ケイブル

さぼさぬけ

切られたケイブル
戻らない時
切られたのは
私の心のケイブル


価値観とは相対的なものだとだれかが言った
絶対的価値観は時として コミュニケイションの妨げとなるから
価値観は相対的なものだという
そういうことにしておいた方が都合がいい
世の中はたぶんそんなふうに廻ってる


つながらないケイブル
型が合わない
あなたと私をつなぐ二本の
ペンチで切られた


勉強をしなさいって親は言うけれど
それに何の意味があるのか 何の意味があったのか
私はまだ知らない
価値観を他人に決められることに反感を覚えていた時代
でもいつか私も 世間一般の価値観を求めるようになる
子供はきっとそういうふうに大人になっていく


新しいケイブル
無理矢理にでも
体中を 心中を
絡め取る


私とあなたの間
飛び交う電磁波の嵐
私と世界をつなぐ
一本のケイブル
ゼロとイチの記号に心を託して

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