PLAYBACK (ARGO)

SAM LAZAR (1961)

PLAYBACK


【パーソネル】

MILLER BRISKER (ts) JOE DIORIO (g)
SAM LAZAR (org) PHILLIP WILSON (ds)
【収録曲】

(01-03) DEEP / LONG GONE / BAG'S GROOVE
(04-06) FUZZ BUZZ / JUST MAKE LOVE TO ME / S & S
(07-08) PLEASE SEND ME SOMEONE TO LOVE / SCOOTIN'
【解説】 ( 2012年04月01日更新 / 連載 1,025回 )

 新年度になりましたが、みんな、少しは落ち着いたかな? 僕はですね、すっかり暇になりました。 で、心はすっかりゴールデンウィークに飛んじゃってます。 ということで、今日は 「連休」 について考えてみたいと思うんですが、前にも少し書いたように、今年は曜日の並びが最悪ですよね。 2月11日の 「建国記念日」 が土曜日と重なったのを皮切りに、 9月22日の 「秋分の日」 と、11月3日の 「文化の日」 も土曜日。 で、連休なので気が付きにくいんですが、 5月5日の 「こどもの日」 も土曜日だったりします。最悪じゃん! で、よくよく考えると、この惨劇を招いた黒幕が閏年の野郎であることが分かるんですが、2月に余計な “29日” が入ったお蔭で、本来なら金曜日になる筈だった祝日が土曜日にシフトしちゃったんですよね。どうしてくれる、閏年っ! こうなる事はちょっと考えればすぐに分かる話なのに、事前に何とかしようとは思わなかったんすかね? 今年だけ特例で閏年のオマケを 2月29日ではなくて、12月32日にするとか、方法はいくらでもあったと思うんですよね。 そうすれば年末年始のお休みも1日増えるしー。 ま、そうしたところで 2月11日は救済出来ないし、 4月29日の 「昭和の日」 が土曜日になっちゃうので、あまり賢い方法だとは思えないんですが、やはり根本的には 「国民の祝日に関する法律」 するしかないでしょうな。 日曜日と祝日が重なった場合の救済策として 「振替休日」 という制度があるんだから、土曜日と重なった場合は 「フリチン休日」 にしちゃうとか? そのネーミングにいったい何の意味が? …と聞かれると、僕もちょっと困るんですが、休日は自由に過ごしたい。そんな気持ちが感じられて、個人的に嫌いでは無いんですけど。

 とまあそんなことで、 「電球」 です。 「連休」 だけでは間が持たないような気がするので、そっち方面で何とか話を引っ張ってみようと思うんですが、先日、切れちゃったんですよね、電球。 普段おとなしい奴と電球はキレると始末が悪かったりするんですが、ま、電球の場合は取り替えればそれで済むんですけど。 問題は今回切れた電球が、うちの近所のミスタートンカチとかでは売ってなさそうなサイズであることなんですが、パッケージ型ディーゼル発電機の 「制御電源」 表示用の電球が切れちゃいました。 どこかで手に入れて取り替えなければならんのですが、どこに売ってるんですかね? 最近はネット通販で何でも手に入れることが出来るようになったので、そっちのほうを当たってみることにしたんですが、手掛かりはねじ込み部の側面に刻印された “ブルック 30V2W” という刻印。 これ です。豆電球の分際で小洒落た名前を付けられて、何だかちょっと生意気なんですが、悪くはないんですけどね、ブルック。 少なくとも、ブリ食うよりはソソられるものがあります。 決して嫌いではないんですが、積極的に食べようとは思わないんですよね、ブリ。 で、“30V2W” というのは電圧と出力だと思うんですが、これだけのデータで豆電球を特定出来るとは思えません。大きさとか形状とか、そういうのが一致しないと使い物にはならんのですが、その辺り、ブルックちゃんはどう説明を付けてくれるつもりなんですかね? 問い詰めてみたところで、 「わたし、わかんなぁ〜い♪」 と、ぶりっ子されて終わりのような気がするので、仕方がありません。自力で調べてみましょう。

