- 【アルバム名】
- ZODIAC (STRATA-EAST)
- 【リーダー名】
- CECIL PAYNE (1968/12/16)
- 【パーソネル】
- KENNY DORHAM (tp) CECIL PAYNE (bs,as) WYNTON KELLY (p) WILBUR WARE (b)
- ALBERT HEATH (ds)
- 【収 録 曲】
- MARTIN LUTHER KING,JR. ~ I KNOW LOVE / GIRL,YOU GOT A HOME /
- SLIDE HAMPTON / FOLLOW ME / FLYING FISH
- 【内 容】
- 第3話『相模線の怪』
-  
- あ、第1話は「指定券も買える自販機」の話、第2話は「グリーン車に乗って」
という話です。さて、某M菱重工業での研修のため相模原に向かった私ですが、あ、ち
なみにM菱重工業相模原製作所のことを略称では「重工相製」と言います。「重工と言
えばM菱重工のことなんや!」とM菱重工業の人はみんな思っていて、実に見あげた根
性だと思います。例えばウチの会社は塩サバ物産(仮名)という名前なんですが、「物
産と言えば塩サバ物産のことなんや!」などとは口が裂けても言えません。たとえフル
ネームで名乗ったとしても「はあ?」とか言われるだけだしぃ。ちなみにM菱重工業の
ライバル、K崎重工業は「川重(かわじゅう)」、I川島播磨重工業は「石播(いしは
り)」ですな。「川重」のほうはなんだか「うな重」みたいだし、「石播」のほうはな
んだか「傘張り浪人」みたいだし、「重工」の重厚な響きにはとてもかなわんわけです
。なお、M菱重工業には「MHI」という略称もあります。M菱“heavy industry”の
略です。
-  
- さて、相模原。研修の時の宿舎になっている相撲クラブによく似た「相模クラブ
」というところへ行くには、上溝という駅に行かなければなりません。新横浜から横浜
線で橋本というところまで行き、そこで相模線に乗り換えるわけです。最初の横浜線で
は、特に問題はございませんでした。けっこう混んでいて、しばらくは立ちっぱなしだ
ったんですが、それはそれで元気がよくてイイことです。立ちっぱなしで文句を言った
りしたら汚夢老師に叱られます。で、扉のところに立っていたんですが、一番近い席に
は小さな子供を2人連れた人妻が座っておりました。旦那は立っておりました。なによ
りです。この分では3人目も大丈夫だねっ♪と思っていると、やがてどっかの駅でこの
ファミリーが下車していったので、私は座席にありつくことが出来ました。その隣に座
っていたオバサンがなんだかシューマイ臭くって、さすがはヨコハマだなぁ。と、しみ
じみ旅情に浸ることが出来ました。という出来事以外にこれといったこともなく、平和
な初秋の日曜日でございました。あ、そういえば途中の駅でルーズソックスをはいた中
学生くらいの女の子(私服)が乗ってまいりまして、電車が走りだすやいなやドアのと
ころにしゃがみ込むもんだから、パンツが見えるんじゃないかと思ってドキドキしまし
たがなぁ。結局、短パンのようなものをはいていたのでパンツは見えなかったんですけ
どね。今度はスカートを着用して同じことをしてくださることを切望致します。
-  
- さて、相模線に乗り換える橋本駅でのこと。プラットホームの階段を降りていく
と、ちょうど電車が停まっているところでした。手近なドアから乗り込もうとしてふと
横を見ると、隣のドアが閉まっているではありませんか。そしてそっちのドアのほうに
、1人の若いねえちゃんが歩いていくのでございます。そのねえちゃんはドアが閉まっ
ていることに気がついて、「いや〜ん、どあが閉まってるのぉ!」と絶望的な声をあげ
ます。そこですばやく私は、「お嬢さん、こちらのドアが開いてまっせ!」と声をかけ
、「あ〜ん、ありがとうなのぉ♪」ということになって、それがきっかけで2人は仲良
くなるわけだねっ♪と頭の中でシナリオを描いていたんですが、そのお姉さんは何事も
なかったかのように閉まったドアに近付くと、なにやらボタンを押してドアを開けると
、すっと電車の中に乗り込んだのでありました。え?今の何ぃ?不可解なまま、私も最
初から開いていたドアから乗り込んだんですが、よく見るとドアの内側にも「開閉ボタ
ン」がついております。世にも珍しい「自分でドアを開け閉めしないとダメじゃないの
ぉ!」という電車だったんですねー。それを知って、私は急激に不安に陥りました。
