【アルバム名】
SEE WHAT I MEAN? (RIVERSIDE)
【リーダー名】
DICK MORGAN (1960/10/31)
【パーソネル】
DICK MORGAN (p) KETER BETTS (b) BERTELL KNOX (ds)
【収 録 曲】
ROCKS IN MY BED / LOVE FOR SALE / I'VE GROWN ACCUSTOMED TO YOUR FACE /
WHEN LIGHTS ARE LOW / SEE WHAT I MEAN? / LIL' DARLING / HOME / MEDITATION
【内   容】
 6月ですなぁ。「夏休みを除けば、休みがないのは6月だけだっていうのは世間 の常識だよぉ。」と磯野カツオも言っておりましたが、“子供の日”から“海の日”ま で、1ヶ月半くらい祝日がないんですよね。長期休暇となると盆休みまで待たねばなり ません。待ち遠しいですなぁ、お盆休み。ということで、本日のテーマは「日本人と盂 蘭盆」。
 
 “盂蘭盆”というのは恐らくサンスクリット語の音訳でしょう。“アーヌックタ ーラサンミャークサンボーディ”とかいうのが“阿耨多羅三藐三菩提”になるのと同じ です。要は、テキトーな訳語が見つからなかったから読み方をそれっぽい漢字に当ては めてみて、ごまかしてみたのぉ♪という、ジャズ俳句にも通ずる発想から生まれた苦肉 の策なんですが、“それっぽい漢字”というのがポイントですな。最後のところの“菩 提”なんか、いかにもそれっぽいではありませんか。これがもし同じ“あのくたらさん みゃくさんぼだい”でも“亜野食鱈山脈惨棒代”という漢字だったら、「山の上の野原 で棒鱈(ぼうだら)を食べたら、代金がどえれえ高くって、悲惨だっただらぁ。。。」 という三河人的なイメージしか涌いてこず、ちっとも有り難みがありません。訳者であ る三蔵法師・玄弉の高い翻訳センスが感じられるところでありますが、これはいわゆる “族用語”にも同じことがいえますよね。たとえば“ヨロシク”ひとつをとってみても “夜露死苦”という漢字だからこそ、「ああ、夜露に濡れながら今日も暴走してるんだ なぁ。死ぬのは苦しいけど、みんな頑張っているんだなぁ。」という感慨を抱くことが できるわけですが、これがもし“養老脂食”だったら、「年寄りがアブラっこいものを 食べてはいけないなぁ。痛風のもとだなぁ。」というイメージしか涌いてこないわけで す。漢字って無限の可能性を秘めたコトバなんですねぇ。
 
 で、サンスクリット語の音訳の話。サンスクリット語の音訳って言ったって、日 常生活にはあんまり関係ないしぃ。。。なんて思っていたら大間違い。たとえば日常で もよく用いる「阿鼻叫喚」なんてコトバも梵語(サンスクリット語のこと)の音訳なの であります。“叫喚”のほうじゃなく“阿鼻”のほうなんですけどね。これは梵語の“ アヴィシラウラバ”とかいうのが元になっております。“アヴィシラウラバ”というの はワケわかんなくって言いにくいから最初の“アヴィ”だけとって“阿鼻”という漢字 を当てはめてみたわけですね。“鼻”という字を持ってきたところが鼻血ブー的に優れ ておりますな。コーフンして大きな声で泣き叫んだりすると、思わず鼻血が出ちゃうこ とってあるもんね?そういった日常よく経験する事項をうまく詠み込んでいて秀逸だと 思いますが、では“盂蘭盆”の元になったコトバはいったい何なのでしょう?私はこの 問題に明快な回答を得るべく“うらぼん”をキーワードにあれこれ検索していたんです が、その結果、とある外国系のサイトにたどりつくことが出来ました。
 
 そのサイトのトップページはすべて英語で書かれておりました。外国人による日 本の仏教に関する学術的なサイトなんでしょうか、左下のほうには明らかに日本人と思 われる女性の写真が掲載されておりました。その女性の姿というのが悟りの世界には程 遠いというか、逆に涅槃の境地に到達した結果、こうなっちゃったというのか、何とい うか実にオープンであけっぴろげでありまして、ワタクシは大いに興味を持ったわけで ございます。幸いトップページには何ヶ国かの国旗が掲揚されていて、その中に“日の 丸”も含まれていたので、日本語ページも用意されているようであります。ワタクシは 何か生きていく上での人生の指針にでもなればと、ホトケにもすがる思いで“日の丸” をクリックしたんですけどね、その結果、とっても素晴らしい日本語ページが出てまい りましたぜ、皆様。
おそらくこのサイトのスタッフには日本語を理解できる者が皆無で、英語で書いた 文章をそのまま翻訳ソフトにかけて載せちゃっているんだと思いますが、三蔵法師・玄 弉も真っ青!といった、まことに見事な名訳が展開されておりますので、とくとご覧く ださいませ。
 