 豆電球の下半身のネジネジする部分。 アレを専門用語では “口金” と呼ぶようです。 がま口のパチンとする部分のことも口金と呼ぶようですが、がま口口金。 何だか真ん中が四角い伏せ字みたいなんですが、丸くすると、がま○○金。 あまり違和感はありませんな。 この伏せ字の部分に適切な文字を入れろ。 そんな問題が出されたとしたら、“がまん玉金” とか、そんな不適切な答えしか思い付かなかったりするんですが、いや、朝までわいわい騒げる居酒屋 「玉金 (たまきん) 」 とか、六本木や池袋や下北沢や錦糸町や亀戸あたりに普通にあるみたいなので、ぜんぜん大丈夫ですか。 とまあそれはそうと、電球の口金。 アレには大きく分けて2つのタイプがあるみたいです。 ネジネジするやつと、押し込んでカチッとはめ込むやつ。 擬態語で説明されても分かりにくいかも知れないのでアカリセンターの力を借りると、 これ 。 おお、分かりやすい! さすがはアカリセンターだけあって、明かりには明るいですなぁ。 …と感心すること、しきりなんですが、ネジネジするタイプは “E ○○” という型式なんですな。 この伏せ字の部分に適切な文字を入れろ。 そんな問題が出されたら、普通は 「E電」 か 「E気持ち」 しか思い付きませんよね。 いや、字足らず、字余りで、決して適切な答えであるとは思えないんですが、電球の場合は “○○” の部分に口金の幅の測定値をミリ単位で入れてやれば大丈夫。 で、僕が欲しているこの電球はですね、んーと、 “E11” もしくは “E12” ? 普通の定規だと細かいところまで測りにくいので、正確を期すにはノギスを使う必要があるみたいですなぁ。 1ミリくらい、そんな細かいこと、気にすんな! そんな大雑把な性格だとたいてい、2分の1の確率が裏目に出て、サイズの違う電球を頼んでしまって、金と時間を無駄に費やすことになります。 よく分かんないから、 “E11” と “E12” 、両方とも頼んでしまえ! それくらい大雑把な性格だと、金のほうは確実に無駄になるものの、時間的には無駄が無かったりするんですけどね。 で、僕の場合、血液型がA型なので、几帳面で神経質なんだけど、めんどくさがりで、ずぼら。 そういうキャラだったりします。 会社の車に行けば、ずぼらでも使いやすいダイヤル式のノギス (編集部注: こんなの ) が、ちゃんとあるんですが、 面倒なので、手持ちの定規で測定しました。 その結果、んーと、11.5ミリ? …という、微妙な結果が得られたんですが、ま、確率は2分の1ですからね。 “E12” にすべてを賭けてやるぅ!

 “E12 30V 2W”。 ここまで分かれば、もう大丈夫。 僕の手元にはとってもいい “E12” の豆電球が届くに違いありませんが…、と思ったら、まだ駄目でした。 下半身の口金部分だけでなく、上半身のタマタマのほうにもいくつか種類があるんですな。 こんな感じ です。 タマタマというより、何と言うか、婉曲的な表現をするなら、宇能鴻一郎センセイ言うところの、そのもの。 そっちのほうを彷彿させる形状だったりするんですが、ニップルタイプって、これは駄目だと思うんです。 見た目はちょっと悪いんだけど、G11タイプ。 こういうのがいいと思うんです。 ナツメタイプは、ちょ…、ちょっと、太すぎるかもぉ? そんな趣向はともかくとして、僕がいま欲しているのは、んーと、T13タイプ? 定規で測ってみると、球の部分の直径が12ミリくらいで、全長は33ミリくらいと、何とも微妙なところだったりするんですが、ま、これを書いている現在、もう既に “T13 E12 30V 2W” を注文しちゃった後ですからね。 もし合わないのが来ちゃったら、壁に投げつけて、足で踏んづけて、バリバリに割って、ストレス発散グッズとして有効的に活用する予定なので、後悔はしていません。 今日くらいに届く予定なんですが、どんなのが来るのか、楽しみ〜♪

