- 【アルバム名】
- ROUGH 'N' TUMBLE (BLUE NOTE)
- 【リーダー名】
- STANLEY TURRENTINE (1966/7/1)
- 【パーソネル】
- BLUE MITCHELL (tp) JAMES SPAULDING (as) STANLEY TURRENTINE (ts)
- PEPPER ADAMS (bs) GRANT GREEN (g) McCOY TYNER (p) BOB CRANSHAW (b)
- MICKEY ROKER (ds)
- 【収 録 曲】
- AND SATISFY / WHAT COULD I DO WITHOUT YOU / FEELING GOOD / SHAKE /
- WALK ON BY / BAPTISMAL
- 【内 容】
- つい先日、こんなメールが届きました。
-
- > ちいちゃんだよ〜。暑いね〜〜。
-
- ちいちゃん?メールをくれそうな人で、そういう名前の人はまるで心当たりがない
んですが、「暑いね〜〜。」と、言っていること自体は間違ってはおりません。確かに
暑いです。しかし、近所に住んでいる阿津イネさん(83歳)とかに「暑いね〜〜。」
と言われるのならまだワカランでもないんですが、この妙に馴れ馴れしい“ちいちゃん
”って、いったい誰?私の頭の中には素早く3つのパターンが浮かんだんですが、すな
わち
-
- (1)塩通を見て感激しちゃった女子高生
- (2)間違いメール
- (3)ちいたけお
-
- パターン(1)の場合、初対面にしてはちょっと気安すぎるんじゃないか?という
気がしないでもないんですが、ネットで毎日その知的なフィーリングに触れてイカれち
ゃってるうちに、一方的に「友達ぢゃん。」という感情を抱くようになり、思わずタメ
グチを叩いちゃうということは女子高生にはありがちなことですよね。僕はそういうカ
ノジョ達の扱いには慣れてるから、いきなり「ちいちゃんだよ〜。」なんて言われても
、軽く「さばりんだよ〜。」なんてレスポンスすることが出来るわけですが、単なるパ
ターン(2)の間違いメールだったりしたら、「さばりんだよ〜。」なんて書いて、い
そいそとメール返信したりすれば、まるっきりアホですよね。ここは“ちいちゃん”の
正体を注意深く詮索しなければならないところでありますが、実は“ちいちゃん”のだ
いたいの名前というのはすでに判明しております。メルアドの@マーク以前の部分が“c
hie”なので、恐らく“ちえ”“ちえこ”“ちえみ”“ちえほふ”といった名前ではな
いかと思われますが、チエホフなんていかにも“桜の園”っぽくってイイではないです
かぁ。で、もし“ちえ”だとしたら知恵、知江、知絵、千恵、千江、千絵、智恵、智江
、智絵、血餌・・・などいろんなパターンが考えられますが、自分で「ちいちゃんだよ
〜。」とか言ってるあたりは“かわいいけど、あまり知恵があるとは思えないタイプ”
を彷彿させますね。恐らく“智絵”あたりで正解でしょう。
-
- 続いてメールの中身のほうでありますが、とりあえず「暑いね〜〜。」ですね。
「暑いですね。」でも、「暑いねー。」でも、「暑いねっ。」でも、「暑いのぉ♪」で
も、「暑いね→」でもなく、「暑いね〜〜。」
- 最初にこのメールを見たときは女子高生かな?と思ったんですが、こういった語り
口はティーンというよりむしろ、30前後の人妻を彷彿させますね。名古屋で捕まった
“ネット LOVE FOR SALE 主婦・のりかちゃん”あたりがこういう文体ではなかったか
という気がしますが、いや根拠はぜんぜんないんですけどね。で、メールの内容はこれ
だけかというともちろんそうではなく、だったら早く続きを書けよ!という感じなんで
すが、色々と想像をたくましくしながら読み進んだ先には、こんなことが書いてありま
した。
-
- > すごーいHなサイト、みつけちゃった。
- > 超刺激的だよ。
- >
- > http://xxx.xxx.xxx.xx/pwdti/
-
- > 暇なとき、見てね。
- > じゃ、またね!