- そのドアのところにいるのは私一人だけで、いうなればこのドアは私が全責任を持
って開け閉めしなけばならないようなのです。やっぱり、電車の発車間際に「閉」のボ
タンを押してこのドアを閉めなければならないのでしょうか。でないと、私のところだ
けドアが開きっ放しのまま電車が走りだしてしまい、反対側のドアのところに立ってい
る女子中学生(体操服着用)に「ナニやってんのよぉ、このタワケっ!」などと蔑まれ
ることになってしまうのでしょうか。もしそうなったら開いているドアから飛び降りて
、死んでオワビをしよう・・・。と思っているうちに発車のベルがなり、ドアは自動で
閉まって電車はゆっくりと動きはじめました。なーんや、心配することなかったんです
なぁ。
-  
- さて、電車が走りだしてみると、今度は新たな問題が浮かび上がってきました。
閉じたドアのところに「降りるときはボタンを押してドアを開けてください」などと書
いてあるのです。閉まるのは自動だけど、開けるのは自分でやらなきゃ駄目なドアだっ
たんですな。私はまた不安に陥りました。私が降りるのは橋本から2つめの駅なんです
が、その駅の降り口が自分と反対側だったらどうしよう?という不安です。こっちのド
アだったら問題はないんです。もしもドアが自動で開かなかったら自分で「開」のボタ
ンを押して開ければいいわけです。ところが反対側のドアの開閉スイッチのところには
、例の体操服を着た女子中学生がいるわけなんです。ドアを開けるためには、その女子
中学生の胸の上あたりに手を伸ばして「開」のボタンを押さなければならないような位
置関係なんです。シャイな僕には、とてもじゃないけどそんなこと出来ないのぉ♪さて
、そんな不安の中、1つめの駅に停車しました。その駅の降り口は私のほうのドアであ
りました。オバサンが一人降りようとしているので、ここはやはり私がボタンを押して
開けてあげるべきなんだろうか?と悩んでいるうちに、そのオバサンは私の顔の前に手
を伸ばしてボタンを押して、ドアを開けて降りていきました。その時のオバサンの視線
には明らかに「非難の光」が宿っていたので、やはり私がボタンを押すのがマナーだっ
たのかも知れません。激しい後悔の中、電車はゆっくりと発車しました。さていよいよ
今度は「運命の駅」です。果たして降車口はこっちのほうか、女子中学生のほうか。お
りしも女子中学生はツレの男子中学生と「濃いカルピス」について、熱心に議論を闘わ
せているところです。その激論の間に割って入って「あのぉ、すいません・・・」など
と言いつつボタンを押す、もしくは押してもらう。そんな勇気は私にはないっ!もし降
り口がアッチのほうだったら次の駅で降りるのは諦めよう。そう心に決めたとき、駅の
ホームが近付いてまいりました。「こっちや!」心の中でガッツポーズをして、電車が
とまったのを見計らうと静かに「開」のボタンを押し、何事もなかったかのようにホー
ムに降り立ったのでありました。
-  
- @ さて昨日(22日)の夜、念のため掲示板で会食希望者を集ってみましたが
、やっぱり参加者は誰もおらず、目先を変えて「えび1号センセのHP」の掲示板で呼
びかけてみたところ約1名の参加希望者をGETできましたので、横浜で飲んでおりま
したぁ。豆腐料理はヤメにしましたぁ。大皿料理は2人だとちょっと量が多いんですよ
ね。居酒屋で串焼きとゲソ唐揚げと長崎皿うどんなどを食してまいりました。で、店を
出て関内駅のほうへ歩いていくと、ガード下でジャズのストリートライブをやっており
ました。偶然にも私と一緒に飲んでいたお友達の知り合いだそうでございまして。「レ
ディ・バード」「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー」「身も心も」「ナウ・ズ・ザ
・タイム」という、極めて鮭師匠ライクな選曲でございました。道路の上には「賽銭箱
」が置かれておりましたが、1000円札が10枚以上と小銭が多数見うけられ、なか
なか儲かっているようでございまして。ま、半分は見せ金かも知れませんが、鮭師匠も
小遣い稼ぎにやってみたらどうでしょうね?で、その日は研修が昼までで終わったので
新宿まで足をのばし、CDを5枚ほど買ってまいりました。本日はその中の1枚を紹介
しましょう。
-  
- セシル・ペインの『ゾディアック』。
- 今日から「その他の楽器編」になるためバリサク関係をあたっていたところ、この
CDが目についたわけでございます。ジャケットにはペインの他にウイントン・ケリー