 ということで、連休です。 5月3日〜6日という日程で、広島と岩国に行ってきます。 去年も行く予定だったのに、東日本大震災に伴う “トモダチ作戦” の関係で中止になっちゃった フレンドシップデー 狙いなんですが、今年も中止になっちゃったりしませんよね? 金正恩クンが 「衛星」 を打ち上げたり、ホルムズ海峡でイランの大統領がアフマディネジャったりして、世界情勢が緊迫化するのが不安要素なんですが、緊迫化すると何かと仕事が増えますからね。銀閣寺を金箔化したりとか。 いや、そういう余計なことはしなくていいし、もしやるとしても、それはアメリカ海兵隊の仕事では無いと思うんですが、ドアを開閉したりとか、海兵隊にはいろいろとやらなければならない作業がありますからね。 金正恩クンには衛星の打ち上げは諦めて貰って、衛生車の糞尿をブチまけるくらいで我慢して頂きたいところなんですが、いや、それもかなり近所迷惑な話ではあるんですけど。 観覧席チケットを無事に確保することが出来たので、何とか無駄にならないように祈るしかありませんが、ちなみに “先行販売特別パッケージ” という奴です。 2,000円のチケットに公式パンフレットと記念コインがオマケに付いて 3,500円。 “ぴあ” のネット販売で買ったんですが、システム利用料:210円、発券手数料:105円、特別販売利用料:290円を取られて、ぼったくられ感が半端ありません。 公式パンフレットと記念コインというのがどれほど立派なものなのかは知りませんが、 3月28日から売りに出される、余計なものが付いてこない通常販売のほうにしておけばよかったっすなぁ。 あとはもう、先行予約の抽選に外れることを祈るしか無いんですが、僕は人並み外れてクジ運がなかったりしますからね。 きっと、大丈夫♪ …とまあ、そんなふうに事態を楽観していたんですが、こういう時に限って、見事に当選しちゃいました。 何かが当たるのって、イーナちゃん のピンバッジ以来? スキー・スノボ系サイトのプレゼントで、本当はリフト券が欲しかったんですが、競争率が高そうなので諦めて、敢えて誰も欲しがりそうにもない “イーナちゃんグッズ” に応募してみたんですよね。 僕も全然そんなものは欲しくなかったんですが、そういう時に限って当たってしまって、何だか迷惑。 で、今回のこの先行販売も 「抽選」 とは名ばかりで、パンフレットとコインを無理やり押し付けようという、そういう商魂なんだと思われるんですが、無駄にクソ高い利用料と手数料といい、ぴあの野郎にすっかり騙されちゃいましたなぁ。。。

 …とか思っていたんですが、実はこれが大正解。 3月28日の10:00に解禁となった通常販売のチケットは、開始からわずか1時間で売り切れちゃったみたいです。 その日は現場の仕事が入っていて、そんな時間に申し込み出来る状況ではなかったので、高くても早めに手を打っておいて、いやあ、よかったっす。 買いそびれた人も少なくないようですが、そういう鈍くさいヤツを見越して、転売ヤーが暗躍している模様です。 オークションでは残り時間2日+8時間の時点で、 5,500円の値段が付いている模様。この先、どこまで高騰するんですかねー? こんなことなら僕も10枚くらい買って、いらない分は転売すればよかった。 そんな気分にもなったりもしますが、今となってはただ、不当な利益を得ている不逞な輩に天罰が下ることを祈るしかありません。 チケットが当たったついでに牡蛎にもアタって、天罰が下って腹を下しちまえー! 火気厳禁のところで牡蛎を焼いて、管理人に焼きを入れられてしまえー! ま、火気厳禁のところで牡蛎を焼かなければいいだけの話なので、そういうのを天罰とは言わないかも知れませんが、ちなみに飛行場のエプロンというのは火気厳禁なんですが、アメリカ人というのはけっこう平気でエプロン姿でステーキを焼いたりしているそうですな。 フレンドシップデーは飛行機が飛ぶのを眺めるだけでなく、アメリカンな飲食物を味わえるというのも、楽しみのひとつ。 岩国では広島が近いといっても牡蛎が焼かれることは無いものの、 こんな食い物やら飲み物 が販売されるみたいです。 おお、700本以上のアメリカンドッグ! あれって、日本人が勝手にアメリカンな名前を付けただけで、本場アメリカでは誰も食ってないんじゃないかと思っていたんですが、そうでもないんですな。 さすがにアメリカではアメリカンドッグとは呼ばず、衣の部分にトウモロコシの粉を使っているので、コーンドッグと自称しているみたいですけど。 中身の魚肉ソーセージでは無かったりするんでしょうな、多分。 何でもいいけど、25万人の来場者に対して 700本って、ちょっと少な過ぎじゃないっすか? アメリカンドッグ率 0.28%という計算ですよね。 それだけしか売れないのならヤメたほうがいいような気もするんですが、アメリカン人の考えることはよく分かりませんなぁ。 7500枚以上のステーキ、5900個以上のハンバーガーというのは、結構な量のように思えるんですが、割合にすれば、それぞれ 3.00%と 2.36%ということになります。 来場者の3人に1人はハンバーグを食いそうなイメージがあるんですが、そうでもないんですなー。ちょっと以外でした。 メニューには 「うどん」 もあるようですが、アメリカ人が作るんですかね? だとすれば、まったくソソられるものが無かったりするんですが、で、その上にある 「トスタド」 って、何? ググってみても、 「トスタドの演技」 の拡大写真 - 北京オリンピック 新体操写真ニュース とかしか出て来なくて、こんなの食べちゃってもいいんっすかぁ? というか、この人、ちゃんとパンツ穿いてる?

