらないサラリーマンだったりします。本当に苦しんでいるのが誰なのか実にわかりにくい世の中です。

 消費税増税に向けて民主・自民・公明の合意ができ一気に増税に向けて走り出そうとしています。2014年に8%、2015年には10%。一気に上がります。そしてその合意に対し、消費税の増税は貧困層への打撃が大きく不公平感が高い、だから所得税や法人税の増税もすべきなのにそれは先送りされた、けしからん、ということが新聞の論調のようです。

 しかし貧困層には消費税の増税に合わせて現金給付があるそうで、だったら全然不公平じゃないじゃん、と現金を貰えない多くの中間層は思います。その上、所得税なんか増税されたらダブルパンチです。貧困層はどうせ所得税なんて払っていないんだから、不公平感が募るのはむしろちゃんと所得税を払っているごく普通の人々、貧困層ではなく中間層です。なぜ新聞はもっともボリュームゾーンにいる普通に真面目にコツコツ働いている人々の味方をしないのでしょう?いつまで弱者の代弁者をきどっているのでしょう?

 しかもいま新聞を購読しているのは誰なのか、彼らは真剣に考えたことがあるのでしょうか?所得税も払わないような貧困層が新聞を定期購読するわけありません。新聞社の経営を支えている半分は広告主となる企業であり、半分は少ない生活費から新聞代を払ってくれているサラリーマン世帯です。それでよく所得税や法人税を上げろと言えるなと思います。誰が新聞記者の給料を払っていると思っているのでしょうか?

 いま新聞を読んでいるのは主に40代以上だと言われます。住宅ローンや教育費が嵩み、生活が苦しい中で新聞を定期購読しているのに、彼らにフィットしない主張ばかり書いているようでは、ますます新聞から読者は離れていくことでしょう。新聞はもっと「読者の味方」になるべきだと思います。

 あ、あと大手マスコミは政府と結託して陰謀を巡らせているといった類のネットにはびこる主張は妄想ですから。念のため。



twitterでもつぶやいています@kanjikurita

gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」