THE REAL McCOY (BLUE NOTE)

McCOY TYNER (1967/4/21)

THE REAL McCOY


【パーソネル】

JOE HENDERSON (ts) McCOY TYNER (p)
RON CARTER (b) ELVIN JONES (ds)
【収録曲】

(01-02) PASSION DANCE / CONTEMPLATION
(03-05) FOUR BY FIVE / SEARCH FOR PEACE / BLUES ON THE CORNER
【解説】 ( 2013年06月09日更新 / 連載 1,079回 )

 前回 に引き続き、静浜基地航空祭のお話です。 飛行機とヘリコプターが飛びました。とても、かっこよかったです。 普通に書けばそれだけで終わってしまうので、いかにして余計な話で膨らませるかが手腕の見せ所なんですが、さ、頑張りましょう。 前回、前半の最後のところで海音(みおん)たんについて簡単に触れましたが、焼津には他にもキャラがいるのを知ってますが? 僕は知りませんでした。 が、今回の航空祭でそれを知ってしまいました。 電波法に抵触するおそれがあるので、あまり詳しくは言えないんですが、聞こえてきちゃったんですよね、 「焼津観光協会のゆいちゃんがイベントをやりたいと言っているんですが、何か聞いてますかぁ?」 みたいな話が。 ゆいちゃん? 観光協会の担当ギャルか何か? 何だか妙に馴れ馴れしいんですが、僕のゆいたんを気安く “ちゃん付け” するなぁぁぁ! 可愛いゆいちゃんと、むさくるしい隊員とがイチャイチャしているシーンが脳裏に浮かんで、何だかムカつくんですが、その後の会話の流れを聞いていると、ゆいちゃんというのはご当地キャラの類なんじゃないか? で、 「ゆいちゃん」 ではなくて、 「やいちゃん」 なんじゃないか? そんな真実が次第に明らかになったんですが、焼津のやいちゃん。 ありがちっすよねー。 で、家に帰ってから調べてみました。 いました。 こいつ 。 ま、世の中にはサカナ好きの人がいますからね。 さかなクンとか。 魚とイチャイチャしたいなら、好きなだけイチャイチャすればいいと思うんですが、手がネチャネチャしてサカナ臭くなるので、僕は嫌なんですけど。 で、このゆあいちゃん、高知の カツオ人間 と比べると、インパクトはさっぱりなんですが、普通に可愛いので幼女に泣かれる心配は無さそうで、中の人も安心。 ま、中の人がロリサド系だったりすると、ちょっと物足りないかも知れませんけど。

 で、イベントをやりたがっていた件、 「 えー、ゆいちゃんですが、“T-7ジュニア” の横で、適当にやって貰っても構いません。」 との許可が得られたようで、実際、適当にやってる姿の目撃情報も上がっているようですが、都合により僕は見ることが出来ませんでした。 どこかに動画が上がっていないか探してみたんですが、 「由比ヶ浜結衣ちゃんに延々と罵られる動画」 とか、そんなのしか見つかりませんでした。 とりあえず見ましたけどね。 罵られました。 マゾっ気がない僕としては、マゾっ子メグちゃんに罵られるほうがまだマシだと思えたんですが、とまあそんなことで、前振りだけではあまり話を膨らましきれませんでしたが、とりあえず本題に参りましょう。


< 静浜基地航空祭 ( “F-15” 編 ) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 静浜は地味な基地なんですが、飛行展示はけっこう頑張ってくれていて、9時から11時くらいまでは、ほぼ休み無しに何らかが飛んで来てくれます。  “T-7” “T-4” “RF-4” “F-2” と来て、続いては小松基地から “F-15” が飛来。 あとこれで平井堅が飛来すれば言うことはないんですが、さすがにそこまで求めるのは贅沢すぎるのではなかろうかと。 で、 “F-15” はですね、ちょっぴり遅刻してきました。 遅刻の理由は定かではないんですが、道が混んどるとか、コンドルが飛んどるとか、そういった事情があったのかも知れません。 バードストライクとか、怖いっすからねー。 そういえば航空祭の2日後くらいに沖縄で米軍の “F-15” が墜落しておりましたが、危ないところでした。 あと3日ほど早く落ちちゃってたら、飛行展示が中止になっていかたも知れません。 よくぞ3日間我慢してから落ちてくれた。 そう思わずにはいられませんが、ま、本当なら落ちてくれないのが一番なんですけど。 とまあそんなことで、イーグルの展示飛行、開始ー。 なかなかいい飛びっぷりであった。 そのように評価していいのではないかと思いますが、中でも “タッチ・アンド・ゴーもどき” がよかったっすな。 着陸態勢に入って、タイヤを出して、エアブレーキを立てて、地面にタッチ! いや〜ん、まいっちんぐ〜♪ で、着陸すると思わせておいて、加速して、再上昇。 そういう出し物だったりするんですが、日本語で言うなら、おさわり、そして逃走。 そういった感じでしょうか? 今回は痴漢未遂でそのまま小松まで逃げていっちゃいましたが、すごく迫力があって、とてもよかったです。