 で、一方、飲み物部門ではゲータレード (600ml) は必ず押さえておきたいところです。日本にあるのとは違って、どぎつい原色をしているんだそうで、通称 「色水」 と呼ばれて、その筋の人達の間では大人気♪ お味のほうは、スゲぇ不味いみたいですけど。特に、生ぬるくなると最悪なんだとか。 でもまあ、クソ不味いほうが何だか、アメリカン! …って感じがしますよねー。 モンスター (炭酸栄養ドリンク470ml)と、どっちにするか、ちょっと悩むところでありますが、470mlも栄養ドリンクを摂取した挙げ句の、トスタドの演技。 こりゃ、鼻血が出ますなぁ、多分。 とまあそんなことで、まだ1ヶ月も先の話なんですが、 「フリチン休日」 …ではなくて、 「ノーパン休日」 、とっても楽しみでっす♪

 ということで、今日はサム・レイザーです。 誰? …と聞かれてもまったく答えられないレベルの、よく分からんオルガンのオッサンなんですが、ジャズ批評が出した 『コテコテ・デラックス』 では、わりと大きく取り上げられたみたいです。 僕も 「コテ・デラ」 は持っているんですが、まったく記憶にはありませんな。 コテコテと言えば、広島ではお好み焼きを食べるのが楽しみなんですが、本場では箸を使わずにコテで食べるんだそうですね。 本場の広島でも “コテ” と呼ぶ地域と “ヘラ” と呼ぶ地域に分かれるようですが、 『ヘラヘラ・デラックス』 ではまったくと言っていいほど真剣味が伝わってこないので、個人的にはコテと呼ぶほうが無難だという気がします。 ま、オルガン・ジャズなんて、真剣にやるものはまったく無かったりするんですけどね。 で、このサム・レイザーという人のプレイは、上條直之クンが書いた日本語ライナーによると、コテコテ系ではなくて、ヘラヘラだったりするようなんですが、そう言えば昔、伊豆の熱川に行った時にお土産に買いましたなぁ、 「ようじゃへらへら餅」 。 ここ の真ん中のヤツ。 全部まんじゅうじゃん! …って、真ん中のは餅じゃん! 個人的には胡麻ダレが美味しくて “当たり” だったんですが、全国的な知名度は今ひとつだったりしますよね。 やっぱり名前が悪いんですかね? 「幼女ぺろぺろ餅」 にすれば、その筋の人達の間では人気が出そうなんですが、とまあそんなことで、 『プレイバック』 。 レイザーくんにとっては2枚目のリーダー作になるようですが、これが世間では大評判となったので、続編として 『プレイバック Part2』 というのが作られた。 そんな話は聞いたことがないので、あまり売れはしなかったんでしょうな、多分。 で、結局、生涯で3枚のアルバムを残しただけでシーンから消えちゃったみたいですが、そういう 「まぼろし感」 が日本のコアなファンには受けるんでしょう。 で、これ、ジャケットにはトリオと書かれているんですが、3人組ではなく、テナー、オルガン、ギター、ドラムスのカルテット編成。 参加者はミラー・ブリスカージョー・ディオリオフィリップ・ウィルソンと、個人的にはよく知らん人ばかりで、ギャル受けしないこと、この上なし。 こんなの 『女子のための渋い音楽 〜 ジョシブゥ』 で取り上げたりして、大丈夫なんすかね? “You Tube” でアルバム最後の 「スクーティン」 が流れるようになってたりして、著作権侵害も甚だしいんですが、間違ってもコレを聴いてはいけません。 いや、道義的な意味ではなくて、僕の言わんとすることはレビューの最後に分かる事になると思うんですが、とまあそんなことで、では1曲目からいっちゃいましょう。

