主要ビール会社動向3

2006年8月のビール会社動向


2006-9-13日経産業、日経。8月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、4916.8万ケース、前年同月比0.6増%となった。酒類別ではビールが0.8%減、発泡酒が3.8%減、ビールもどきが12.6%増。暑い日が続いたがビールはそれほど伸びず、ビールもどきが5月増税前の駆け込み出荷に伴う在庫が一巡して2桁の伸びになったことに助けられた結果となった。出荷量の構成比はビールが58.8%、発泡酒が23.6%、ビールもどきが17.6%だった。ビールもどきのシェアは、キリンが47.1%、アサヒが22.8%、サントリーが12.8%、サッポロ12.3%。非ビール比率は45.8%。企業別販売量は、ビール系飲料合計でキリンビールとサントリーが前年実績を上回り、アサヒとサッポロが下回った。

2006年7月のビール会社動向

2006-8-11日経産業、日経。7月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、4750.1万ケース、前年同月比5.7%減となった。梅雨が長引いたことや局地的な豪雨が響き、3分野すべてで前年実績を下回った。7月としては現行の統計方式となった1992年以来、過去最低の出荷量となった。出荷量の構成比はビールが57.8%、発泡酒が23.8%、ビールもどきが18.4%。非ビール比率は42.2%となった。ビールもどきのシェアは、キリンが42.8%、アサヒが20.7%、サントリーが13.9%、サッポロ12.0%。
アサヒの出荷量は同9.5%減の1702万ケースでシェアは35.8%にとどまった。発泡酒 「淡麗」やビールもどきの売れ行きが好調なキリンはシェアで3ヶ月ぶりにアサヒを抜いた模様。

2006年6月のビール会社動向

2006-7-13日経産業、日経。6月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、5040.2万ケース、前年同月比5.3%減となった。天候不順が原因としている。酒類別ではビールが同2.5%減、発泡酒が11.2%減、ビールもどきが5.8%減となった。特にビールもどきは酒税改正前の4月駆け込み出荷の影響が出ている模様。出荷量に占める構成比はビールが57.7%、発泡酒が24.2%、ビールもどきが18.1%となった。
第2四半期(4−6月)の企業別シェアはアサヒが38.2%、キリンが37.0%となり、第1四半期首位のキリンをアサヒが抜き返した。上期全体でみると、キリンが37.6%で、37.3%のアサヒを上回り5年ぶりに首位を奪還した。3位は13.1%のサッポロで、11.2%のサントリーに追い上げられた。

2006年5月のビール会社動向

2006-6-13日経産業、日経。5月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、3893.2万ケース、前年同月比0.3%増となった。5月1日の酒税改正で350ml缶1本あたり0.7円の減税となったビールは同5.6%増となり、3.8円の増税となったビールもどきは、4月に増税前の駆け込み需要を見込んで各社が出荷量を急拡大したことが響いた。出荷量に占める構成比はビールが58.3%、発泡酒が28.9%、ビールもどきが12.7%となった。企業別ではキリンとサントリーが前年実績を上回り、アサヒとサッポロが下回った。アサヒはビールもどきの新製品発売が寄与して5ヶ月ぶりにキリンを抜いて首位になった模様。ビールもどきのシェアは、キリンが38.3%、アサヒが29.4%、サッポロ9.9%、サントリーが7.9%。

2006年4月のビール会社動向

2006-5-17日経産業、日経。4月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、4419.9万ケース、前年同月比5.5%減となった。ビールもどきで5月増税前の駆け込み需要があったとみられるが、ビールなどの落ち込みを補えなかった。出荷量に占める構成比はビールが48.2%、発泡酒が23.1%、ビールもどきが28.7%となり、ビールは初めて50%を割り、ビールもどきは初めて発泡酒を上回り、過去最高をなった。企業別ではアサヒを除く大手3社がビール系飲料の出荷で前年実績を上回った。ビールもどきのシェアは、キリンが44.9%、サッポロ19.2%、アサヒが18.0%、サントリーが14.8%。

2006年3月のビール会社動向

2006-4-13日経産業、日経。3月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、4069.5万ケース、前年同月比6.7%と二桁増となった。ビールの前年落ち込みに対する反動とビールもどきの大幅な伸びによるところが大きかった。ビールは樽生ビールなど業務用が堅調で、3ヶ月連続の増加となった。ビールもどきは前年比約1.4倍の伸びとなり、ビールもどき比率は19.5%と高い値となった。ビールもどきのシェアは、キリンが4割で1強3並状態。非ビール比率は45.8%。
1-3月の総出荷量は9712.4万ケースで前年同期比8.6%増となった。首位はシェア38.4%のキリン、2位は36.0%のアサヒ、3位はサッポロ、4位は、サントリーでシェア11.7%となった。ビールもどき比率は19.4%、発泡酒を加えた非ビール比率は46.1%で、2005年の比率が43.6%であったことを考えると異常な比率であり、なんとも言えない状況になりつつある。