< 静浜基地航空祭 (ヘリ編) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、続いては救難展示っす。救難ヘリが飛ぶ。そういう出し物でありますが、東日本大震災の時に大活躍しましたよね。 ま、本来なら救難隊など活躍してくれないのが一番なんですけど。 吉田茂クンもそう言ってますよね。 名言集 の最初のやつ。 おお、いいこと言いますなぁ、しげる。 石破茂クンにも頑張って欲しいところでありますが、ゲルの名言って、何かありましたかね? 「石破氏を叩いてシゲル」 とか、そんなのしか思い付かないんですが、ちなみに自衛隊の救援隊の本来の業務は災害派遣ではなくて、撃墜された飛行機のパイロットを助けるとか、そういう方面だったりします。 航空祭の2日後くらいに沖縄で米軍の “F-15” が墜落しましたが、パイロットは自衛隊に救援されましたよね。 「なぜ、わざわざ自衛隊が米軍を救助したのか!?」 と、市民団体らが怒りの声を上げておりましたが、それはそうと去年の静浜では救難ヘリが大暴れしたらしいんっすよね。 「救助された人が死ぬレベル」 という話を聞いたことがあるんですが、そんな救難展示をまだ生で見たことがないので、ちょっぴりワクワク♪ が、去年、あまりにもやり過ぎて、後でパイロットが叱られたという話も漏れ聞こえていたので、期待半分、不安半分と言ったところ。 で、結論を言ってしまうと、今年は大人しかったっす。 窮状に陥った九条ねぎを球場で救助。 そういった、わりと落ち着いた展示内容でありましたが、その代わりというか、後から飛んだ県警ヘリが、なかなか根性を感じさせる飛行を見せてくれました。 「ふじ3号」 という名前なんですな。 ちょっぴりフジ三太郎っぽくて、 「バリバリ君」 が好きな僕としてはちょっと気にくわないんですが、どうせなら 「バリ3号」 とか、そっちのほうがいいのにー。 ま、バリバリ飛んでくれさえすえば、名前がバリバリでなくても別に構わないんですが、名を捨てて実を取るというか。 警察のヘリの展示って、他の基地では見たことがないんですが、サイレンを鳴らしながら飛んだりして、なかなか面白かったっす。 おさわり、そして逃走中に空からこんなのに追っかけられたりしたら、スゲぇぇ嫌なんですけど。 俺はサワってねぇぇぇ。 未遂だから見逃してくれぇぇぇ。。。


< 静浜基地航空祭 ( 昼メシ編 ) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 とまあそんなことで、午前中の主な飛行展示は以上です。 グレちゃった少年の根性焼きの痕跡を公開する 「非行展示」 というのはなくて、 “T-7” の変態飛行というのはあるんですが、そいつは捨てて、ちょっと早めに便所と昼メシ。 この2点を片付けることにしました。 幸い、便所のほうは数分待ち程度で何とかなったんですが、屋台エリアはカオスな状況。 歩くのもままならず、一体、どの列が、どの食い物を求めて形成されたものであるのか、まったく判然としない状況になっておりました。 朝の時点 で買っておけばよかった! そう思わずにはいられませんが、でもまあ、早く買い過ぎて飲み物がぬるくなっちゃったり、食べ物が冷めちゃったり、腐っちゃったりしても、嫌だしー。 朝の偵察によって既に何を買うのか決めていたので、その点では勝負が早く、何とかお目当ての厚切りベーコン屋付近に到達して、それらしき列に並ぶという業務を遂行することが出来たんですが、20分程度の待ち時間で目標物の入手に成功したのではなかったかと。 朝の時点で保険として、腐ってもあまり中毒が重篤にならずに済みそうな 「おむすび弁当」 というのを押さえておいたので、昼飯の購入は以上っす。 で、元のサブ会場に戻ることにしたんですが、幸い、敵に占領されることもなく、午前中に陣取った  「まずまずの好位置」 とほぼ同じ場所をキープすることが出来ました。 で、食いました。 厚切りベーコンステーキ、美味ぇぇぇぇぇ♪ 厚切りベーコンオムやきそば、上に乗ってる厚切りベーコンが美味ぇぇぇぇ♪ が、本体のオムやきそばのほうは、うーん。。。 麺が無駄に太過ぎるのと、味が薄過ぎるのが僕の嗜好とマッチしなかったんですが、焼きそばそのものは、おむすび弁当の付け合わせのほうが美味しかったっす。 ま、厚切りベーコン屋がした仕事なので、オムと焼きそばが素人でも文句は言えないんですが、こういうところの屋台って、本職の富士宮焼きそば屋の焼きそばでもさほど美味くはなかったりするので、ベーコンよければ、すべてよし。 そういう、大らかな心で接するのが適切なのではなかろうかと。