とケニー・ドーハムの写真ものっております。3人もイラストで描かにゃならんかと思
うと今から気が重いんですが、絶対に似ても似つかぬモノになるでしょうな。で、ジャ
ケットには“Dedicated in memory of”とあって、ケリーとドーハムの生年月日と没年
月日が書いてあるので、死んでしまった2人に捧げられた1枚であると思われます。輸
入盤で、しかもライナーノートもなんもないので、詳しいことはよくわからん。ベース
がウィルバー・ウェア、ドラムスがアルバート・ヒースと、なんだかリバーサイドっぽ
いさばぴょん好みのメンバーなのであります。で、CDの裏を見てみると「作曲はセシ
ル・ペインなのぉ♪」という記載があって1曲目が「マル珍・ルーサー・キング・ジュ
ニア」という曲。そのすぐ下に細い字で「ソロ・バイ・ケニー・ドーハム」と書いてあ
って、その下に「アイ・ノウ・ラブ」と書いてあります。2曲のメドレーなのか何なの
かよくわからん。とりあえず聴いてみましょう。ドーハムの無伴奏ソロで幕を開けるバ
ラードで、すぐにピアノトリオの伴奏がかぶさってきます。なるほどぉ、ドーハムのソ
ロだぁ。と思って感心していると、控え目ながらペインがバリサクでオブリガードをつ
け始めます。ケリーの「タマ転がし」コンピングも聞こえてまいります。アルバム冒頭
から気分が暗くなること間違いなしの「しみじみバラード」でございまして、暗いジャ
ズ好きの僕としては思わず嬉しくなっちゃうのぉ♪テーマを軽くフェイクする感じのペ
インのソロがあって、後テーマになって、おしまい。これでマル珍クンも心置きなく成
仏できることでしょう。
-  
- はい次。「ガール・ユー・ゴット・ア・ホーム」。いきなりスカスカの8ビート
風のリズムで始まり、どこにもクレジットされてないのにオルガンの音が聞こえてまい
ります。タンバリンまで入っておりますなぁ。このへんの事情については、何の資料も
ないのでさっぱりわからんのであります。やがてバリサクとトランペットのユニゾンで
テーマが演奏され、そのバックではピアノの音も聞こえてくるので基本メンバーは変わ
ってないようですね。曲自体はファンキーなムードもあって悪くないっす、カメラのレ
ンズはカール・ツァイス、通信販売は回転座椅子。いや、後半ボケがなかったのでちょ
っと書いてみたんですが、これなら書かないほうがマシでしたねぇ。で、テーマに続い
てセシ・ペンのソロになるんですが、8ビートと4ビートが交錯するアドリブ・パート
は悪くないっすね。続くドーハムとケリーもいいっす。演奏時間10分を越える長尺演
奏で、各人のソロを充分に満喫できるのではないかと思います。オスメスです。いや、
オススメです。いやあ、研修の疲れからか、今日の僕ってセンスが今ひとつですなぁ。
はい3曲目。「スライド・ハンプトン」。なんでここでいきなり人名が出てくるんでし
ょうね。ケリーの「イカにも」といった感じのイカしたイントロで始まり、バピッシュ
なテーマが演奏されます。バリサクとフルートのユニゾンのように聞こえるんですが、
気のせいでしょうか?ケレン味のないセシ・ペンのソロがいいっす。で、続いて短いア
ルトのソロ(←誰?)があって、ドーハム、ケリーと続いていきます。どちらも短いソ
ロではございますが、特にケリーのほうはその特徴がよく笑われていて、あ〜ん、タイ
プミスぅ〜。よく現れていて秀逸です。次。「フォロー・ミー」。これもケリーのピア
ノのイントロで幕を開けます。テーマはまごうことなくセシ・ペンとドーハムのユニゾ
ンですね。ハード・バピッシュなナンバーで、ブリッジの部分がイイ感じですな。その
まま急速調のセシ・ペンのソロになだれこみます。バリサクでも決してもたつくことが
ないのは立派なことです。続くドーハムのソロも立派、韓国料理はクッパ、泳ぎがうま
いのはカッパ、よく歌ってますなぁ、ドーハムのラッパ。ケリーのソロがあって、ベー
スとタイコのソロがあってテーマ前のリフがあって、後テーマがあってエンディング。
充実しておりますなぁ。はいラスト。「フライング・フィッシュ」。
- 鈴の音がしてセシ・ペンらしきオッサンの声が聞こえ、ラテン・タッチのノリノリ
のテーマが演奏されます。もぉ、心ワクワクぅ♪たいへん賑やかでよろしい。大ブロー
イング・セッションの12分18秒をとくとご賞味ください。以上、最後は手抜き。ま
ったく素性の怪しいアルバムなんだけどぉ、内容のほうは期待以上にヨカッタのぉ♪と
いう1枚でした。
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