2006年2月のビール会社動向

2006-3-14日経産業、日経。2月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、3322万ケース、前年同月比11.8%と二桁増となった。二桁増は猛暑だった2004年7月以来。ビールは9.3%増の1771.5万ケースで2ヶ月連続増加。家庭用、業務用とも堅調で、瓶や缶、樽のすべての容器で出荷量が前年同月を上回った。2ヶ月連続で増加するのは1997年8-9月以来とか。ビールもどきは、1月下旬製造分から刷新したキリンの「のどごし 生」やサントリーの新商品「ジョッキ生」が好調でビールもどき比率は21.1%と初めて20%を超えた。ビールもどきのシェアは、キリン36%、、サントリー28%、サッポロ18%、アサヒ15%。非ビール比率は49.7%。
アサヒの総出荷量に対するシェアは36.1%となった。スーパードライは好調でビールのシェアが50%を超えたものの、ビールもどきの新生3が競合に押されて今ひとつ伸びなかった。
キリンは、1月下旬に刷新したビールもどきの「のどごし 生」と2月に発売した発泡酒「円熟」が牽引役となり、シェアはアサヒを1ポイント程度上回り1月に引き続き首位となった模様。
サントリーは、2月発売のビールもどき「ジョッキ生」が好調で単月のビールもどきの出荷量は189.9万ケースと過去最高となったこともあり、総出荷量に対するシェアはサッポロと同水準になった模様。

2006年1月のビール会社動向

2006-2-14日経産業、日経。1月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、2321万ケース、前年同月比7.8%増となった。昨年1月に導入した新取引制度の影響で出荷量が落ち込んだことの反動や12月の落ち込みの反動によるものと思われる。ビールは同7.9%増で1363万ケース、ビールもどきは108%増で394.4万ケースとなった。この結果ビールもどき比率は17.0%、発泡酒と合わせた非ビール比率は41.3%となった。非公式ではあるが総出荷数量でキリンがアサヒを上回り、シェア首位になった模様。

2005年12月のビール会社動向


2006-1-18日経産業、日経。12月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、5150万ケース、前年同月比12.1%減となった。ビールは随分「押し込み」を行ったと思われるが、年末の記録的な寒波の影響もあって、結果的には同15.9%減の3155.9万ケースにとどまった。発泡酒は同33.6%減、ビールもどき(第3のビール)は797.5万ケースと同161.3%増となった。ビールもどき比率は15.5%、発泡酒と合わせた非ビール比率は38.7%となった。
アサヒはここ3ヶ月の低迷を挽回するためにスーパードライの押し込みをやった模様で、シェアは40%程度に跳ね上がっているが、効果は小さく、むしろ2006年1月への反動が怖い。ビールもどき(第3のビール)の企業別シェアは、キリン40%、サッポロ23%、アサヒ18%、サントリー13%となり、アサヒは新製品発売直後でもう息切れしている。・・・ここ数ヶ月は特にアサヒの迷走が気になります。戦略があまりにちぐはぐです。

2005年11月のビール会社動向

2005-12-13日経産業、日経。11月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、3905.7万ケース、前年同月比3.5%減となった。ビールもどきは堅調だったものの、ビールは前月増加の反動が出た。そのビールは同9.8%減の2172.1万ケース。歳暮ギフトなどは伸びたが業務用などが落ち込んだ。
ビールもどき(第3のビール)は722万ケースと同3.2倍に増えた。アサヒが新商品「新生3」を発売したことなどが寄与した。サッポロの「ドラフトワン」は04年2月の全国発売以来初めて前年実績を下回った。そのためアサヒがサッポロをわずかに抑えてシェア2位となった。ビールもどきの企業別シェアは、キリン37%、アサヒ21%、サッポロ20%、サントリー15%となった。発泡酒は28.6%減となった。
ただアサヒはビールもどきの新発売に力を入れすぎて、本業のビールを大幅に減らすこととなり、全体的なシェアは落ちた模様。

2005年10月のビール会社動向

2005-11-14日経産業、日経。10月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、3996.8万ケース、前年同月比2.5%増と3ヶ月連続で増加した。天候に恵まれビールの出荷量が2ヶ月ぶりに増加に転じたことが寄与した。ビールの出荷量はアサヒとサントリーが前年同月を上回り、キリンとサッポロが下回ったもよう。
尚、ビールもどき(第3のビール)は683万ケースで前月大幅増の反動がでたが相変わらず堅調で全体に占める割合は17.1%となった。ビールもどきの企業別シェアは、キリン41%、サッポロ24%、アサヒ19%、サントリー16%となった。発泡酒は28.4%減となった。

2005年9月のビール会社動向

2005-10-14日経産業、日経、毎日。9月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、4298.2万ケース、前年同月比3.9%増と2ヶ月連続で増加した。台風に見舞われた昨年に比べ天候に恵まれ気温が高かったほか、低価格のビールもどきも好調で消費を牽引した。ビールは1.8%減となったが、これは業務用が0.2%増とわずかに前年を上回ったが、家庭用が3.6%減と苦戦したためである。
ビールもどき(第3のビール)は5社全社が参入し3.3倍の800.1万ケースと大幅に増加、全体に占める割合は18.6%まで拡大した。ビールもどきの企業別シェアは、キリン40%、サッポロ24%、アサヒ18%、サントリー16%となった。発泡酒は22.5%減となった。
企業別では、ビールもどきの「のどごし 生」が好調だったキリンと、「ザ・プレミアムモルツ」が大幅に伸びたサントリーが前年同月を上回ったが、ビールもどきで苦戦のアサヒと全体的にさえないサッポロは前年割れとなった。毎日新聞情報では、アサヒは1590万ケース(1 ケース大瓶20本換算)で、シェアは37.0%。キリンは 月別出荷量を公表しないが、1585万 ケース強になった模様で両社のシェアが肉薄したとのこと。