< 静浜基地航空祭 ( ブルーインパルス編 ) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、午後の出し物はブルンパスっすな。 静浜にブルーが来るのは5年ぶりなんだそうで、ちなみに去年はですね、入場者数、ドン。 2万3000人。 それが今年は、更に倍。 50000人。 何でも 『空飛ぶ広報室』 という航空自衛隊絡みのテレビドラマをやっているんだそうで、その影響+ブルー効果で、オタ以外の観客が増えるんじゃないか? そんな予想が飛び交っていたんですが、案の定。 岩国フレンドシップデーや入間基地航空祭の20万人超、岐阜基地航空祭の10〜15万人程度に比べればカワイイものなんですが、ここはエプロンが極狭ですからねー。 人口密度では岐阜に匹敵する状況であるように思われました。 で、初心者の人が多かったのか、観客の反応がすこぶるよかったっす。 静岡空港のトラフィックの関係で、開始時間が予定より30分ほど遅れちゃったんですが、向こうのほうから変態を組んだブルーが姿を現すと、 「おおおおおお〜♪」 という歓声と、どよめきが。 ブルーなんて、つまんねーよ。 オタ病を変にこじらせると、どうしてもそういうひねくれた大人になってしまいがちなんですが、こういうお祭りはみんなと一緒になって、素直な気持ちで楽しむのがイチバン♪ 天気もまずまずだったし、素人にウケのいい 「ハートに矢を射るやつ」 と 「星を書くやつ」 もバッチリ決まったし、ま、写真の出来のほうは今ひとつだったりしたんですが、とっても楽しかったです。


