1999年7月


7月

ヒサコーボンバー、人気に応えて順当勝ち!
 (7/3、阪神・オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着ヒサコーボンバー60北沢 伸也牡・73:31.5
2着バリアントバイオ60熊沢 重文牡・73:31.6  3/4
3着ナリタハヤテ59酒井 浩牡・53:32.6
4着コミュニケーター59植野 貴也牡・63:38.7大差
5着マイネルパープル59出津 孝一牡・53:42.5大差
6着ダッシュホーラー59嘉堂 信雄牡・63:44.3大差
中止キゼンラック60川合 達彦牡・5落 馬
単 (4) 180     複 (4) 110 (3) 150
枠 3−4  250雨・不良
(レース)
 スタートから低い飛越でハナを奪ったバリアントバイオを1番人気のヒサコーボンバーが追いかける形。終始前2頭が楽にレースを進め、最後はマッチレースとなった。最後の直線での可動式障害の飛越後、 ヒサコーボンバーが抜け出しをはかるも、内のバリアントバイオが懸命に粘り、ゴール前では2頭の叩き合いとなった。結局最後はヒサコーボンバーが3/4馬身抑えて押し切った。 3着以降はバラバラの入線、実力差がはっきりと見えた結果となった。

(結果分析)
 ヒサコーボンバーは前走でオープンでも互角に戦えることが証明されており、前走以上にメンバーの質が落ちたここで負けるわけにはいかなかった。 中京のオープンぐらいのメンバーになった時に通用するかはまだ分からないが、重賞でも大崩れはしない実力は備えている。バリアントバイオは平地を使って再度障害戦へ。 最後まで踏ん張っており、昇級戦としては上々の内容。飛越が低く力任せに飛んでいたためスピードは落ちなかったが、やや雑に映った。 間が開いていたことも影響していたようだ。叩かれて次はさらに良くなりそうで、飛越が安定してこれば平地力もあり、オープンでも活躍できそうだ。 ナリタハヤテは道悪、相手に恵まれ3着に頑張った。前2頭にもそんなに負けてはいないので、スピード不足をカバーできる道悪ならば今後も狙えそうだ。 コミュニケーターは久々の影響があり、途中で息切れ。次の変わり身に期待したいが・・・。マイネルパープルは不利があったものの、どちらにしても着順は変わっていなかっただろう。 オープンでは力不足。ダッシュホーラーは初障害でオープンでは荷が重い。レース振りから未勝利で通用するかも疑問だが・・・。キゼンラックはたすきコースでバランスを崩して落馬。 放馬してからはマイネルパープルの進路をまともにふさぐ斜飛とダートコースとの境のラチを飛越したことが印象に残った。

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7/10・福島5R オープンの結果

着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手タイム着差人気
111メジロブロス760横山 義行3:43.62
277エアファントム760鈴木 寿3:43.6  クビ1
344キングスロード656▲江田勇亮3:44.02. 1/23
433フジミシドニー859田中 剛3:44.63. 1/24
522リネンツバサ759大江原 隆3:46.9大差5
666タガノゲール760酒井 浩3:47.32. 1/26
755チアズロッキー861三浦 堅治3:48.17
単 (1) 320     複 (1) 160 (7) 120
枠 1−7  270晴・良


