- 【アルバム名】
- ON THE SUNNY SIDE (PRESTIGE)
- 【リーダー名】
- PAUL QUINICHETTE (1957/5/10)
- 【パーソネル】
- CURTIS FULLER (tb) JOHN JENKINS (as) SONNY RED KYNER (as)
- PAUL QUINICHETTE (ts) MAL WALDRON (p) DOUG WATKINS (b) ED THIGPEN (ds)
- 【収 録 曲】
- BLUE DOTS / CIRCLES / ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET / COOL-LYPSO /
- MY FUNNY VALENTINE
- 【内 容】
- 夏も終わりに近づいてまいりました。皆様は「夏の終わり」をいったい何によっ
て感じていますか?というのが本日のテーマです。日本人なんだもん。季節の変わり目
には敏感でなくっちゃ。いつまでも「仏壇返し」だの「時雨茶臼」だのと言ってる場合
ではないわけです。学生の場合はわりと簡単ですね。「夏の終わり=夏休みの終わり」
と考えている人が多いかと思います。社会人になってもこの感覚というのはなかなか抜
けず、9月1日になると「ああ、夏休みも終わりかぁ。」なんて、しみじみと感慨に耽
ったりします。学生にとっては楽しかった夏休みが終わってしまい、ちょっぴりブルー
な2学期の始業式ということになるわけですが、オトナにとっては実に長らく待ち侘び
ていた日であるのです。街にセーラー服の女子高生が戻ってくるぅ♪ガランとした朝の
通勤電車に揺られながら、おじさん達はこの日が来るのを夢にまで見ていたのです。1
ヶ月にも及ぶ「セーラー服禁断症状」が高じて、ついには女装趣味に走っちゃうおじさ
んまで出没する始末です。夏休みが終わったらケバくなっていた女子生徒がクラスに必
ず1人は出るように、盆休みが終わったらセーラー服着て出勤するおじさんが課に必ず
1人は出てきてしまうわけです。こうしたおじさん達の禁断症状を少しでも和らげよう
として考え出されたのが夏の高校野球ですね。そういった社会的意義でもなければ、誰
がこのクソ暑いのに外で野球なんかするというのか。ということで、本日は夏の高校野
球について考えてみたいと思います。
-  
- 「夏の高校野球の決勝戦」というのも強力に「夏の終わり」を感じさせるもので
すよね。家庭用かき氷器で作ったかき氷に明治屋のシロップ(いちご)をかけて、スプ
ーンで付き崩しながらテレビで見る決勝戦。試合終了を告げるサイレンを聞きながら「
あーあ、終わってもたぁ。」と小さくつぶやき、窓の外ではツクツクボーシの鳴き声。
夏の終わりを強く感じる瞬間なんですが、しかしなんですなぁ。甲子園でいっしょうけ
んめい応援している女子高生というのは、しみじみイイもんですなぁ。自分の学校が勝
って、はじけるような笑顔をみせている女子高生も悪くはないんですが、個人的には自
分の学校が負けちゃって泣いている女子高生のほうによりいっそうソソられる、いや、
惹かれるものがございます。カワイソーに。おじさんが慰めてあげよう。そういう気持
ちになってしまいます。個人的にはチアガールよりも普通のセーラー服姿の女子高生の
ほうが好ましいですな。スカートは短め、足には白のルーズソックス。僕ってば清純派
女子高生が好きなくせに、どういうわけだか紺のハイソより白のルーズのほうが好きな
んですよね。パンツはもちろん白に限ります。髪は、そうですなぁ。ショートカットの
ほうが好きっ♪茶髪はいけません。ストレートの黒髪。これに限ります。趣味はそうで
すね、「私ってば、じゃずが好きだったりするのぉ♪」というコだったりすると話が合
っていいかも知れません。でも「私ってば、コルトレーンのオムが好きなのぉ♪」とい
う女子高生とは、あまりお友達になりたいとは思いませんな。好きなアルトはジョン・
ジェンキンスとソニー・レッドなのぉ♪なんていうコがいいですね。んでもって、お料
理が好きだったりするわけです。「ねぇ、さばぴょーん。今夜は塩サバ焼いてあ・げ・
るぅ♪」なんて甘い声でささやいて、張り切ってキッチンで料理してくれるわけなんで
すが、ちょっぴりドジなところもあってよく焼き魚を焦がしては「あ〜ん、コゲちゃっ
たぁ♪」なんて騒いでいるところが、これまたカワイイのぉ♪あ、もちろんキッチンで
はブルマ&体操服姿にエプロンつけてお願いねっ♪夏休みには一緒に海に行こうねっ。
あ、もちろん水着はスクール水着でねっ♪お盆を過ぎて土用波が押し寄せる海で1つの
浮輪につかまりながらゆく夏を惜しむ君とぼく。その時、不意に君の悲鳴が。
- 「あ〜ん、クラゲに刺されちゃったぁ♪」
- ああ、夏も終わりなんですね。
-  
- @ さ、ポール・クイニシェットです。
-  
- ・「ポール食いねぇ!」「しゅわーっとしてオイシイのぉ♪」
-  
- > 僕は炭酸系。
-  
- こういう、けしからん行為に耽っている高校生は実にけしからんっ!甲子園で純真
に自分のガッコを応援している女子学生を見習いなさいっ!で、このポール食いねえ君
ってば、レスター・ペヤングさんのそっくりさんとして知られております。レスターが
「プレス(大統領)」なのに対し、クイニシェットが「ヴァイス・プレス(副大統領)
」なんてのは、アメリカ人にしてはずいぶん気の効いたニックネームですな。季節の変
わり目とか、虫の声とか、ちらっと見えた白いパンツとか、そういった情緒にはいっさ
い無関心な国民ですからな、アメリカ人ってば。パンツは丸見えイズ・ベリー・グッド
!という人とはあまりお友達にはなりたくないものです。かように無粋なアメリカ人で
はございますが、ジャズ関係に限っていえば、これがなかなかグッドなセンスの持ち主
が多いように思われます。たとえばこの『オン・ザ・サニー・サイド』の「目玉焼き」
のジャケ。ご存じのとおり、卵を2つ使った目玉焼きのことを「サニー・サイド・アッ
プ」というわけですが、それとタイトルの「オン・ザ・サニー・サイド」を懸けている
わけでございまして、これはもぉ、「かきつばた 着つつなれにし 妻しあれば・・・
」という有名な和歌にも匹敵するほどの、憎いぞ、このリード・マイルスっ!といった
ところです。で、このアルバムに参加しているサイドマンに目を転じてみれば、おお!