 ということで、航空祭は終了。 ブルー終了と同時に会場を後にしたんですが、地上展示機の帰投もサービス満点だった模様。 ちらっと見えたんですが、確かに陸自のヘリとか、凄い体勢になってましたな。 で、観客のほうの帰投も大変なことになっておりました。 基地周辺の道路がバイクで渋滞していたので、チャリ舞台の僕たちはグルッと大回りして帰ることにしたんですが、ホテルの駐車場まで1時間くらい掛かってしまって、ちょっと疲れました。 とか思っていたら、シャトルバスのほうはもっと大変だったみたいですな。 バス待ちが2時間以上で、駅に着いたのが18時過ぎだったりした模様。 バスを走らせているのは静鉄ジャストラインという会社なんですが、 「ジャストラインと言いつつ全然ジャストじゃない件」 とか 「くず鉄ジャストライン」 とか書かれておりました。 バスの運用の不備だけが原因ではないと思うんですが、うーん。。。 で、参加者各位の総意をまとめると、「帰りのバス待ちは大変だったけど、楽しかった。 でも来年はたぶん行かないと思う。」 そういうところに落ち着きそうです。 チャリ組で、わりと楽だったと思われる僕でありますが、同意。 ま、3年くらいたってほとぼりが冷めたら、また行ってみたいな♪ そんな気はするんですけどね。 で、焼津インターから新しくないほうの東名に乗って、途中の浜松インターで降りて、風呂&晩飯タイム。 ここここ 。 前者は会社のすぐ近くにある風呂屋の姉妹店というか、兄弟船というか、そういうアレだったりするんですが、お値段はお手頃だし、新しいし、綺麗だし、まったく問題は無し。 後者は沼津のあたりが本店らしい回転寿司…ではなくて、流れ寿司の店。 流れ寿司というのは寿司がベルトコンベアに乗って流れてくるというシステムなんですが、回転寿司と何が違うのかというと、謎。 ま、行けば分かるという話だったので、行ってみることにしました。 けっこう混んでいて、30分くらいの待ち時間だったんですが、ほう、なるほど。 これは流れ寿司っすなぁ。 iPad で食いたいネタとかを選んで注文すると、テーブルまで自動で配達されるという、そういうシステムなんですが、配達された成果のほうは、 これ とか これ とか。 ネタ、デカっ! インパクトが強いっすな、こりゃ。 僕は単純明快に、ネタがでかい = 嬉しい。 そういう趣向の持ち主だったりするんですが、正直、ここのデカさはちょっと。。。 小皿の醤油に付けて食おうとしたらシャリが落下して 「醤油まみれごはん」 になっちゃうわ、醤油に落とさないように注意していたのに、今度はシャリが床まで転落して、 「3秒ルール」 も適応出来ずにアウトになっちゃうわ、食いにくいっちゅうねん!! 結果、これは醤油差しから直接ネタに醤油を滴下して食うのが正解であると悟った次第でありますが、ネタがデカけりゃエエちゅうもんやないねんっ!! ま、寿司以外の地元ネタが充実していたのはよかったんですが、 これ とか。 「生しらす」 っすな。 しらすは、生>>釜揚げ>>干し…と、生々しいほどイケるような気がする。 そういう趣向の持ち主だったりするんですが、うちのほうでは 「しらす干し」 しか食えなかったりするので、これは貴重です。 あと、静岡の地物と言えば、桜海老。 僕は桜海老の殻の部分が大嫌いで、石松鍋に乗っている桜海老の殻の掻き揚げとか、余計なものを乗せるな! そう思わずにはいられなかったりするんですが、本場の桜海老の掻き揚げは殻ではなくて、ちゃんと身の部分が掻き揚げられているんですよね。 あれは美味ちい♪ …っす。 前日の夜に行った焼津の居酒屋のメニューには無くてガッカリしていたんですが、流れ寿司で発見♪ これはもう、ポチるしかありません。 ということで、頼んでみました。 まだかな、まだかなー。 桜海老の掻き揚げ、まだかなー。 ワクワクしながら到着を待っていると、

   『 流れ寿司@寿司ではないけど流れてくる動画♪ 』  ( ← Click Here!! )

   キタキタキターーー! て、言うか、掻き揚げ、デカっ!! 流れ寿司のシステム、凄いっすなー。 で、掻き揚げのインパクトも半端ありません。 が、ぶっちゃけ、無駄にデカいだけで食いにくいし、全体のボリュームのわりに桜海老感が極めて不足しているような? 殻だけというワケではないんですが、プチサイズの桜海老のようで海老プリ感がぜんぜん味わえなくて、うーん。。。 どうやらこの寿司屋は基本、見た目で勝負! …の、ケレン味たっぷり路線がコンセプトのようで、ま、お味のほうも決して悪くはないんですが、リピートするかと言われると、うーん。。。 でもまあ、デザートに食った コーヒーゼリーにソフトクリームと生クリームが乗ったやつ は美味しかったので、総合的に見れば、満足♪ ちなみにデザートは流れてこなくて、お兄さんが普通に持って来たので、ちょっぴり拍子抜けしちゃいました。 ま、あの勢いで流れて来て、カーブで直角に曲がられると、容器がコケて、さくらんぼが飛散して、ポッキーは骨折という大惨事になりかねないので、やむを得ないところではあるんですけど。 システム自体は楽しいし、無駄にデカいネタも、コツさえつかめばシャリが落ちなくなったし、とまあそんなことで、オチはないんですが、おしまい♪