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ロングイカロス、一気の末脚で重賞制覇!!
 (7/18、小倉サマージャンプ)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着ロングイカロス56植野 貴也牡・53:43.0
2着フライトスズカ59北沢 伸也牡・83:43.3
3着トキオワイルド60.5林 満明牡・63:44.3
4着ナリタハヤテ56酒井 浩牡・53:44.4  3/4
5着バリアントバイオ58熊沢 重文牡・73:44.82. 1/2
6着ローズコンテッサ55合谷 喜壮牝・53:45.3
7着シートラスト56川合 達彦牡・53:45.4  3/4
8着ゴーカイ60田中 剛牡・73:45.71. 3/4
9着ウチュウノキセキ58嘉堂 信雄牡・53:48.1大差
単 (4) 2730     複 (4) 580 (6) 230 (5) 160
枠 4−6  9080     馬 4−6  9140曇・良
(レース)
 1番人気のバリアントバイオがハナを奪い、ローズコンテッサが2番手、その後にゴーカイ、トキオワイルドの人気馬が続いた。たすきコースに入るまでは前4頭と後ろには差があったが、順まわりになり、正面の3つの障害飛越後は1つの集団になっていた。 そしてレースが動いたのが最後から2つ目を飛んだ後の3、4コーナーの長く続く平地。前2頭に代わってフライトスズカが絶好の手応えで抜け出すして直線に。最後の障害飛越後はフライトスズカの押し切りかと思われたが、前半でうまく脚をためたロングイカロスが短い直線をもろともせず大外から差し切った。 結局前崩れのレースとなり、人気の上位3頭は揃って敗れた。

(結果分析)
 ロングイカロスは前半は無理をせず、じっくりと構える競馬。順まわりになって正面の3つの障害辺りから徐々に差を詰める。平地力を要する3、4コーナーでも内で仕掛けを遅らせる植野騎手の好騎乗が光り、最後の直線ではハンデ差があるとは言え、大外から素晴らしい末脚を繰り出して差し切った。 未勝利を勝って、いきなり昇級戦が重賞となったわけだが、デキの良さと軽ハンデが手伝っての見事な重賞制覇を成し遂げた。現在、関西で一番障害オープンのお手馬が充実している植野騎手にとって、秋の重賞戦線はこの馬も加えてますます目が離せなくなった。 フライトスズカは4角で先頭に立つ積極的な競馬。先行した馬を一気に飲み込んだ4角でまくってきた脚から勝てそうな感じはしたが、最後はロングイカロスの末脚に屈した。しかし、古豪健在をアピールするに十分のレースだった。これぐらいのメンバーならばやはり上位を窺える力を兼ね備えている。 トキオワイルドは勝負処でやや置かれてしまい、最後伸び切れなかった。ハンデの影響もあるが、重賞ではやや決め手を欠いているような気がする。展開の味方が必要だ。ナリタハヤテは後方からじっくりと行ったため、最後はそれなりの脚を見せ4着に健闘した。しかし、展開利が大きかったことは言うまでもなく、 決めて勝負になるとどうかと思う。バリアントバイオはつつかれながらの逃げで息が入らず、最後失速した。飛越はどちらかと言えば低くスピードタイプであり、うまく息が入る流れでないと苦しいか。ローズコンテッサは飛越は抜群だが、平地力とスタミナに不安を残す結果となった。キャリアの少ない5歳馬なので、 これからも伸びる余地はあり、力をつけてこれば面白い存在にはなってくるだろう。シートラストも同様に平地力がなく敗れたが、成長力に期待したい。ゴーカイはスンナリの競馬ができないと脆いようで、このレースでは全くいいところなく惨敗した。中京のオープンの時と同じく、 関西の障害オープン馬の壁にぶつかっているようだ。ウチュウノキセキはどう見ても中山向きの障害馬。飛越はあまりうまい方ではなく、スタミナ型である。休み明けもあったが、中山コース以外ではやはり狙い目は薄そうだ。

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植野騎手、JRA通算100勝&重賞初制覇!!

 小倉サマーJでロングイカロスに騎乗した植野貴也騎手は、直線で大外から見事な差し切り勝ちを収め、自身初の重賞制覇を達成するとともに、JRA通算100勝をも達成するメモリアル勝利となった。 今年の植野騎手はこれまで障害で7勝を挙げて、障害リーディングのトップに立っている。昨年から障害に騎乗するようになったが、本格的に乗り始めた今年の1月に障害初勝利を収めると、 それからはトントン拍子でここまでたどりついてきた。お手馬には、このロングイカロスの他にヤスノテイオー、ジェイキングとこれから活躍が期待できる実力馬がおり、これからも目が離せない!!