 まずはサム・レイザーのオリジナルで、 「ディープ」 。 深いっすな、こりゃ。 タイトルからしてそういう展開を期待してたら、そうでも無かったんですが、ゴスペル調の軽めの仕上がりだったりしております。 オルガンの呼び掛けに、テナーとギターのユニゾンが応答する形でテーマが演奏された後、ミラー・ブリスカーのソロが出てくるんですが、この人の吹きっぷりはアレです。 正統派のソウル系テナーといった感じ。 可も無くなく不可もなく、鴨もなくフカのヒレもなく、料理の素材としては平凡なんですが、でもまあ、不味くはないから、いっかぁ。…みたいな。 続くレイザーのオルガンは、誰かが 「真面目なジミー・スミスといった感じ」 と書いているのを見たんですが、確かにそんな感じがしたりします。 キノコで言うと、真面目なシメジというか、貝類で言うと、真面目なシジミというか。 真面目という事でいうと、最初に出てきた 「へらへら」 とは違うタイプということになるんですが、そういう細かいことはあまり気にしてはいけません。 適当に頼んだ豆電球が先ほど届いたんですが、ちゃんと期待していたものだったしー。 で、レイザーくんのソロは、誠実な人柄なりに、後半はそれなりに盛り上がったりしているし、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 インパクトという点では今ひとつなんですが、まずはまあ、無難な立ち上がりと言えるのではなかろうかと。

 ということで、次。  「ロング・ゴーン」 はトンプソンの作品です。 クレジットにも “Thompson” としか書いてないので、どこのトンプソンなのかはよく分からんのですが、スローなテンポの、ディープで泥臭いナンバーでありますな。 個人的にはあまり得意ではなくて、どちらかというと苦手。 そういったタイプなんですが、コテコテ感が半端ないので、コテを糧に生きている人なら、たぶん大丈夫なのではなかろうかと。左官屋とか。本職だけあって、コテ使いが半端ではなかったりしますからね。 それ以外の職業の人にはあまりお薦め出来ないんですが、とまあそんなことで、次。  「バグス・グルーズ」 。 お馴染みの曲が出てくると、何だかホッとしますな。 そういう体質を保守的と言うんでしょうが、野球は捕手が要だし、成績が悪いと補習は必修だし、報酬は多いほど嬉しいし、この原稿は報酬が出ないからヤル気も出ないしー。 で、あまりにもお馴染み過ぎる曲だけに、どう料理するかによって勝ち負けが決まるんですが、ここでのレイザーくんはアレです。レイザーラモンHG風。 いや、微妙に懐かしい名前ですな。 ハードゲイはかなりハードな芸風だけに、見ているほうとしてはかなりツライものがあったんですが、テナーとオルガンのユニゾンで演奏されるテーマは穏やかでソフトな仕上がり。 となると、最初にレイザーラモンHG風と書いたのとは辻褄が合わないんですが、そういう細かいことはあまり気にしてはいけません。報酬を貰えない原稿なんて、適当で当然だしー。 で、演奏のほうはアレです。 テーマの後、テナー、ギター、オルガンの順で、参加者各位のちょっと短めのソロが披露されるんですが、どれも微妙にモーダルな雰囲気が感じられたりして、悪くないです。 基本、泥臭いタイプの楽曲なんですが、わりとお洒落に料理されていて、何より。 オルガン・ソロの途中で 「サマータイム」 が引用されたりするところも、ま、ご愛敬かと。