 ということで、今日はマッコイ・タイナーっす。有名っすよね。日本ではもっぱら顔が怖いことで名前が知れ渡っているんですが、今日はそんなマッコイの 『ザ・リアル・マッコイ』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 名盤にして、定番で、スケバン。 そういった1枚でありますが、ブルーノート盤っすな。 インパルスのマッコイはコルトレーン・カルテットのイメージを意図的に払拭する目的で、敢えて顔に似合わないラブリー&キュート路線で迫る。 そんな話を聞いたことがあるんですが、対してブルーノートのマッコイ、略してブルッコイは、トレーンっぽいスピリチュアル路線の追求が目立ちますよね。 中でも本作は最右翼と言えそうなんですが、ジョー・ヘンダーソンロン・カーター、それにコルトレーン・カルテットの同僚、エルビン・ジョーンズ。 名前を見ただけで音が聞こえてきそうです。 同時に4人の濃すぎる顔が浮かんで来て、うなされそうです。 ちなみに録音年月日は1967年4月21日。 コルトレーンがお亡くなりになる3ヶ月ほど前でありますな。 マッコイくんがこのタイミングでこの作品を残したことに何やら運命的なものを感じてしまいますが、マッコイとエルビンは2年ほど前に、既にトレーンの元を去っております。 それが原因でインパルスとの契約を打ち切られ、タクシー運転手などをしながら生きながらえていたようですが、そんな彼に救いの手をさしのべたのがブルーノートのプロデューサー、アルフレッド・ライオンくん。 で、移籍第1弾としてこれが吹き込まれたと、そういう経緯があるようですが、以上、油井正一先生の解説文を引用させて頂きました。 さすが博識ですなぁ、油井ちゃん。 焼津のやいちゃんよりも立派です。 そういえば静岡には由比という町がありますが、由比のゆいちゃんとかいう、桜海老か生しらすのキャラはいないんですかね? で、調べてみました。 いました。 さくらゆいちゃん 。 やっぱりかい! で、さくらではないほうの油井ちゃんは、アルバムのタイトルに関しても知識を披露してくれておりますが、 “Real McCoy” というのは、禁酒法時代から広く使われていたスラングで、最初は 「本物の酒」 という意味であった。 やがてギャングの間では本物、粗悪品を問わず 「酒」 の意味に使われたが、一般には 「ほんもの」 「信頼できるもの」 「第一級」 という意味に使われ、最上級の賞め言葉として使われている…と。 ほぉ。 その俗語と名字とを掛けて、何とも洒落たタイトルが出来上がったわけでありますが、ジャケットを飾るマッコイは2/5程度の専有面積にも関わらずしっかりと怖いし、とまあそんなことで、じゃ、演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 ということで1曲目なんですが、あぁぁぁぁ。 今日は先にジャケ絵を書いてみたんですが、思いきり失敗しちゃいました。 マッコイの顔の怖さを37%くらいしか再現することが出来なくて、無念。。。 2/5程度の専有面積だと顔が小さくなっちゃうので、ムズいっすなぁ。 せめて2/3くらいあれば、61.7%くらいは怖さを表現出来たような気がするんですが、ま、済んでしまったことは綺麗さっぱり忘れるとして、ということで、1曲目です。 このアルバムはすべてマッコイの自作で占められているんですが、まずは 「パッション・ダンス」 。 「情熱、もしくは受難の踊り」 っすか。 この曲のパッションがどちらなのかは定かでありませんが、パッションフルーツは受難っすよね。 花の形が受難っぽいとか、12使徒がどうたらとか、そんな話が語源になっているようですが、昔、会社の旅行で沖縄に遊びにいった時に、拾い食いしましたな。 台風の襲来でめっちゃ風が強かったんですが、何やら南国っぽい果物が道の上に落ちているのを発見したので、お土産に拾って帰って家で食べたら、パッションフルーツでした。 美味しかったっす。 島バナナも持って帰って食べました。 バナナは道に落ちていたのではなく、畑みたいなところに普通になっていたんですが、自主的にバナナ狩り農園を開業させて頂いて、1本だけ借用しました。 借りるだけで返す気はあったんですが、なかなか沖縄を再訪する機会に恵まれず、そうこうするうちにバナナが腐りかけてきたので、食べました。 美味しかったっす。 とまあ、パッションのおかげでそんな思い出が蘇ったりしたんですが、曲のほうはあれです。 もう、めっちゃパッション。 油井センセイの解説は余談は達者でも、曲の解説とかは適当だったりするので、原文ライナーの日本語訳を参照させて頂くことにしますが、書き終えてみると、アメリカのインディアンの踊りのように聴こえた。宗教儀式の恍惚状態を彷彿させたんだ。ストラクチャーだが、下のキーだけでインプロバイズしている。その方がメロディ的により自由な発想ができるんだ。 そう、マッコイが述懐しているような世界が展開されております。 エルビンのタイコに続いて、テナーとピアノの絡みで恍惚パッションなテーマが演奏されるんですが、コルトレーン的なスピリチュアル世界、バリバリ全開っ! で、以下、マッコイ、ジョー・ヘンの順で熱く燃える超パッションなソロが展開されて、 凄ぇぇぇぇぇぇぇ!! で、最後はエルビンのタイコがフィーチャーされてそれなりに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 …と思わせておいて、尚もしばらく4人のフリーな即興が繰り広げられることになるんですが、収拾がつかなくなって、フェードアウトして、おしまい。 いやあ、圧巻でした。