2005年8月のビール会社動向

2005-9-13日経産業、日経。8月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、4889.1万ケースとなり、前年同月比5.6%増で、3ヶ月ぶりにプラスに転じた。昨年8月は台風やアテネ五輪の開催の影響で業務用が伸び悩んだが、今年は好天の日が多く販売量が伸びた。特にビールは家庭向けは前年並みだったものの業務用が8.7%伸び、トータル2.1%増と堅調だった。
一方、ビールもどき(第3のビール)は768.4万ケースと同3.4倍に増え、全体に占める割合は15.7%と業務用ビールの伸びの影響で7月に比べ若干ダウンした。ビールもどきの企業別シェアは、キリン42%、サッポロ23%、アサヒ19%、サントリー15%となり、アサヒがサントリーを抜き返した。価格帯で競合する発泡酒は22.2%減となった。
企業別でみると、アサヒは主力のスーパードライが同3.2%増、発泡酒、ビールもどきも踏ん張りシェアを伸ばした。キリンは、主要4社の中で唯一ビールの販売量が減ったもののビールもどきの伸びが貢献してトータルでは前年実績を上回った。一方、サントリーとサッポロは苦戦の結果となった。・・・8月は例年夏の陣の後始末的な状況になっており、トータルの数字そのものよりも、個々の動きに注目したい。依然として6割はビールであるが、どうも外部要因に影響を受け過ぎている嫌いがある。ただこれはメーカーとしても言い訳しやすいということもある。本当に飲みたいと思わせるビールづくりが必要に感じる。発泡酒やビールもどきは、ビールらしさを追求するがあまり、新しい嗜好の提案までに至っていないのではないか?

2005年7月のビール会社動向

2005-8-11日経産業、日経。7月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、5035.6万ケースとなり、前年同月比11.5%減となった。「前年同月が記録的な猛暑だったことの反動」としているが、どうも気温のせいだけではないように見受けられる。ビールの出荷量は同16.6%減と大幅にダウンしており、ここ数ヶ月間続いた一桁減を大幅に上回る数値に驚かされる。
一方、ビールもどき(第3のビール)は同3倍超の904.2万ケースで、全体に占める構成比は18%と前月水準となった。ビールもどきの企業別シェアは、キリン39%、サッポロ25%、サントリー19%、アサヒ17%となり、サントリーはアサヒを抜いて3位となった。そのビールもどきと低価格帯で競合する発泡酒は、同36.5%と大きく落ち込んだ。
アサヒは、主力のスーパードライが同16.3%減とふるわず。またシェアアップのために投入したビールもどきも、4月こそ約30%あったシェアが17%弱まで落ち込んできており、非常に苦戦している。・・・やはりビールもどきを4社比べると該社の「新生」の出来が一番悪いように感じるため、いくら販促を行っても消費者はそれについてきていないと言える。
サントリーはビールこそ不振であったが、ビールもどきで新製品「キレ味 生」の投入が効果的で数量拡大につながったため、例年苦戦の夏場でシェア10%弱と比較的高いところでキープしている。・・・モルツスーパープレミアムの出荷増もあったが、所詮生産性の悪いビールの効果は小さいのです。それにしても非ビール比率67%と、この値が高くないとシェアをキープできないのは問題です。それから、非ビールに注力することによってビール事業の採算改善になっているのかどうかも心配です。

2005年6月のビール会社動向

2005-7-13日経産業、日経。6月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、5324.6万ケースとなり、前年同月比0.4%減で上期を終えることとなった。ビールは4%減と前月に比べ減少幅がやや小さくなったが、発泡酒は28.8%減と大幅に落ち込んだ。ビールもどき(第3のビール)は967.4万ケースとなり全体に占める構成比は18.2%にまで拡大した。発泡酒とビールもどきを合わせた非ビール比率は43.9%にまで急拡大した。
アサヒビールはスーパードライが前年同期比7.6%減、発泡酒も3割近い減少となったが、ビールもどきの新生が前月比やや持ち直してビール、発泡酒の落ち込みを補う結果となった。非ビール依存率は30%になっている。
サントリーはビールがここにきて好調であり、前年比増加した模様。発泡酒、ビールもどきはやや苦戦しており、一時は7割近くあった非ビール依存率が62%程度に落ち着いてきている。

2005年5月のビール会社動向

2005-6-14日経産業、日経。5月のビール・発泡酒・ビールもどきの出荷量は、3882.1万ケースとなり、前年同月比0.3%増と2ヶ月連続のプラスとなった。ビールは6%減、発泡酒は22.6%減と大幅に落ち込んだ。ビールもどき(第3のビール)の全体に占める構成比は16.1%となった。そのため、非ビール比率は48.2%にまで急拡大した。
ビールもどき(第3のビール)は、4月の反動でやや減少はしたものの堅調といえ、キリンが約40%で1位をキープ、続いてサッポロ25%、アサヒ20%、サントリー15%となり、ややアサヒの勢いが鈍い。渋々飲んでみたが、このシェアはビールもどきの出来映えの順と言える。
アサヒビールはスーパードライが前年同期比5.9%減、ビールもどきの新生は発売2ヶ月めでこれからが正念場に差し掛かっており、発泡酒はその煽りを受けて大幅減となっており、シェア40%の壁にぶちあたっている状況。
サントリーは、モルツが前年同期比2.9%減にとどまっており頑張っているが、全体としては大きな変化が見られない。もともと非ビール比率が6割以上と高く、発泡酒とビールもどきの差別化に苦戦しているように感じる。

