【アルバム名】
MAGNIFICENT! (PRESTIGE)
【リーダー名】
BARRY HARRIS (1969/11/25)
【パーソネル】
BARRY HARRIS (p) RON CARTER (b) LEROY WILLIAMS (ds)
【収 録 曲】
BEAN AND THE BOYS / YOU SWEET AND FANCY LADY / ROUGE / AH-LEU-CHA / JUST OPEN YOUR HEART / SUN DANCE / THESE FOOLISH THINGS / DEXTERITY
【内   容】
 日本人はなんでも4文字に略すのが好きである。ラバー・カムバック・トゥ・ミ ーは「ラバカン」、トミー・フラナガンはトミフラ、サキソフォン・コロッサスは「サ キコロ」、イカを裂いたのは「さきイカ」となる。日本人だとワタナベがあぶない。ナ ベサダ、ナべツネ、ナベQ(ライオンズの渡辺久)など、問答無用でナベにされてしま う。今回のバリー・ハリスもこの法則に則って、以後「バリハリ」と呼ぶことにしよう 。イカの入ったピーナッツ菓子が「イカピー」、エビの入ったピーナッツ菓子が「エビ ピー」、ピーナッツの食べすぎで下痢ピーと、きりがない。
 バリー・ハリスといえば数多いパウエル派の中でも最右翼のパウラーとして知ら れるが、本家パウエルみたいな厳寒の日本海の厳しさはない。せいぜい中型で並の強さ である。しかしヤル時はヤルという事を我々に知らしめてくれるアルバムを紹介しまし ょう。『マグニフィセント!』、日本名『立派だ!』
 アルバムタイトルに「!」をつけ、ハリスの並々ならぬ熱意が感じられます。冒 頭の「そら豆と少年達」が凄い。「ラバカン」のコード進行をもとにコールマン・ホー キンス(アウトドアな名前やな)が書いた曲だが、唸り声をまじえての弾きまくりであ る。紳士であるハリスが、弾き終えた後に思わず「ああ、はしたなかった。」と反省す るほどの熱演である。
 反省したハリスは、続くオリジナルの「あなたは甘く、そしてきまぐれな淑女」 で実にファンキーな演奏を聴かせる。バラードの「口紅」もいいな。パーカーの「アー ・リュー・チャ」は変だな。麻原の娘はアーチャリだし。
 「ジャス卜・オープン・ユア・ハート」は文句なしにモンク風、「サン・ダンス 」はボサノバ風と、お堅いイメージのハリスにしては精一杯の努力の跡がうかがえる。 スタンダードの「これらのバカな事」もいいですね。最後の「デクスタリティ」は素人 にはよくわからないので無視してもらって結構です。それにしても結局最後まで「バリ ハリ」という呼び名は出てこなかったわけで、これからはバリー・ハリスの事を「バリ ハリ」と呼ばなくても結構です。


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