−−−−−−−−−−−−−−−
 
“URABON 1”へようこそ。
 
ネットの最も大きい絶対的な日本の場所!どうぞ、我々の不完全な日本人を許して ください。この試写会サイトが主として英語にあるが、メンバーエリアは、テキストを ほとんど持っていず、そして、だれでも、それを理解し得る。あなたが偽りなく大きい 日本の絵を必要とするならば、今我々に加わりなさい。“Urabon One”を結 合することは、Twoの個別のプレミアム場所を結合することのようである!更に多く を新鮮な状態にして、我々は、それ全てを持っており、そして、だれでもより若い日本 人の少女を上訴することは、扱え得る!
 
(中略)
 
・はい、我々は、小さい料金を請求する、しかし、それは、あなたが中で得るもの 、及び、あなたが貯蓄するであろう無数の時間の小さい価格である(果てしなく自由な 絵を捜すに違いないままでいない)。そして、それは、我々の献身的なプレミアムサー バの上の我々の帯域幅、大部分のプレミアム内容をあなたにもたらすためにあなたのた めの捜すこと、及び、我々の内容料金をする我々のスタッフの支払いをする。更に、そ れは、あなたが別のものが再びポップアップ窓、または、無数の旗を困らせているのを 少しもかつて見ないであろうことを意味するであろう!
 
−−−−−−−−−−−−−−−
 
うん、“日本の絵”を必要としながら、いつも“ポップアップ窓”や“無数の旗” に困らされている人にとって「“小さい料金を請求”はやむを得ないな。。。」と納得 させるに充分な見事なキャッチコピーでありますね。“若い日本人の少女を上訴”とい うのはちょっと穏やかではありませんけどね。で、このサイトの特徴はというと、
 
−−−−−−−−−−−−−−−
 
* 絶対的内容全て、ビデオを流す
* Urabonシリーズにおける全ての絵
* 全ての呪物、あなたは、想像し得る!?
* 1200呪物の絶対的な映画流れ!
* Asianビデオとのライブの雑談!
* Adultゲーム/雑談/それらの話更に多く..?
* 生きたビデオ流れ!
 
−−−−−−−−−−−−−−−
 
呪物の絶対的な映画流れ!Asianビデオとのライブの雑談!生きたビデオ流れ !あなたは、想像し得る?私には想像できん!
 
 ということで、この話は明日に続く!
 
 @ 今日、紹介するところの写真整理帳、ディック・モーガン演奏するところの 川沿い盤『見る、何?私の意味するところ』。ディック・モーガン、あまり知られてい ない、日本人的ジャズ愛好家。大砲アダレイ発見するところのこのピアノ演奏家、川沿 いラベルに発表するところ3枚の主導的写真整理帳。1番目写真整理帳、生演奏実況的 録音。2番目に相当するところの本作品は放送室的録音。私達は聴取する1番目的演奏 。
 
 1番的な演奏の標題「私の寝台で、揺れる揺れる」。何をしている、汝、及び彼 氏!?あなたは思う、最初的音感の聴取時、固まり的和音が、極めて類似するところの 赤色ガーランドって、えーい、面倒くさい!つまりさぁ、1曲目が始まった瞬間、あ、 ブロック・コードの使い方がおもいっきりレッド・ガーランドぢゃん!と思ってしまっ たということですが、そうです。このディック・モーガンというピアニストは、スタイ ルとしてはかなりガーランドに近い感じぃ?「私の寝台で、揺れる揺れる」というのは エリントン作のブルースなんですが、ゆったりとした楽曲速度がとっても気怠い。って 、ジャズのライナーノートって無理やり日本語に訳したら絶対に意味不明になるでしょ うね。ゆったりしたテンポがとってもレイジーです。 ということなんですけど。「う まくニュアンスが伝わらない言葉は無理に訳さない」という“音訳の発想”は、実はと っても大切だったんですね。  で、ブロック・コードで始まった演奏はアドリブに入ると 次第にシングル・トーンが中心になり、特に1分58秒あたりから始まる4小節くらい の綺麗なフレーズが個人的には超お気に入り♪そこから短い反復フレーズで盛り上げて (←ブルースの常道)、その後の展開はブルージーですな。最後のほうはホレス・パー ラン的なフレージングも聴かれるような気がしないでもありません。はい2曲目、「ラ ブ・フォー・セイル」。前回にレビューしたジュニア・マンスも、前々回にレビューし たビリー・テイラーもこの曲を演っていて、もう“LOVEの大安売り!”って感じで すな、そこの女子高生。いけません。日本の少女はとっても貞操である。という幻想を 抱いている外国の皆様に多大なる幻滅を与えることでしょう。で、ディック・モーガン は定番の“ラテンのノリ”で料理しております。テーマ部の処理はゆっくりめのテンポ ですが、アドリブに入るとミディアムからミディアム・ファストくらいになります。ソ ロの部分で4ビートになるのも定番ですね。で、D・モーガンはシングル・トーンに時 折ブロック・コードを交えてアドリブを・・・と書いてるうちにもう1度テーマが出て 、その後ふたたびソロになりました。ゴンゴンゴン♪と低音部を活かしたりして、なか なかいかしたプレイを展開しております。7分30秒を越える長い演奏ですが、飽きさ せないように手を変え品を変え体位を変え、マメでなにより。。。かなりのテクニシャ ンでもありますね。
 