2005年4月のビール会社動向

2005-5-17日経産業、日経。4月のビール・発泡酒・第3のビール出荷量は、4677.2万ケースとなり、前年同月比3.3%増と4ヶ月ぶりのプラスとなった。ビールは7.3%減、発泡酒は21.6%減と大幅に落ち込んだ。その一方で第3のビールはキリン、アサヒが新たに参入した結果、全体に占める構成比は19.4%にまで拡大した。そのため、非ビール比率は48.2%にまで急拡大した。
第3のビールは、キリンの「のどごし 生」が驚異的なスパートをみせ、アサヒに水をあけた結果となり、第3のビールのみのシェアは、キリンがほぼ40%、アサヒ30%、サッポロ20%、サントリーが10%であった。既存のサッポロ、サントリーとも昨年同期比で数量は拡大していることから、各社とも販促に力を注いだ結果とはいえ、全体として冷え気味のビール市場において、第3のビール908.8万ケースはおよそ300万ケースは過剰気味であると思われ、4月だけでなくむしろ5月以降に発泡酒がその煽りを受けると予想される。
アサヒビールは、スーパードライが3.0%減、また、発泡酒も8%減程度にとどめた上で、第3のビール拡販を行い、シェアは39%程度に若干アップした。おそらくアサヒ以上にキリンがビールと第3のビールに注力したためであり、今回の第3のビール 4月の陣はキリンに軍配が上がったと見られる。
サントリー、サッポロとも、キリン、アサヒの攻勢にビール、第3のビールとも苦戦したというところである。

2005年3月のビール会社動向

2005-4-13日経産業、日経。3月のビール・発泡酒・第3のビール出荷量は、3784.2万ケースとなり、前年同月比8.1%減と3ヶ月連続の減少となった。ビールは6.6%減、発泡酒は17.9%減、非ビール率は42.9%となった。第3のビールは301.8万ケースと好調ではあるが、発泡酒と合わせた出荷数量では、同10%減となっており、非ビールについても市場全体が冷え込みつつあると言える。ビールは各社が販売促進キャンペーンを強化してようやく6.6%減にとどめたというところなのである。
アサヒビールはそのビールの販促が奏功して、スーパードライは5.8%減にとどまりシェアは39%前後まで回復した。サントリーはビールで天然水利用などを打ち出した商品戦略が軌道にのってきており、発泡酒、第3のビールも焦点をしぼった戦略に切り替えてきたことが拡大につながり、大健闘している。1〜3月の平均シェアは12.4%と過去最高のシェアを更新している。・・・ビール会社の関係者はここ数ヶ月の低迷ぶりを例年よりも平均気温が低いとか、気候変動が激しかったことが影響してと口を揃えるが、果たしてそうだろうか? 企業としての場当たり的な対応が消費者から敬遠されつつあると感じないのだろうか?

2005年2月のビール会社動向

2005-3-11日経産業、日経。2月のビール・発泡酒・第3のビール出荷量は、2971.1万ケースとなり、前年同月比5.3%減と先月に引き続き減少となった。ビールは12.2%減、発泡酒は4.5%減となった。第3のビールは240万ケースで全体に占める割合は8.1%、発泡酒と合わせた非ビール率はなんと48.6%まで上昇した。ちょうど第3のビールが伸びた分だけ発泡酒が減少した格好。
アサヒは、発泡酒新製品の「アサヒ本生 ゴールド」が好調なスタートをきったものの、スーパードライは前年同期比13%減と先月からの落ち込みが回復せず、シェアは37%前後にとどまっていると思われる。
サントリーはモルツが堅調なことに加えて、発泡酒、第3のビールが好調で発泡酒依存率は71%に達しており、シェアは12%前後まで上昇したものと思われる。

2005年1月のビール会社動向

2005-2-13日経産業、日経。2005年よりやむを得ず「第3のビール」についての内数としてデータを入れていく。1月のビール・発泡酒・第3のビール出荷量は、2153.5万ケースとなり、前年同月比12.9%減と大幅な減少となった。これはビール各社と卸の間の新取引制度でリベート体系の変更やオープン価格を採用することに伴い、1月から店頭価格が上昇するとの観測が広まり12月に駆け込み需要が発生したことの反動と見られる。ビールは同17.3%減、発泡酒は21.5%減と大きく落ち込んだ。第3のビールは189万ケースと健闘した。発泡酒と第3のビールを合わせた「非ビール比率」は41.3%と高い数字となっている。アサヒは特に12月の押し込みの反動が大きく、シェアは35%前後まで低下したと思われる。サントリーはビール、第3のビールとも好調であり、シェアは11%台を超えたと思われる。

2004年12月のビール会社動向


2005-1-18日経産業、日経参考。12月のビール・発泡酒出荷量は、第3のビール込みで5857万ケースとなり、前年同月比6.5%増加となった。ビールは4.1%増加、発泡酒は4.8%減、発泡酒比率は32.4%まで落ち込んだ。第3のビールは305.2万ケース、第3のビール比率は5.2%になり、発泡酒と第3のビールを合わせた非ビール率は36.0%となった。12月は冬場にもかかわらず出荷量が大幅に伸びるが、さらには1月からの新取引制度導入を前にした駆け込み需要が発生した模様であり、中でもアサヒはビールで大きく出荷を伸ばした(押し込んだ)模様。

2004年11月のビール会社動向

2004-12-14日経産業、日経。11月のビール・発泡酒出荷量は、3824.3万ケースとなり、前年同月比2.6%減と4ヶ月連続で減少した。ビールは1.7%減、発泡酒は4.1%減となり、発泡酒比率は37.1%と9〜10月に比べ低下した。ただ、第3のビールは堅調で、サッポロのドラフトワンが142.1万ケース、サントリーのスーパーブルーが82.4万ケースとなり、ビール・発泡酒と合わせた総出荷量のうち5.5%を占めた。
アサヒは、例年通り年末に向けてがんばっており、特にスーパードライが前年同期比2.6%増が貢献し、シェアは41%台となった。
サントリーは、発泡酒が減少したものの、主力ビールのモルツが堅調で9ヶ月ぶりにシェアが10%を超え、発泡酒依存率は57%となった。第3のビールのスーパーブルーは82.4万ケースと好調で、これを合わせた数量でもシェア10%を超える結果となった。ちなみにサッポロのドラフトワンは142.1万ケースであった。

