皮脂欠乏性湿疹およびうっ血性症候群

作成 たらお皮膚科

皮脂欠乏性湿疹 皮脂欠乏性湿疹 うっ血性症候群 静脈留
うっ血性症候群静脈留を伴う) 皮斑(リベド症状)の代表
大理石様皮膚
陰茎の非性病性硬化性リンパ管炎 レイノー現象
うっ血性症候群の初診時(かゆみが激しい) 「処方4」で治療後約3週間(かゆみなし)。ステロイド使用歴なし。


皮脂欠乏性性湿疹は中年や高齢者の下腿、腰部、臀部、上肢などに生じる、かゆみを伴う皮膚乾燥による湿疹です。最近では比較的若い年令にも見られる場合があります。アトピー性皮膚炎の初期的な病状とも言えます。冬期に発病し、夏には自然治癒します。毎年同じ症状を繰り返します。セラミドの減少と関係があるといわれています。貨幣状湿疹に移行することが多いので、早めの治療が必要です。

うっ血性症候群は、下肢の静脈留などの静脈血流不全によって生じる。外用剤によるかぶれが発生しやすいので気をつけましょう。難治性下腿潰瘍に発展すると、治癒が困難になるので早目の治療が大切です。立ち仕事の時間が長いと治りにくいので気をつけましょう。

大理石様皮膚は、皮斑(リベド症状)の代表的な症状で、真皮・皮下脂肪組織境界部の小血管部の狭窄とそれによるうっ血により生じます。下肢に多く、機能的で一過性のものです。小児に多く寒冷により著明になり、保温により消失します。
基礎疾患がある時は、静脈の変化による場合を網状皮斑、動脈の変化による場合を分枝状皮斑といいます。この場合は持続性で冷感、しびれ感があります。基礎疾患には動脈硬化、高血圧、膠原病などさまざまな病気があります。

陰茎の非性病性硬化性リンパ管炎(最近は静脈由来の場合はpenile Mondor's phlebitis と呼ぶ)は原因不明ですが、刺激が誘因の一つと考えられます。