 ということで、次。  「コンテンプレイション」 。 題名はやはり曲が書き上がってから思い付いたんだ。よく聴いてみると、独りたたずまいの音がした。自分にとって宗教とは何なのかとか、生きることの意味とかを、独り黙想しているような。精神的なものがこの曲にはある。基本的には4分の3拍子だか、これは非常に面白い拍子で、ここで僕達がやっているように、内に他の色んなリズムを採り入れることが出来るんだ。 そう、マッコイが述懐うんぬん、以下同文。 ちなみに “CONTEMPLATION” というのは黙想、熟考。 そういった意味であるようです。 ロン・カーターのベースが印象的で、マッコイのピアノが印度象的なイントロに続いて、テナーとピアノの絡みで黙想、熟考的なテーマが演奏されるんですが、これまたコルトレーン的なスピリチュアル世界がうんぬん、以下略。 ジョー・ヘン、マッコイと続くソロ・パートはいずれも重厚で、生半可ではない人生の深さのようなものを感じさせてくれますが、生半可ではないということは、釜揚げ半可だったり、半可干しだったりするとか? いや、しらすと半可を同じように考えるというのは、もしかしたら間違っているかも知れませんが、とか言ってるうちにロン・カーターのソロが出て来て、テーマに戻って、おしまい。 で、続いては 「フォア・バイ・ファイブ」 。 もはや曲名の由来を引用するのも面倒になって来たんですが、ま、要するに表面的には4拍子なんだけど、中身は4分の5であると。 何が言いたいのか、凡人の僕には理解出来ないんですが、大木凡人なら分かるんでしょうな、多分。 ああ見えてグレイシー柔術やら、琉球空手やら、太気拳やら、古武来流拳法やらの達人らしいし、古田敦也の従兄弟だったりもするようですが、で、演奏のほうはというと、表面的には4拍子なんだけど、中身は4分の5でありますな、こりゃ。 テーマそのものはシンプルで、ちょっぴり変なので日本人ウケはよく無さそうなんですが、アドリブの出発点としてはなかなかの素材のようで、ヘンダーソンはソロの冒頭から暴走しまくり〜。 続くマッコイは、ま、いつもの調子なんですが、終盤はエルビンとの絡みで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、熱いっす。

 あまりの熱演ぶりに、聴いてるほうも寒ブリになっちゃいそうなんですが、でも大丈夫。 続く 「サーチ・フォー・ピース」 は、愛と悦びと平和に満ち溢れたバラードだったりするので、ここで一息入れましょう。 マッコイもジョー・ヘンも決して勢いだけのがさつなオッサンというわけではなく、ラブリー&キュート路線だって、それなりにこなしてくれるんですが、いやあ、平和ですな、こりゃ。 ということで、ラストっす。  「ブルース・オン・ザ・コーナー」 。 いかいにも角っぽいブルースであるな。 そういった雰囲気は窺えるんですが、いかんせん、日本人にはウケがよろしくなさそうなタイプの曲だったりするので、ちょっぴり晩節を汚した感がないわけでもないんですが、僕が小さい頃、フィラデルフィアにいた時は、顔なじみの子供達が街角でよくたむろしていた。これは、子供達がふざけ合ったり、話したりしている、そういう風景を音楽で絵にしたものだ。 …と、そういうアレだったりするようなので、ちょっぴりふざけた感じがするのもやむを得ない話でありまして、とまあそんなことで、今日は以上です。

【総合評価】 フリーに走り過ぎるコルトレーンについていけなくなっちゃったマッコイくんが、あの頃はよかった。 そんな感傷に浸りながら、 「ぼくの考える最強のコルトレーン」 を具象化してみせた、そんな1枚であると言えるのではなかろうかと。 ジョー・ヘンダーソンという理想的な相方も見つかったし、これでタクシーを運転しなくてもなんとか音楽だけで食っていけそうだし、よかったじゃないっすかぁ。 基本、バリバリくんと同じくらいバリバリにハードなので、お洒落なギャルにはまったくオススメしませんが、おじゃるな丸には、いいかもー?


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