2004年10月のビール会社動向

2004-11-12日経産業、日経。10月のビール・発泡酒出荷量は、3686.8万ケースとなり、前年同月比9.2%減と3ヶ月連続減少した。台風や地震に加え、低価格のビール風アルコール飲料の台頭が響いた。ビールは6.9%減の2216.3万ケース。業務用の樽生が4.7%減ったほか、家庭用の缶も2.9%減った。瓶は14.2%減だった。発泡酒は12.3%減の1470.5万ケースで2ヶ月連続の二桁減となった。発泡酒比率は39.9%。
発泡酒比率が高くなると、発泡酒依存率が最も低いアサヒはシェアを落とすことになり、38%台に落ち込んできている。サントリーはモルツが同8.9%減と苦戦した影響で、シェアは8%台に落とした。尚、ビール風アルコール飲料のスーパーブルーが70.8万ケースであったために、それを含めるとシェアは10%台をキープしている。ちなみにサッポロのドラフトワンは142万ケースだった。

2004年9月のビール会社動向

2004-10-14日経産業、日経。9月のビール・発泡酒出荷量は、3892.1万ケースとなり、前年同月比8.5%減となった。残暑で好調だった昨年9月のっ反動に加え、西日本を中心とする台風の上陸など天候不順が響いたとか。ビールは同6.6%減の2332.3万ケース、発泡酒は11.2%減の1559.9万ケース、発泡酒比率は40.1%と8月に比べて上昇した。・・・どうも新聞発表では不振を天候の影響とすましているが、発泡酒比率が8月に比べて5ポイント近くも上昇しているということは、個人消費依存が高く、業務用が落ち込んだということにつきる。
アサヒは昨年同月比約11%も出荷を減らしており、市場全体の減少量8.5%を上回る。サントリーも出荷量こそ昨年同月比10%減となったものの、ビール、発泡酒とも夏の不振を若干挽回しつつあり、シェアは9%台にのせた模様。尚、ビール風飲料のスーパーブルーを72万ケース出荷しており、それを合わせるとシェアは10%になる。ちなみにサッポロのドラフトワンは171.5万ケースと相変わらず好調である。

2004年8月のビール会社動向

2004-9-14日経産業、日経。8月のビール・発泡酒出荷量は、4405万ケースとなり、前年同月比5.9%減となった。猛暑で好調だった7月とは一転伸び悩んだ。8月後半の天候不順やアテネ五輪の開催で飲食店の客足が鈍ったことが響いたとか。ビールの減少は2ヶ月ぶりで、業務用が3.8%、家庭用が5.5%それぞれ減った。発泡酒も2ヶ月ぶりに減少し、業務用が1.7%減、家庭用が7.9%減となり、発泡酒比率は35.2%となった。・・・日経の記事ではこういう表現であるが、ドラフトワンなどの雑酒が堅調が、個人消費中心の発泡酒の減少の一因とみた方がいいだろう。また好調の7月に出荷を大きく伸ばした反動が8月に表れたともいえる。
アサヒは、スーパードライの出荷が同3.7%減となったものの、前述のようにビール市場全体が減少したため、シェアは40%以上をキープしている。発泡酒依存率は23%まで低下してきているため、8月の市場全体の不振の影響は受けにくい状態ではある。
サントリーは、ビール自体はシェア5%台をキープしてなんとか踏みとどまっている感じであるが、発泡酒は、発泡酒依存率が54%まで低下しており、雑酒の影響でその存在感が薄れつつある。雑酒が自分の首を絞める結果になりそうですね。

2004年3月のビール会社動向

2004-4-13日経産業、日経、毎日。3月のビール・発泡酒出荷量は3923.1万ケースとなり、前年同期比4.7%減となった。好天もあってビールはほぼ前年並みだったが、発泡酒は2月から発売された雑酒(ドラフトワンや麦風)の影響で10%減となったものの発泡酒比率は41.0%と2月に引き続き高い値となった。各社のシェアは、アサヒが約40%、キリン約39%、サッポロ12.2%、サントリー9.2%となった。仮に雑酒を統計に加えると、サッポロのドラフトワンが120万ケース、サントリーの麦風が70万ケースであることから、出荷量はほぼ前年同期比並となり、シェアはアサヒ約39%、キリン約38%、サッポロ14.6%、サントリー9.7%となる。
アサヒは、ビールの出荷量が瓶、缶など全容器で前年実績を上回る状況で「業界全体で回復傾向が出ている」とみている。確かにスーパードライの1ー3月の合計も前年比0.2%増でビールの低迷が底を打ったといえるかもしれない。アサヒの発泡酒依存率は27%と健全な数字をキープしてはいる。ただ、キリンの数字が公表されていないが、推定ではまずまず健闘している模様であり、これから夏にかけて激しいシェア争いが始まるような気配である。
サントリーは3月に投入した「麦酒」はまずまずではあるが、とにかく発泡酒・雑酒の銘柄が多いために多品種戦略にやや息切れ感を感じる。営業活動がどこまで頑張れるかであるが、なかなかシェア10%を維持できていないという結果が全てと言えるのでは。