 3曲目の「あなたの顔に慣れてきた」は、おなじみ『マイ・フェア・レディ』か らのナンバー。よく「美人は3日で飽きる、不細工は3日で慣れる」なんてことを申し ますが、慣れてきてなにより。。。前曲から一転して、しみじみとしたバラードとなっ ております。適度な甘さがあって、大量に聴きすぎると“おなかがゆるくなる”ことが あるかな?という気はしますが、はっきりと「下痢する」って書かないところが奥ゆか しいですね、シュガーレス甘味料。ソロの中盤以降はブロック・コードで大いに盛り上 がります。はい、4曲目。ベニー・カーターの「ホエン・ライツ・アー・ロウ」。マイ ルスのアルバムでは「灯ほのかに」なんて邦題になってましたね。著作権か何かの関係 で、この曲の入ったアルバムは日本ではCD化できないという話を聞いたことがあるよ うな気がするんですが、もうよくなったんですかね?詳しいことはよく知らんのですが 。で、ディック・モーガンはまず無伴奏ソロでキュートにテーマを弾いて、続いてベー スとドラムスが入って高くしたキーでテーマが弾かれて、またキーが下がって無伴奏ソ ロでテーマを演奏し、もう一度キーを上げて伴奏付きでテーマを演奏し、ここでようや くアドリブに入ります。洒落たアレンジだとは思いますが、説明するのが面倒だから出 来るだけこういうことはやめてほしいです。演奏自体はスインギーで軽快ですけどね。 最後のほうもいろいろと味付けを変えて、しつこくテーマを演奏しております。いきな り「モーニン」が出てくるあたり、とってもオチャメ♪
 
 5曲目のタイトル曲はディック・モーガンのオリジナル。「わたしのやっている ことが判りますか?」と、原文ライナーの翻訳を担当した小川隆夫クンは書いておりま すが、「僕のやってること、わかるぅ?」くらいのほうがニュアンスが伝わると思いま すけどねぇ、隆夫クン。クンカ、クンカ、クンカ、ッカ♪というシンプルなリズムのイ ントロに続き、これまたシンプルなテーマが演奏されます。最初はソフトに、続いては 力強く、2回ほどテーマを反復してからアドリブに突入しますが、ここでのディック・ モーガンのソロは必聴モンだぜ、水戸黄門。ガーランド的な甘さが消え、「ちょっぴり 男らしくなったね、モーちゃん♪」といった感じのドライブ感覚に溢れたフレーズが連 発され、極めて良好、佐野量子。好きな体位は騎乗位?だってダーリンは武豊なんだモ ン♪ということで、6曲目「リル・ダーリン」。レイジーなムードがとってもクレイジ ーキャッツ。
 
 はい、7曲目ですね。「ホーム」は古き良き時代風、byオリン・キープニュー スという曲です。確かに古き良き時代風です。はい、ラスト。「メディテーション」は D・モーガンのオリジナル。タイトルどおり名僧的なバラードです。井戸だって温泉だ って掘っちゃうもんね!橋だって掛けちゃうもんね!って、違います。タイトルどおり 瞑想的なバラードです。全体的に能天気ムードの漂うディック・モーガンなんですが、 こんなメディテイショナルな一面も持ち合わせていたんですな。もったいつけたような ベタなイントロがとっても良好、佐久間良子。あ、一瞬「ネイチャー・ボーイ」の引用 があったような。アドリブの前半はシングル・トーン、後半になってブロック・コード というパターンでありますが、ガーランド的な甘さはそれほど感じられません。こう見 えて案外、根はけっこう硬派?ということで、この人、それほど有名ではないと思うん ですが、演奏のほうは結構イケておりました。アルバム全体のバランスもいいですね。 ただ、ちょっと顔が濃いのがネック?ということで、満喫せよ、このグルーヴ流れ!あ 、いまふと気がついたんですが、“Urabon One”の「我々の不完全な日本人 を許してください。」というの、「我々の不完全な日本語を許してください。」の間違 いではないですかね?お詫びの言葉も不完全で、人に真意が伝わらないこと甚だし。げ に言葉というのは大切ですな。ということで、んじゃ、また明日!


| Previous | | Up | Next |