今月の話題 2004年8月

たらお皮膚科での脱ステロイド療法


脱ステロイド療法とは、今まで使用していたステロイドを減量または中止する治療法と考えています。
一般の皮膚科の常識では「考えられないこと、不可能なこと」を実行するわけですから、患者さまのご理解、努力、体力、忍耐力が伴わなければ成功しません。また、医師との信頼関係の構築も不可欠です。
一番問題になるのはアトピー性皮膚炎です。
脱ステロイド療法には、漢方、水治療、温泉、光線、注射、化粧品・・・・とさまざまな方法があります。
たらお皮膚科では、現在の保険診療で処方できる薬を補助にして(もちろん一部の例外を除いて必須ではありません)「生活習慣の改善」を柱に、自然治癒力で治すのを目標としています。
もちろん脱ステロイドを行っても皮膚炎が再発することはありますが、軽症ですみます。再発しないことを保障するものではありません。脱ステロイド療法を受けられる方は下記の項をお読みください。

1)ステロイドを急に止める、または徐々に減らして行っても、ある時点から急に悪化すること(リバウンド、離脱症状、拙著115ページ参照)が出ることを覚悟しなければなりません。会社や学校へ行くことが出来なくなることもしばしばあります。またリバウンドの時期、期間は予測できません。もし、現在の状態より一歩も悪化させたくなければ、いつまで経ってもステロイドを止めることは困難です。

2)ステロイド未使用の方と比較すると、外用薬の副作用(主にかぶれ)や内服薬の副作用(主に薬疹)が出る頻度がとても高い傾向があります。

3)いろいろの合併症(白内障、カポジー水痘様発疹症、細菌感染症など)が出やすい傾向があります。

4)細菌感染症やウイルス感染症に対する薬以外は補助です。基本的には生活習慣の改善で治します。


なお、プロトピック軟膏もステロイドと同様に考える必要があると思います。