さばぴょん好みの女子高生が贔屓にしているジョン・ジェンキンスとソニー・レッドの
両パーカー派アルト奏者が肩を並べているではありませんかぁ。まるでそのことを知っ
ていて、女子高生に「好きなアルトはジョン・ジェンキンスとソニー・レッドなのぉ♪
」と言わせたかのようなシンクロシニティには思わず
-  
- ・鉛筆や 芯黒にしてぇ♪と 彼女は言ふ
-  
- > 赤鉛筆はお嫌い?
-  
- と、1句詠んでしまいましたな、意味不明な今日の僕。ということで、では1曲目
から聴いてみましょう。このアルバムはプレスティッジに極めてありがちなジャム・セ
ッション風の演奏となっておりまして、タイトルになっている「オン・ザ・サニー・サ
イド・オブ・ザ・ストリート」と、CDおまけ曲の「マイ・ファニー・バレンタイン」
以外はすべてマル・ウォルドロンの曲となっております。まずは「ブルー・ドッツ」。
いかにもジャム・セッションのために即興で作ったようなシンプルなメロディですな。
ソロ先発はクイニシェット。さすがに副大統領らしく、ヴィブラートのないレスター・
ライクなトーンですな。振動好きのひなのには、ちょっぴり物足りないのぉ♪という感
じがしないでもないですが、スムーズなフレージングはさすがです。続いてのソロは2
人いるアルト奏者のうちジョン・ジェンキンスのほうでしょうか。マクリーン・ライク
なトーンがとっても魅力的なのぉ♪とか言ってるうちにソニー・レッドに替わっちゃっ
たような気配が。とか言ってるうちにジェンキンスに戻りましたな。と思ったら今度は
レッドですな。要は4バースなんですな。クイニシェットがちょっとだけ戻ってきて、
今度はカーティス・フラーのソロです。で、またクイニシェットが戻ってきて、ジェン
キンスになって、ソニー・レッドが出てきて、フラーになって・・・もぉ、ええわい。
ソロのオーダーを書いただけで、ほとんど残りスペースがなくなりました。次にいきま
しょう。「サークルズ」。1曲目に比べ、明るく楽しい曲調となっております。ソロ先
発はジェンキンス。これ、かなりイイのぉ♪僕ってば、このアルバムはほとんどジェン
キンス目当てで買ったから、このソロが聴けただけで満足なのぉ♪と思ってパーソネル
を見てみたら、この曲にはジェンキンスは参加してないんですな。なんてアテにならな
いんだ、さばぴょんの耳っ!あらためて聴き直してみると、なるほどこれはソニー・レ
ッドですね。
-  
- ということで3曲目へいっちゃいましょう。「オン・ザ・サニー・サイド〜」は
クイニシェットをフィーチャーしたナンバー。スロー・テンポの演奏で、レスター・ペ
ヤング度はこの曲がいちばん顕著です。高温部なんか、あ〜ん、火傷しちゃう〜♪違い
ます。高音部なんか、まるっきりアルトに聞こえちゃいますね。
- 続くソロは今度こそジェンキンスで正解でしょう。短いながらも充実したソロで、
このアルバムをほとんどジェンキンス目当てで買った僕としては、このソロが聴けただ
けで満足なのぉ♪4曲目の「クール・リプソ」はクールなカリプソといった感じのナン
バー。ゆっくりしたテンポで、各人のリラックスしたソロが堪能できます。ちなみにソ
ロ1番手はジェンキンス・・・かと思ったら、またソニー・レッドかいっ!
-  
- 本日の発見:ジェンキンスとソニー・レッドはとっても似ているのぉ♪
-  
- と、ひなのちゃんも言ってるくらいだから間違えても当然ですね。あ、そうそう。
志摩子&彰子&ひなのちゃんの「塩通・健全爽やかトリオ」は近日中に「なりゆきわか
このホームページ」に登場予定です。場所が場所だけに下仁田には走っておりませんが
。そういえば、えび1号@なりゆき先生ってば、雑誌のハシラの「最近のお気に入りB
GMは?」というところに「槙原敬之とデクスターゴードンのバラード」とか書いてお
りましたな。実はぼくが「デックスのバラード・ピン子」のCDをプレゼントしたのぉ
♪憎いねコノ、人妻キラー!ということでクイニシェットのラストはCDおまけ曲「マ
イ・ファニー・バレンタイン」で幕を閉じます。さ、このアルバムのまとめですな。輸
入盤CDの「ケース裏の解説コーナー」みたいなところにうまいこと書いてありました
ので、それを「締め」の言葉とさせていただきます。
-  
- ジェンキンスは現在は活動しておらず、クイニシェットとソニー・レッドは死ん
でしまった。しかしこのジャム・セッションで聴かれる音楽は、とっても「生き生き」
しているのぉ♪
-
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