2004年2月のビール会社動向

2004-3-11日経産業、日経。2月のビール・発泡酒出荷量は2999.6万ケースとなり、前年同期比6.7%減となった。ビールは業務用が堅調で同1.0%増の1740.8万ケースと47ヶ月ぶりにプラスとなった。一方発泡酒は、同15.6%減の1258.7万ケースと落ち込んだものの、発泡酒比率自体は42.0%と前月に比べ大幅に伸びた。これは昨年2月の発泡酒比率が46.4%と異常に高かったことによる。
2月の話題は、サントリーがサッポロを抜いて3位になったことであるが、統計上の問題であるため注意をしたい。つまり、サントリーの出荷量は約360万ケースでシェアは12.0%、一方サッポロは約340万ケースで11.3%となる。ところが、サッポロは2月にビール風炭酸飲料の「ドラフトワン」を発売したが、その販売量152万ケースはビール・発泡酒には算入されていない。これはドラフトワンが麦芽を一切使わず「雑酒」の扱いになるため。従って、仮にドラフトワンを数量にカウントすると、サッポロの出荷量は492万ケースでシェアは15.6%となる。これがサッポロの主張であるが、恐らく営業戦力の多くをドラフトワンにつぎ込んだとはいえ、主力発泡酒の生搾りの出荷を2割強も減らしていては、「次」につながらないと感じる。
一方サントリーは、統計マジック上3位になったとはいえ、ここ1年の発泡酒の低迷から脱却するきっかけになるかもしれない。ビールも堅調の中、発泡酒もマグナムドライを中心に回復基調になってきている。そんな下位2社のシェア争いの中で、アサヒは堅調と言いたいところであるが、どうもシェア40%の壁に直面している。ビールの市場が大きく伸びることがない以上、発泡酒に力を入れるしかないが、乱立する発泡酒はあくまでも個人消費が中心であるため、そこで量拡大する難しさがある。

2004年1月のビール会社動向

2004-2-13日経産業、日経。1月のビール・発泡酒出荷量は2423.6万ケースとなり、前年同月比11.4%減となった。発泡酒は前年同月比8.9%減の894.1万ケースで3ヶ月ぶりの前年割れ。ちまたでは昨年1月は各社が商品リニューアルで出荷増となった反動が出たとの分析であるが、発泡酒依存率(当HPオリジナルのパラメーターです)は、昨年が35.9%に対して、36.9%と伸びており、発泡酒自体は堅調、裏を返せばビール不振が続いているという解釈になる。メーカー側にとっては、春先の新製品発売、リニューアルを控えての出荷調整段階と考えた方がよい。一方そのビールは12.7%減の1529.6万ケースと、特に家庭用の落ち込みが響いたとか。
アサヒは、「スーパードライ」が6.9%減になった一方で、発泡酒が20.3%伸ばしており、アサヒお決まりの1月大躍進の結果を出している。サントリーは、純生やダイエットが極度の不振でついに発泡酒依存率が58.4%と6割を切ってしまい、シェアも10%に届かず低迷が続いている。また、キリンはクラシックラガー缶の効果もあってビールの減少幅を1桁に抑えた。サッポロは主力の黒ラベル、生搾りが1割強減少した。

2003年12月のビール会社動向

2004-1-16日経産業、日経。12月のビール・発泡酒の出荷量は5494.8万ケースとなり、前年同月比0.8%増となった。2003年は ビール・発泡酒業界にとっては厳しい1年であったが、期末の12月は静かな締めくくりであった。ビールは同0.3%減の3603.0ケースとまずます、発泡酒は同3.2%増の1891.8万ケース、発泡酒比率34.4%となった。
アサヒは、ビール、発泡酒とも昨年比量拡大しており、シェアは39.8%と10月以降の好調をキープ。それに対してサントリーはビールは前年同期比並に数字を作った模様であるが、発泡酒が全然伸びずシェアは8.6%と低迷したまま期末を終えた。

2003年11月のビール会社動向

2003-12-11日経産業、日経。11月のビール・発泡酒の出荷量は3925.5万ケースとなり、前年同月比4.1%減となった。発泡酒についてはようやく回復傾向にあるが、ビールの落ち込みが大きく市場全体は一足早く冷え切ってきている状態。ビールは同8.8%減の2447.4万ケースで業務用を中心に一時に比べて落ち込み幅は小さくなっているという。一方、発泡酒は同5.0%増の1478.0万ケース、発泡酒比率は37.7%となった。
アサヒは、10月よりシェアアップし、年末年始に向けて拡販を開始といったところ。発泡酒は本生と本生アクアブルーの2枚看板が定着してきた。サントリーは若干足踏み状態。テコ入れを期待したい。

2003年10月のビール会社動向

2003-11-14日経産業、日経。10月のビール・発泡酒の出荷量は4058.1万ケースとなり、前年同月比5.1%減となった。ビールは同7.9%減の2381.3万ケース、発泡酒は同0.7%減の1676.8万ケース、発泡酒比率は41.3%と9月に続いて高率となった。キリンビール関係者のコメントとして「5月の増税の影響が残っている」とのことであるが、いい加減にしろといいたい。増税そのものは随分前に決定されたものであり企業としてその対策はとっていたはずではないか?今になってもこういうコメントが出るのは情けないですよ。
アサヒは、例年10月は小休止なのであるが、今年もちょっと夏の息切れが見られる。ただ7月発売の本生アクアブルー好調に支えられて全体的にはいい状態に見える。ただ、ビールの不振を挽回する戦略が見えてこないのが不安です。サントリーは、先月に続いて回復基調。シェア10%近くにまでになっている。

