幹事クリタのコーカイ日誌2008

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2月13日 ● 南大門放火全焼。

 韓国の南大門が放火で全焼してしまいました。韓国第一の国宝であり、最古の木造建築であり、まさに韓国のシンボルだったわけですから、これが全焼してしまったというのは韓国国民にとってかなり衝撃的なことだろうと想像されます。

 火を付けた男は2006年にもソウルの旧王宮「昌慶宮」の建物に放火して執行猶予付きの有罪になっていて、今回は南大門の警備が他に比べて手薄だと判断し、下見も行った挙げ句の犯行だったそうです。さらに報道によると、全損状態にまでなってしまったのは、放火された後の消火活動にも問題があったとか。そもそも手薄な警備といい、文化財の構造に対する知識の乏しさといい、重要な文化財をきちんと保護する体制ができていなかったようです。

 ひるがえって日本ではどうなっているんでしょう?同様な事件としてすぐに思い出されるのは1950年の金閣寺放火事件があります。三島由紀夫や水上勉が文学作品を書くほどに衝撃的な事件だったわけですが、さすがに58年も前のこととなると事件も風化しつつあります。

 今回の南大門放火事件に刺激を受けて、同じようなことを考えるバカな輩が日本にもいないとは限りません。法隆寺や清水寺、姫路城、厳島神社など、日本には数多くの国宝や世界遺産があります。僕もいくつもそれらの建造物を訪ねていますが、いま思い出してもガソリン撒いて火をつけるくらいなら簡単にできそうでした。基本的には「そんな奴はおらんやろぉ」という性善説に頼っているような気がします。

 特にこの季節は火の周りが早いでしょうから、改めて警備体制のチェックをして、貴重な文化財を守ってもらいたいと思います。それにしてもこういう奴らを「愉快犯」とか呼ぶのは不愉快ですよね。もう少し別の名称はないんでしょうか?