Ficus クワ科フィクス(フィカス)属
フィクス・ペティオラリス Ficus petiolaris
フィクス・ペティオラリス Ficus petiolaris 成長旺盛なので成長期が終わればボサボサになる
フィクス・ペティオラリス
Ficus petiolaris
メキシコのバハカリフォルニアとソノラから南のオアハカ原産

 ハート形の葉、赤い葉脈を持つフィクス・ペティオラリスは、ボトルツリーというより観葉植物として扱われています。

 フィクス(フィカス)属は、全世界の温帯~熱帯に分布するかなり大きな属で、ここには、観葉植物としてポピュラーな「インドゴムノキ(Ficus elastica)」、「カシワバゴムノキ(Ficus lyrata)」、「ベンジャミーナ(Ficus benjamina)」や、琉球では精霊キジムナーの宿る木である「ガジュマル(Ficus microcarpa)」、果樹では「イチジク(Ficus carica)」、そしてゴータマ ・シッダッタが樹下で悟りを開きブッダ(目覚めた人)となった「インドボダイジュ(Ficus religiosa)」等有名・有用な植物が多くあります。

 熱帯に分布するフィクス(フィカス)属の植物、例えば「ベンガレンシス(Ficus benghalensis)」等は、はじめは他の植物に着生し、這い上り、その後成長に伴い自身の支えとなっていた植物を絞め殺してしまう「絞め殺し植物」として有名な種類です。
 フィクス・ペティオラリスも自生地では根が岩上を走り、岩を締め付ける生態を持ちます。

 このフィクス・ペティオラリスは、多肉植物とかコーデックスとかでカテゴライズされ流通する株では、根元が太ったものが見られ、いかにもなボトルツリーの様相がありますが、実際の自生地の成木は、一般的な樹木の態でありボトルツリーではありません。同様に、近似種で多肉植物とかコーデックス扱いされる「フィクス・パルメリ(Ficus palmeri)」も同様です。
 根元が太った姿は、高さを抑えて仕立て、鉢植えで抑制した栽培をした場合にみられる特徴であると考えられます。温室内地植えで自由気ままに育てた場合、自生地と同様、つまらない?一般的な樹木になります。

 栽培的には、特記することはなく、多肉植物というよりは観葉植物として扱ったほうが良く、極端な乾燥は嫌います。前述のように、きちんと仕立て、抑制した栽培をしないと、ボトルツリーの特徴を失うので注意が必要です。逆に言うと、栽培家の仕立ての技術がこの植物を美しくするといっても良いでしょう。
 写真の私の栽培品は、棒苗から仕立てたもので、仕立ての経過については以下を参照されたい。

*本項に記載の「ガジュマル(Ficus microcarpa)」については、「生ける支柱キジムナー計画」を参照。

【仕立ての経過】

(1) 2010.06.29 棒苗であった状態

(2) 2010.09.09 主幹剪定

(3) 2010.09.09 萌芽

(4) 2011.05.21 枝吹きがいい感じになってきてる状態。
枝を整理しながら、追い込んでいく。
フィクス・ペティオラリス Ficus petiolaris (5) 10年後の状況