- >
- > ちい
-
- 生憎、このところちょっと忙しいのでまだ拝見しておりませんが、「すごーいHな
サイト、みつけちゃった。」じゃねーだろ!オメーが自分で開設して、ちいちゃんの名
前を騙ってメールを送り付けてきただけやろ!という気がしないでもありません。で、
正式なURLは、な・い・しょ♪僕とちいちゃんだけの秘密です。とかいいつつ、塩サ
バ1〜10号のところにくまなく届いてたりするかも知れません。
-
- で、私はいま、岐阜県穂積町の“ホテル・キャッスルプラザ”というところにい
るんですけどね。とってもナイスなネーミングといい、何となく怪しげな外観といい、
一昔前は“らぶらぶ♪”やったんちゃうか?という気配が濃厚なんですが、別段部屋の
ベッドが回転したり、天井からミラーボールがぶら下がったりというような設備はござ
いません。
- 全体的に設備が古臭くて、お世辞にも綺麗とは言えませんが、フロントのおっさん
は丁寧でした。「広い部屋を用意しといたでね〜。暑いから、入ったらすぐに入れてね
〜。ほんとに暑いね〜〜。」と、とっても愛想がいいのであります。「すぐに入れてね
〜。」のところではスイッチをひねるようなジェスチャーがあったので、恐らくエアコ
ンのスイッチを入れてね〜。ということなんでしょう。で、部屋に入ってみるとホント
に広いツインルームの1人使用だったんですが、もうひとつ目についたのがビデオデッ
キでありまして。もしかして“上田グラ子ちゃん方式”の、すけべビデオ録画し放題か
?と思ったらそうではなく、備え付けのすけべビデオをこのデッキで再生して見てね♪
という方式らしいんですけどね。で、ビデオ視聴料金は10分100円、普通のテレビ
も2時間100円で、これはちょっとなぁ。。。と思っていると、コイン投入器の上に
100円が2枚置いてありました。先客が忘れたのか?と思ったら、こんなメモ書きが
ありました。
-
- 「テレビに御使用下さい」
-
- なんという心配り!わたくし、思わず感激してしまったんですが、肝心の備え付け
のすけべビデオが、ケースだけで中身がないっ!せっかく楽しみにしていた『X線特撮
〜 スケるんです』をどうしてくれる!?と文句のひとつも言いたいところであります
が、あ、そろそろ時間になりましたので晩御飯を食べて、それから夜のお仕事に励みた
いと思います。
-
- @ ということで、かなり前に書いた前半部分でありましたが、後半はスタンリ
ー・タレンタインでございます。このところテナーが続きますが、“吉祥寺オフのとき
、東京で仕入れてきたCDシリーズ”の一環でございます。この『ラフン・タンブル』
(←日本名「でこぼこでコケる」?)というアルバムは、悪くないジャケとサイドマン
に釣られて購入したわけなんですが、先に書いたジャケ・イラストのほうは完璧に失敗
に終わりました。本来なら“スタ・タレがテナーを吹いているところ”に見えなければ
いけないのに、君はこれが何に見えるかなぁ?えーっと、僕には蝶々が飛んでるように
見えるぅ。あたい、“かめのあたま”と茄子に見えるのぉ♪って、見る人によってぜん
ぜん解釈が違って、ロールシャッハ・テストやってんじゃない!というような出来栄え
になってしまって、甚だ遺憾でございます。ま、描き直すのも面倒だからそのままにし
ておきますが、サイドマンのほうはB・ミッチェル、J・スポルディング、スタ・タレ
、P・アダムスの4管にG・グリーンのギターが入り、リズム隊はマッコイ、B・クラ
ンショウ、M・ローカーという、総勢、えーと・・・1、2、3・・・9名という大編
成でございます。後期BNでわりとよく見かける“ビッグ・コンボ作品”で、ちなみに
アレンジはD・ピアソンの担当ですね。と、人名をいっぱい書いて行数を稼いでおいて
、では1曲目から聴いてみましょう。
-
- 「アンド・サティスファイ」はロネル・ブライトという人の作品です。「そして
、満足。」とでも訳すんでしょうか?世の中、ナニをするにせよこういう評価を得られ
たいものでございますが、なかなか思いどおりにならないのも、それもまた人生。ちな
みに原文ライナーよればこの曲を作ったロネル・ブライトという人は、難しい単語がい
っぱい並んでいるのであまりよくわかりませんでした。ただ、シンガーのナンシー・ウ
