【アルバム名】
POPPIN’ (BLUE NOTE)
【リーダー名】
HANK MOBLEY (1957/10/20)
【パーソネル】
ART FARMER (tp) HANK MOBLEY (ts) PEPPER ADAMS (bs) SONNY CLARK (p)
PAUL CHAMBERS (b) PHILLY JOE JONES (ds)
【収 録 曲】
POPPIN' / DARN THAT DREAM / GETTIN' INTO SOMETHING / TUNE UP /
EAST OF BROOKLYN
【内   容】
 さ、『生き生きと死のう』ですね。色々な自殺について、その方法と長所・短所 を記した学術書でございます。私はこの論文を高校時代に発表したわけなんですが、そ の数年後に『完全自殺マニュアル』という本がベストセラーになりました。その本を読 んでいないので断言は出来ませんが、私の論文の盗作でしょうね、きっと。私がコピー して3部ほど作成したものが極秘ルートを通って鶴見某氏の手に渡ったんではなかろう かと思われます。ま、無断引用の類いはお互い様なんですが、前回このコーナーでも触 れた「リニアモーターカーによる自殺未遂で肩凝りが治った!」というレポートも『完 全自殺マニュアル』に盛り込まれているはずです。いや案外、「壮快」や「安心」あた りに流用されているかも知れませんね。テレビでみのもんたがやったとか。(なんでも いいけど、みのもんたって“もんた&ブラザース”のリーダーじゃなかったんですね。 )そんなわけで、今回は私が高校時代に考えていた「自殺論」の記憶をたどりながら「 生命と死」という問題について倫理的な見地から論を講じてみたいと思います。
 
(首吊り自殺)
 
 自殺の方法として、もっともポピュラーなのが「首吊り」でございます。なんと 言ってもお手軽なのがいいですね。飛び込み自殺のように電車が走ってないと駄目だの 、飛び降り自殺のように高いビルがないといやん!だの、難しいことを言わないのがい いです。ロープとそれをくくる場所。この2点があれば超OKっす!みたいな軽いノリ で行うことが出来ます。「お手軽」と言えば「カッターナイフで手首を切る」なんて方 法もありますが、僕はやだ。だって、自分で自分の手首を切るんだよぉ。真っ赤な血が ぴゅーって飛ぶんだよぉ。そんなことをしてもし死んじゃったらどうするんだよぉ!僕 はそんなこわいことは死んでも出来ないなー。これほど勇気がいる方法であるにもかか わらず、手首切り自殺は未遂に終わってしまうことが多いんですよね。私が積極的にお 薦め出来ない所以です。
 
 その点、首吊りはいいよねー。手軽で確実。ロープとそれをくくる場所さえあれ ば確実に死ねるんだもんねー。幸い、日本という国はロープをくくる場所には事欠きま せん。外へでれば豊富な森林資源に恵まれておりますし、家の中には「かもい」があり ます。日本家屋における「鴨居」って、まさに首を吊ってくれと言わんばかりの存在で すよね。ロープをぶら下げる為にあるようなものでございます。これでくくる場所は確 保できました。あとはロープがあればOKなんですが、残念ながら一般家庭にはなかな かロープなんて置いてありません。特殊な趣味の人、例えばアウトドアが好きな人だと か、亀甲がたまらないのぉ♪という人でない限り、あまりロープなんて使うことないん ですよね。では簡単に首吊り自殺が出来ないではないかっ!なんて悲観することはあり ません。そのことで世の中を悲観して自殺を考えたりする前に、もう一度身の回りを見 回してみましょう。何かロープの変わりになるようなものはないか?そういう目で見て みると世の中にはたくさん「紐状」のものがございます。浴衣の紐はどうか?電気器具 のコードはどうか?いろんな素材で試してみてねっ♪試行錯誤を繰り返しているうちに 「電気コードは電気ゴタツのものに限る」とか、ウドンは茹ですぎると駄目だけどコシ の強い讃岐ウドンなら大丈夫!いうような貴重なデータが得られるはずです。
 
 こうして書いてみると、いいことづくめのように思える「首吊り」なんですが、 実はこんな万能に見える「首吊り」にも欠点があります。何事にもいい面と悪い面があ るということは生きていく上で避けることのできない運命なのです。では「首吊り」の 短所とは何か?端的に申しますと「息が出来なくて苦しい。」というのが最大の難点で すね。通常では考えられないほどの苦痛を伴うそうです。ある体験者の話によれば「死 ぬかと思った。」そうであります。命が惜しかったら「首吊り」だけはやめたほうがい いです。ということで、ぢゃ、またね〜♪
 