2003年9月のビール会社動向

2003-10-13日経産業、日経。9月のビール・発泡酒の出荷量は4253.3万ケースとなり、前年同月比2.5%増と5ヶ月ぶりに前年実績を上回った。昨年9月が、夏の発泡酒値下げ競争の余波があったという特殊事情があるため、単純に比較はできないが、今年は残暑の影響で出荷が増えたのは間違いない。ただ、発泡酒は前年比7.3%増の1756.8万ケースで、発泡酒比率が41.3%と再び4割台を回復しており、これが全体を押し上げたといえる。ビールも2496.5万ケースで、同0.7%減にとどまってはいる。
アサヒはスーパードライが前年比0.4%増となり、また発泡酒も本生アクアブルーが依然として好調であり、シェアも41%台。ただ、発泡酒依存率が急激にアップして30%を超えており、状態としては黄色信号と言える。サントリーはビール、発泡酒とも夏場の不振を盛り返しつつあり、シェアも9%台に回復した。

2003年8月のビール会社動向

2003-9-11日経産業、日経。8 月のビール・発泡酒の出荷量は4679.8万ケースとなり、前年同月比9.9%減と4ヶ月連続の前年割れとなった。全国的な冷夏の影響はあったが、メーカー曰く依然として5月の発泡酒増税の影響が残ったとのこと。いい加減、他責に逃げようとするメーカーの姿勢ではこの業界も発展はないでしょう。
ビールの出荷は10.6%減の3001.5万ケース。家庭消費に加えてビアガーデンや屋外イベントの需要も冷え込み、各社の主力商品は軒並み不振。発泡酒の出荷も8.6%減の1678.3万ケースと4ヶ月連続の減少。発泡酒比率は35.9%とここ4ヶ月は落ち着き気味。
アサヒは7月に発売した本生アクアブルーが好調を持続しており、またスーパードライも前年比4.5%減にとどまっており、シェアは42%にまで跳ね上がっている。サントリーはビールも発泡酒も今一つでシェアは8%台に低迷している状態。

2003年7月のビール会社動向

2003-8-13日経産業、日経。7月のビール・発泡酒の出荷量は4948.1万ケースとなり、前年同月比12%の減少と1992に現在の統計となってから最低となった。ビールは同16.0%減となり、発泡酒に比べ飲食店需要や屋外イベント需要が大きいが、長梅雨の影響が大きかった。発泡酒は、6月の若干の押し込みの影響も小さく、新製品効果もあって同4.1%減にとどまった。まあ長梅雨の時期は飲みには行かず、家庭で発泡酒というところか。また発泡酒比率は36.0%となった。新聞では、「5月の増税の影響が出ている」と分析されているが、ビール会社からの発泡酒増税に対する抵抗姿勢のコメントにしか過ぎず、むしろ2〜4月に発泡酒比率が40%を超えていたことが異常であり、正常に戻ったとみた方が正確だろう。
アサヒは、7月発売の本生アクアブルーが好調で目標以上の販売となり、シェアは40%、発泡酒依存率26.3%となった。ただ、主力のスーパードライは同14.8%減で、6月よりも販売量は減っており、ビール低迷の主原因を作っている。またアクアブルーが好調の影で、稔三昧がさっぱり、スパークスも存在感が薄れている。
サントリーは、発泡酒が同27%減で不振。シェアもついに8%台となった。発泡酒依存率は62.2%まで下がった。サントリーは発泡酒において多品種戦略をとってきたが、ここにきて曲がり角にきているように思える。またサントリーに限って言えば、発泡酒依存度が高い分増税の影響は否定できず、将来をにらめばビール部門のシェアアップに重きを置いた方がいいように感じる。

2003年6月のビール会社動向

2003-7-11日経産業、日経。6月は上半期の締めの月であるため、例年各社とも押し込み合戦をするのであるが、今年は静かに区切りを迎えた。「静か」というより「寂しい」と言った方がいいかもしれない。昨年6月はアサヒやサントリーがとんでもない押し込みをやったこともあり、これと単純に比較するわけには行かないが、ビールは前年比7.6%減、発泡酒は同16.0%減、トータル11.0%減と5月の出荷減さえ取り戻せない状態であったと言える。発泡酒比率は38.9%と5月よりアップはしたが、市場全体を押し上げるレベルではなかった。
アサヒは、シェア39.0%、発泡酒依存率22.5%と現在の実力通りのレベルになった。昨年、一昨年の押し込みの異常さに対して、今年はその内外からの批判から反省と、7月の発泡酒新製品発売に備えての戦略と推定される。
サントリーは、発泡酒依存率は65%まで回復したが、発泡酒全体の落ち込みの影響をもろに受けており、シェアも9%台。この5〜6月の低迷は不安がある。ビール、発泡酒両面でのテコ入れが必要であるが、ザプレミアムモルツから楽膳までの多品種戦略に若干の無理があるように感じる。

2003年5月のビール会社動向

2003-6-12日経産業、日経。5月のビール・発泡酒の出荷量は3884.1万ケースとなり、前年同月比17%の減少、4月に比べても18.5%減というとんでもない結果となった。発泡酒は前年同月比30.2%減と落ち込み、ビールも同8.4%減となった。これは、5月1日からの発泡酒増税で駆け込み需要が起きた反動と言える。昨年5月というと発泡酒の新製品ラッシュと安売りが過熱していたころであり、それと比較するのも変ではあるが、2〜4月の発泡酒比率の高さに対して、5月が33.1%にまで落ち込んだことは、一時的な異常とみた方がよい。決してビールへの回帰が見られるわけではない。むしろビール会社、流通の意図的な操作とみた方がよいであろう。というのも6月の中間決算期に供え、各社、特にアサヒは数字つくりに躍起になっているはずだからである。
そのアサヒは、トータルシェア39%、発泡酒依存率は19.5%であった。発泡酒に限れば4月に比べ出荷量は半減している。アサヒは「鮮度」を売り物にしているはずであるが、こんなに出荷に波があると、実際に消費者の口に入る時の鮮度にばらつきがでるはず。それとも、「鮮度」はただの宣伝文句であり、消費者が口にする時の鮮度は関係ないと考えているのだろうか。それから昨年は6月にしっかりと押し込みをやっているが、今年はどうでしょうか?考えれば考えるほど腹が立ってきます。
サントリーは、シェアは8.8%、発泡酒依存率は56.9%になった。発泡酒比率が高いため、発泡酒が振るわないとシェア維持は苦しいところ。ビール部門も健闘はしているが、もう少し力を入れてほしいものだ。

