幹事クリタのコーカイ日誌2008

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2月14日 ● チョコは「配る」のではなく「渡す」。

 今年もバレンタインデーがやってきました。年をとるにつれて少しずつ当事者意識が薄れていくイベントではありますが、それでも毎年いくつかは頂くことができ感謝しています。今年はいくつ貰えるのかわかりませんが、昔は「義理チョコなんていらねぇ、けっ!」みたいなことを思っていた時期もありますし「とにかくたくさん貰えれば嬉しい」という時代もありました。最近は「こんなわたしにチョコをくださるなんて、ありがたやありがたや」と、かなり謙虚な姿勢で頂くことにしています。人間が丸くなったと自分でも思います。すっかり「仏のクリタ」です。まあ年々貰える数が減っているからこそですけど。

 そんな僕ですから、義理チョコをホイホイという感じで配給されても、もちろんありがたく頂くわけですが、若くてまだまだ現役感たっぷりな人たちの中には「お返し目当ての義理チョコなんて迷惑だよ」とか「横並びのチョコなんて全然ありがたくない」とか思うみたいです。と言うか、僕もそう思っていた時期がありました。「こんなのいらねぇよ」みたいな。なんて生意気なガキだったんでしょう。若気の至りを反省しています。と言っても、もう当時30代でしたけど。

 しかし、「いらねぇよ」なんて思われてしまっては、貰った男性のみならず、安くないお金をはたいてチョコを買ってきた女性にも、さらには買われてきたチョコにも不幸なことです。せっかく買って渡す以上は、投資した金額以上の効果を期待したいところなのに、これではむしろマイナスなんですから。あ、「効果」というのはホワイトデーのお返しのことだけではありません。お返しよりも「好感度アップ」の方が長い目で見れば女性にとって何かとお得だと思います。

 で、そういう「マイナスチョコ」になってしまう一番の原因は「配っている」感です。「ナンバー1よりオンリー1になりたい」のは何も女性に限った話ではないのです。男だって「あなただけよ」と言われたいに決まっています。それなのに3人並べて「ハイ」と同じチョコを配られたら、口では「ありがとう」と言うものの、内心は全然ありがたくない。「なんだ、こいつと同じかよ」とむしろプライドを軽く傷つけられて腹立たしいくらいです。それが2000円クラスのチョコであっても、効果は500円のチョコにも及びません。

 逆にたとえ500円のチョコでも、こっそりといかにも他の人には知られては困るという風情で渡されたら、男は大喜びです。そこにメッセージカード(内容は全員共通でもOK)が添えられていたりしたら、もう貴女の好感度はうなぎ昇り。500円のチョコで最大の効果。だって大抵の男は女性ほどチョコの値段なんかわかっていませんから、むやみと高いチョコはムダムダムダムダ。大事なのはお金じゃなくて演出です。

 高いチョコを一斉に配るのは愚の骨頂。逆に安いチョコでもこっそり渡せば十分効果的。まあ変な勘違いされたくないオヤジに渡す義理チョコなら、安いチョコをデスクに放り出すようにして配給するのが正しい姿勢だとは思いますけど。