ィルソンが以前レコーディングしたことのあるナンバーである、という部分は理解出来
たんですけどね。で、聴いてみたところ、かなりR&B的なムードが濃厚なナンバーで
ありまして、ギターとホーンの掛け合いによるイントロに続いて、スタ・タレがかなり
臭みのあるスタイルでテーマを吹いております。この“臭み”を甘受できるかどうかが
スタ・タレを好きになれるかどうかの分岐点になるわけですが、個人的には“この手の
ナンバーを吹かせれば天下一品”だと思っております。つぶれちゃいましたけどね、桑
名にあったラーメン・チェーン店の「天下一品」。つぶれたあとは「昔ながらの中華そ
ば・ます吉」というのになりましたが、今のところはまずまず繁盛しているようです。
で、ホーンのアレンジなんですが、R&B的ムードをうまく活かした達郎。といった感
じで、ピアソンの豊かな才能が感じられますね。
- スタ・タレのアドリブに入るとホーン陣はお休みとなって、バックではグラント栗
委員ちゃんの活躍が目立ちます。その後、ブルー・ミッチェルとグラント・グリーンの
“青緑コンビ”のソロも聴けますね。ミッチェルみちみち、うんこ垂れて〜♪のソロも
悪くありませんが、この手のナンバーではやはり栗委員ちゃんのソロが出色ですね。と
いうことで、2曲目。「ホワット・クッド・アイ・ドゥ・ウィズアウト・ユー」は霊茶
留守の曲でありまして、そのアーシーさ加減というか、“くどさ”というのは1曲目の
比ではありません。なんか息が詰まりそうな気がしちゃいますが、これぞスタ・タレの
世界でもあるんですよね。押さえ気味なホーン・セクションのアレンジは見事でござい
ます。
-
- 3曲目の「フィーリング・グッド」もR&Bっぽいナンバーなんですが、ベタな
メロディがタレンタインにはよくお似合いです。ピアソンのアレンジが相変わらず秀逸
で、マッコイのピアノが隠し鯵的にいい味を出しております。くどいけど、何故だか哀
愁。。。といった感じのタレンタイン、顔は恐いけど、綺麗なタッチのマッコイ共々、
どちらのソロも立派な出来であります。このアルバムではいちばん一般受けするナンバ
ーではないでしょうかね?メロディが思いっきりツーゾク的ですしね。で、4曲目の「
シェイク」も楽しいナンバーですな。“人生の悩みとかまったくなさそうなスタ・タレ
そのもの”といった感じのソロが嬉しいです。グリーンのソロも聴けます、鮭鱒、虹鱒
、鰻鱒。だんだん解説が適当になってきたところで、はい、5曲目。「ウォーク・オン
・バイ」はハル・デヴィッドという人とバート・バカラックの共作らしいです。いかに
もバカラックらしい“ベタに泣けるナンバー”ですね。タレンタインも“泣きのテナー
”そのものでございます。一般受けするという点では3曲目よりもこっちのほうが上で
すね。前言撤回。原文ライナーに“Lazy”という言葉が見えますが、まさにレイジーな
ムードでありまして、ゆったりとしたラテン調のリズムもいいですね。で、タレンタイ
ンはインティメイトでワーム、ミッチェルのトランペットはブルーでミスティとか書い
てありますが、なるほど、いい味を出してますよね、ミッチェル。ちなみに“Intimate
”というのは、調べてみたら“親密な”というような意味でありました。ふーん。
-
- はい、ラストです。ジョン・ハインズ作の「バプティスマル」は“洗礼の”とい
うような意味ですね。“陰洗の”じゃなくって。そういえば“バブテスマのヨハネ”と
かいますもんね。そんなの知ってるの、ミッション系の高校を卒業した人だけですかね
?とにかくまあ、テナーとホーン・セクションのコール&レスポンスが、いわゆるひと
つのゴスペル・ライクなライク・ア・スペルマというか、いや、なかなかいいムードを
醸し出してますよね。で、このアルバムで唯一ペッパー・アダムスのソロが聴けるナン
バーであります。以上、ビッグ・コンボ作なれど主役はあくまでもタレンタイン。ホー
ン・アンサンブルとアドリブ・パートとの対比も絶妙で、“後期スタ・タレの隠れた佳
作”といったところではないでしょうか。とまあ、本日は以上。
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