 で、次。 レイザーのオリジナルで、 「ファズ・バズ」 。 基本、シンプルなリフ系のブルースで、特筆すべき点はありません。 この人、作曲の才能は、まあまあ。 そんな感じですな。 で、演奏のほうはテーマの後、テナーのソロがあって、以下、ギター、オルガンと、矢継ぎ早に主役が交代します。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 そんな感じのちょっとした小品なのかと思ったら、最後のレイザーは無駄なくらいフィーチャーされまくっていて、結果的には7分を超えるちょっとした中品になっちゃっておりました。何とも言えない寛いだ雰囲気の弾きっぷりなので、不快だとか、苦痛だとか、そういうことはぜんぜん無いんですけどー。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 で、続く 「ジャスト・メイク・ラヴ・トゥ・ミー」 はアレです。 お洒落な歌物を彷彿させるタイトルとは裏腹な、2曲目と良く似た感じのディープ・チューンでありました。個人的にはあまり得意ではなくて、どちらかというと苦手。 そういったタイプなので、あまり多くを語る気にはなれません。ヤル気がない僕としては、こういうのが出てきてくれて何よりだと思うんですが、ということで、次。  「S&S」 はレイザーくんのオリジナル。 この人、作曲のセンスがまあまあであるのと同時に、タイトルを付けるセンスが結構いい加減ですな。めんどくさがりなのかも知れませんな。 で、 「SとS」 が何の略なのかはよく分からんのですが、普通に考えれば 「サド&スナメリ」 ? 普通、そんな考えは浮かんでこないような気もするんですが、 「すのこ&皿うどん」 という可能性も捨てきれません。 で、曲の出来にはまったく何の期待もしていなかったんですが、始まってみたら意外とお洒落な歌モノ風の仕上がりだったので、ちょっと焦りました。 微妙にボサノヴァっぽい雰囲気もあって、ギャルの受けもよさそうです。 テナーのブリスカーの吹きっぷりはブリが好かん僕でもぜんぜん大丈夫だし、ギター、オルガンと続くソロも完璧な出来であると評価していいのではなかろうかと。 ブリスカー君はテーマ部だけでソロの出番は無いんですが、その出しゃばらない態度も評価していいと思います。 何だか、思わぬ伏兵に出くわした感じで、僕のレイザーに対する好感度も、ぐーんと上昇したんですが、ということで、次。

  「プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラブ」 は、メイフィールドという人の作品。 歌物っぽいタイトルだけに期待に胸が膨らむんですが、いざ始まってみれば、2曲目や5曲目とよく似た感じのディープなブルースでありました。 レイザーに対する好感度、やや下降。 でも、大丈夫。 アルバムの最後を飾るのはレイザーのオリジナルの 「スクーティン」 という曲なんですが、コイツがすべてを救ってくれます。 「スクーティン」が世界を救うって、いいっ!ん〜♪ そんな感じなんですが、ミディアム・ファストのカッコいい作品に仕上がっております。 僕が 『ジョシブゥ』 の “You tube” を禁じたのは、最初にコレを聴いちゃうと他の曲がダサく思えてしまうからなんですが、何度もキレかかるのだが、しかし壊れそうで壊れない。 そう、上條クンが評しているサム・レイザーの弾きっぷりがイケてます。 エンディングもばっちり決まっているし、最後にコイツを持って来たのは大正解。 とまあそんなことで、今日はおしまい。

【総合評価】

 いいのが半分、そうでないのが半分。 ま、確率としては2分の1なんですが、 「S&S」 と 「Scootin’」 のトリプル “S” 。 これだけで十分に “Special” な、そんな “Sam” くんの1枚なのでありました。 聴き終えた後、また最初から聴き直したくなって、プレイバック、プレイバック♪


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