 @ さ、モブレイです。名古屋地方ではわりとよく使いますね。先に自分だけ帰 っちゃう時、「おさきにモブレイしまーす!」とか言って。「ごぶれいする」っていう のは名古屋ローカルなんですかね?って、そんなことはどうでもいいですねー。モブレ イはブルーノートに腐るほどたくさんのリーダー作を残しております。きちんと数えた わけじゃないのではっきりしたことは言えませんが、おそらくリーダー作の多さではジ ミー・スミス、ジャズ・メッセンジャーズ、リー・モーガンあたりとトップを争ってい るのではないでしょうか。4000番台にもたくさんありますが、1500番台も多い ですね。同じような能のない、なーんにも考えてないようなタイトルのアルバムがずら ーっと並び、思わず「いいかげんにしなさいっ!」なんて説教したくなりますよね。説 教はよく、波平さんがカツオ相手にやっております。でも、その説教によってカツオが 反省したそぶりというのは見られませんよね。反省して改心してシンナー遊びからも足 を洗い、「父さん、俺、明日からガッコ行くよ!」なんて言っているシーンはいまだか つて目にしたことがありません。おそらく波平の説教なんかテキトーに右から左に聞き 流して、内心では「何言ってんだよ、このハゲっ!」なんて思っているんでしょうな。 立場ないぞ、波平!というわけで、ここまでリーダー作をたくさん作ってしまうとその すべてをレコードとして発売するわけにもいかんようになっています。ライオンさんの 場合、ほとんど商売を度外視して、ミュージシャンを食わせてやる為にレコーディング している、みたいなところがありますからね。ライオンさんで思い出しましたが、うち の会社のビルは一応は自社ビルなんです。丸の内の大津通り沿いという、名古屋では一 等地に生意気にも5階建の自社ビルを構えております。狭いんですけどね。で、ある日 、私が帰ろうとすると、そのビルの中から見たこともないケバ系のOLさんが6人程出 てくるではありませんか。そういえば上の階に「レオフィールド」というライオン系の 会社が入っているんですが、そこにこんなたくさんのケバ系OLが住みついていたんで すねー。いやー、よかったよかった♪
 
 とまあ、どうでもいい話で貴重な「@マーク以降」が半分ほどつぶれてしまいま したが、つまりこの『ぽっぴん』というラブリーなタイトルのアルバムは、「録音され ながらオクラ入り」という運命をたどっていたわけです。1568番の『ハンク・モブ レイ』というのと『ペッキン・タイム』の間にあたるセッションですね。これがまた、 オクラ入りしてたのが不思議なくらい充実した内容なので、ここ塩通で光をあててみよ うと、まあ、そういったことですね。アート・ファーマーとペッパー・アダムスの入っ た3管編成で、ソニー・クラーク、チェンバース、フィリーという最良のメンバーとな っております。いいですね、3管ぷれい♪こうしてこのコーナーで紹介するアルバムを 選んでいて、自分がかなり「3管プレイ好き」であることに気づきました。リーダーの ソロを前面に押し出したワンホーン作より、いかにもハードバップらしい洒落たアンサ ンブルに魅力を感じる、そんな僕のことをこれからは「3P好きのさばぴょん♪」って 呼んでねっ。さ、残りスペースが少なくなりました。余談な話はこれくらいにして、「 余談な話」の話は書き始めると長くなるからここで書くのはヤメにして1曲目。「ぽっ ぴん」。モブレイのオリジナルです。モブレイの書く曲って、“ファンキー”というよ り“ハードバップ”なんですよね。この曲も典型的なモブレイ・チューン。あまり工夫 があるとは思えないユニゾンによるテーマのあと、クラークのピアノ・ソロ。これがイ イっす。むっちゃイイっす。BN盤『ソニー・クラーク・トリオ』を彷彿させるプレイ です。ベースとドラムスが同じだし、録音日も1ヶ月くらいしか違わないから当然とい えば当然ですね。アダムス、ファーマーとキレ味鋭いソロのあとにモブレイ登場。なん かモサモサしていて「甘食パン」っぽいところはご愛嬌。これを好きになれるかどうか がモブレイを好きになるかどうかの試金石でしょう。フィリーとの8バースもあります が、タイコ界でもキレ味ぴかいちのフィリーと「甘食」モブレイとの対比がよろしいで す。あ、もう残りがないっ!
2曲目は薔薇亜土の「ダーン・ザット・ドリーム」。いかにもヴァン・ヒューゼン らしい、しみじみとしたいい曲ですね。少年隊の「寿司食いねえ」とはえらい違いです 。しかし世の中には、後から思えば「なんでこんなものがヒットしたのか?」なんて不 思議でならない過謡曲というのがありますよね。で、「ダーン・ザット・ドリーム」。 クラークのイントロがたまりません。で、モブレイの「丸いトーン」がなんともほのぼ のとテーマを吹いております。そのままソロに突入。ほのぼのしてます。ミュートを付 けたファーマー、アダムス、クラークの順でソロがあって、再びモブレイがソロを吹い てエンディング。ほのぼのしてます。
 
 3曲目の「ゲッティン・イントゥ・サムシング」はモブレイのオリジナル。なか なかハードバピッシュないい曲ですな。4曲目はおなじみマイルスの「チューン・アッ プ」。フィリーのキレ味抜群のドラミングと3管のハーモニーがよろしい。ソロ先発は ファーマー。かなりバリバリ吹いていて、なかなかの好演(国防長官とか言わない)。 ラストはモブレイのオリジナル「ブルックリンの東」。これはファンキーな味がありま すな。曲の構成も凝っていて、リズムも凝っていて、肩も凝っていて、あ〜ん、サロメ チールぅ♪
 
んぢゃね。


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