2003年4月のビール会社動向

2003-5-14日経産業、日経。4月のビール・発泡酒の出荷量は4764万ケースとなり前年同月比0.2%増と8ヶ月ぶりに増加した。これは、5月からの発泡酒増税前の駆け込み需要を狙って各社がキャンペーンを展開したことが大きく、発泡酒自身は同32.4%増となり、発泡酒比率はなんと48.2%と過去最高となった。ビールはその反動で同18.3%減となった。
アサヒはトータルシェア35.9%、発泡酒依存率は33.4%であった。2月以降発泡酒依存率がそれまでの20%前後から30%以上に跳ね上がっており、それとともにシェアが3ヶ月連続低下してきている。最近のキリンの動きを見ると、アサヒのシェアはキリンとほとんど拮抗していると推察される。アサヒの発泡酒の出荷は前年同月比約2倍になっているにかかわらずシェアがアップしていない状況から考えて、これからの夏期シーズンに対してアサヒは何らかの仕掛けが必要であろう。
サントリーはトータルシェア11.3%、発泡酒依存率は72.9%と発泡酒が拡大した分、シェアもついに11%を超えた。5月の発泡酒増税後を如何に乗り切るか、今後の動きに注目したい。
・・・それにしても発泡酒比率48%は大きい。これで3ヶ月連続の高率状態である。1ー4月のビール・発泡酒のトータルでも前年比3.6%減であるが、業務用ビールの不振が大部分を占める。不況の影響が如実に表れているとみていいのかな

2003年3月のビール会社動向

2003-4-11日経産業、日経。3月のビール・発泡酒の出荷量は前年同月比5.2%減の4114.7万ケースと、7ヶ月連続で減少した。ビールは同11.6%減となったが、ビール酒造組合によると「全国の平均気温が前年を3度下回るという寒さも響いた」とか。発泡酒は各社の新製品投入効果もあって同4.6%増となり、全体に占める発泡酒比率は43.4%と前月に引き続き高率となった。
アサヒはトータルシェア37.9%、発泡酒依存率は31.7%であった。2月、3月を見ていると、発泡酒スパークスはその味がビールのスーパードライとすみ分けするに到らず、むしろスーパードライのシェアを食っていると思われる。また、本生と合わせた発泡酒トータルの量も増えてはいないため、スパークスの発売でアサヒに黄色信号がともったように見える。
サントリーはトータルシェア10.9%、発泡酒依存率は70.0%で発泡酒が依然として拡大基調であり、シェアも安定してきている。 ・・・今年になってビール・発泡酒市場は低迷している。1ー3月のトータルの出荷は前年比5.3%も減少しており、危機的な状況であると言える。発泡酒比率も2ヶ月連続4割を超えているおり、ビールメーカーの発泡酒への傾倒が益々市場を縮小させているのは明らかである。

2003年2月のビール会社動向

2003-3-13日経産業、日経。2月のビール・発泡酒の出荷量は前年同月比6.4%減の3214.5万ケースと、6ヶ月連続で減少した。 発泡酒も前年同時期に行った10円値下げキャンペーンの反動で同0.1%減となったが、新製品が相次いだことや、ビールが11.2%減と相変わらず低迷したことから、全体に占める発泡酒比率は46.4%と過去最高となった。
アサヒはビールはスーパードライが前年同月比7%減、1月発売の穣三昧も今一つの反応であった。発泡酒は、新製品スパークスの発売をしたため、本生の出荷を抑えており、発泡酒トータルの出荷はほぼ前年並みになったが、ビール不振の影響で、発泡酒依存率35.8%に跳ね上がった。
サントリーは、発泡酒が、爽快仕込がやや落ち込んできているものの、純生、スーパーマグナムドライ、ダイエットがいずれも堅調で、発泡酒依存率は68.2%と上昇し、トータルシェアは10.8%と10%以上を安定にキープしてきた。
・・・アサヒは、1月にビールの新製品を久しぶりに出し、2月は発泡酒の新製品を出したが、かつてのスーパードライでシェア1位をとった時のような勢いを取り戻せてはおらず、むしろ自社の銘柄同士で食い合いを始めているように見える。

2003年1月のビール会社動向

2003-2-14日経産業、日経。大手5社のビール・発泡酒出荷量(課税ベース)によると1月のビール・発泡酒の出荷量は前年同月比4.0%減の2734万1千ケースと5ヶ月連続で減少した。ビールは11.2%減と34ヶ月連続の減少。各社主力ブランドが軒並み苦戦した。平均気温の低下に業務用の不振も重なった。一方、発泡酒は12.2%増と7ヶ月連続で増加。全体に占める発泡酒比率は35.9%となった。・・・1月は年末需要とメーカーの押し込みの影響で例年極端に出荷が落ち込みます。したがって、このタイミングを狙って特定メーカーが小細工をしない限り、寂しい月となります。ただ、この冷え切った実績で今年を占うとすれば、やはり、景気の低迷からくる業務用の落ち込みと、ビール・発泡酒がの個人消費の割合が増えて益々発泡酒比率が上がってくるということでしょうか。


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