幹事クリタのコーカイ日誌2008

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2月11日 ● オバマ暗殺?

 接戦が続くアメリカ民主党の代表候補争いですが、9日、オバマがネブラスカ、ルイジアナ、ワシントンの3州で全勝し、ヒラリーとの差を縮めました。勢いは明らかにオバマにあります。まだ代議員の数ではリードを許しているものの、この調子なら最終的にはオバマ逆転という目が十分に出てきました。

 ただ史上初の黒人大統領となった時のアメリカ社会の反発というのがどの程度なのか、僕はちょっと恐ろしいと思っています。なにせまだほんの数十年前までアメリカでは黒人はまともな市民として扱われていなかったのです。公民権法が施行されたのは1964年。まだ半世紀も経っていません。社会の表面は大きく変わっていても、人間の中身はそれほどガラリと変わるものではありませんから、未だに黒人に対する見えざる反感は大きいのだろうと思います。

 たださえアメリカ大統領というのは常に命の危険にさらされています。特に黒人問題に関わってきたリンカーン(奴隷解放宣言)もケネディ(公民権運動)も暗殺されてしまいました。大統領ではありませんがキング牧師もマルコムXも暗殺されています。当然オバマもその対象になり得ることでしょう。

 昨年ノーベル文学賞を受賞した作家ドリス・レッシングが、オバマが当選した場合「暗殺されるだろう」と警告したそうです。このことは彼女に指摘されるまでもなく、以前から囁かれていることらしく、黒人の中には「オバマが大統領になることは彼の命を縮めることだから」と敢えてヒラリーを支持している人々もいるそうです。レッシングも「ヒラリーが大統領になってオバマが副大統領になった方が良い」と言っていますが、確かに生命の安全を考えたらその方が無難でしょう。

 上げ潮に乗るオバマですが、この件がクローズアップされるようだと、支持の広がりに大きなブレーキがかかる可能性があります。大統領という職は自らの命を危険に晒してまでも就きたいものなんでしょうけど、僕がオバマならとてもできません。命の危険どころか、有名人になってプライベートがなくなり、若い女性とお茶ひとつ飲めなくなるような生活すら耐えられないだろうなぁと思っていますから。ま、幸か不幸か有名人になる気遣いもないので余計な心配ですけど。