幹事クリタのコーカイ日誌2008

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2月28日 ● サンデーとマガジンの共同マンガ雑誌。

 「少年サンデー」と「少年マガジン」と言えば、少年マンガ雑誌の老舗。「少年ジャンプ」を加えた御三家です。この両誌がともに創刊50周年を迎えることを記念して合同でマンガ雑誌を発行するというニュースがありました。

 今年4月から月2回刊で半年間、計12冊刊行。内容は両誌の人気探偵マンガである『名探偵コナン』と『金田一少年の事件簿』の過去の作品を再編集したもので、その名も「コナン金田一 増刊」だそうです。そのまんまのタイトルですが、わかりやすいと言えばわかりやすいかも。

 現在少年マンガ誌はずっと低迷を続けています。かつてジャンプ600万部、マガジン400万部、サンデー200万部だったのに、今ではどの雑誌も半分以下にまで部数を減らしてしまいました。少子化の影響と、子どもたちの娯楽がマンガ以外の世界に広がった結果、雑誌を買ってくれなくなったのでしょう。

 この危機を何とか打開しようと各社ともに工夫を凝らしているのでしょうが、そのひとつの試みがこの「コナン金田一」だと思います。ライバル誌が共同するなんて、かなり思い切った手段ですが、小さなパイを奪い合うのではなく、パイの大きさを手を取り合って再び広げていこうという考え方は正しいと思います。

 ただ、中身が果たして「コナン金田一」で良いのかどうか。僕のように毎週欠かさず購読しているコアなマンガファンは、むしろターゲットではないのかも知れませんが、それにしても新鮮味に欠ける企画です。コナンも金田一もいい加減読み飽きているし、過去の作品を再編集したところで内容は想像がつきます。

 それよりも両誌が誇る人気マンガ家がそれぞれにコラボレートして、全く新しい作品を生みだしてくれないかと思います。例えば「あだち充(『クロスゲーム』)×森川ジョージ(『はじめの一歩』)」の異種格闘スポーツマンガとか、「椎名高志(『絶対可憐チルドレン』)×赤松健(『魔法先生ネギま!』)の美少女サイキックコメディとか。全くの新作でも良いし、お互いの人気作品にキャラクターをゲスト出演させるとか、同じストーリーでそれぞれのサイドから描くとか、いくらでもやりようがあると思います。水島新司が『ドカベン』と『野球狂の詩』で同じ試合を両サイドから描き分けたことがありましたが、それを人気作家同士でやったら面白いでしょう。

 どうせならお互いの作品がごった煮のように一緒になって読めるような特別増刊を出してくれたら絶対読むのになぁと思います。まだまだアイデアはいくらでも出るはず。後はそのアイデアを生かすだけの調整能力次第です。編集者諸氏の奮闘を期待したいです。