ジェイキング、圧倒的な強さで2連勝!!
 (7/24、新潟・オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手タイム着差人気
133ジェイキング760植野 貴也3:01.02
222トピカルコレクター760大江原 隆3:02.13
3812シャドウクリーク759山本 康志3:02.81
445リマインドシルク758古川 寛和3:03.11. 3/47
557メイトウロドリゴ660川合 達彦3:03.1 クビ6
6711ダンケクリスタル658栗原 洋一3:03.2 1/29
744マイメモリー859浜野谷憲尚3:03.3 クビ11
868ラグビーギャラント761三浦 堅治3:03.4 3/44
911カミノリファード859鈴木 寿3:05.6大差10
10813オンワードシンザン557横山 義行3:05.7 1/212
11710ラビットコスモ558成田 均3:07.4大差5
1256タカノポラリス557▲江田勇亮3:09.2大差8
1369マイネルパープル559出津 孝一3:10.413
単 (3) 270     複 (3) 110 (2) 200 (12) 110
枠 2−3  910     馬 2−3  890曇・良

 阪神の障害未勝利戦を好時計で快勝したジェイキングが昇級の壁を全く感じさせぬレース振りでここもあっさりと突破、2連勝を飾った。道中は手応え十分でじっくりと構え、 3角で楽に先頭に立つと後続を寄せ付けず、最終障害後には再び差を広げ、2着馬に7馬身の差をつける圧勝劇を演じた。向正面の3連続障害の最初の障害でややバランスが崩れたものの、 大して気になるものではなく、その他の飛越は全く問題がなかった。抜群の飛越センスを備え、平地力、スタミナも十分。自在に動ける幅のあるレース振りも評価できる。 実力は間違いなく重賞級である。鞍上の植野騎手もこの勝利で今年の障害8勝目。今年の秋はこのコンビから目が離せない! 2着のトピカルコレクターもなかなかの実力を秘めている。 最後の直線の脚は鋭いものがあった。飛越に安定性が出てこればもっとやれそうだ。シャドウクリークは休み明けとは言え、これまでと同じく最後伸び切れない。 平地戦で見せる末脚の切れは障害戦においては見せたことがない。飛越に余分なスタミナを使うために伸び切れないのだと思う。今後もレースでは人気になりそうだが、 過大評価は禁物。特に距離が伸びる重賞戦では苦しい戦いが強いられそうだ。リマインドシルクが2走目で復調気配を漂わせるレースを見せた。次はさらに期待しても良さそうだ。 メイトウロドリゴは積極的なレースを見せたが、最後はやや伸びを欠いた。昇級緒戦にしてはまずまずの内容で、メンバー次第でオープンでも通用することが分かった。 ラグビーギャラントの敗因は斤量も微妙に影響しているが、まだ本調子に戻っていないと言うことだろう。8着ではあるが、着順ほど負けてはいない。次の新潟戦では斤量が楽になるので、 そこで真価を発揮してほしい。

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着差以上の完勝でエイシンワンサイド2連勝!!
 (7/31、小倉・オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着エイシンワンサイド60熊沢 重文牡・53:09.5
2着シートラスト60川合 達彦牡・53:09.92. 1/2
3着ローズコンテッサ56△白浜雄造牝・53:11.2
4着タガノゲール60酒井 浩牡・73:12.4
5着メイショウダリウス59嘉堂 信雄セ・53:13.4
6着マイネルパープル59出津 孝一牡・53:13.71. 3/4
7着コミュニケーター59植野 貴也牡・63:15.5大差
単 (1) 150     複 (1) 120 (7) 410
枠 1−7  900晴・良
(レース)
 スタートでややダッシュがつかなかったエイシンワンサイドだったが、正面の3連続障害で逃げるタガノゲールに競りかけ、順まわりの向正面で振り切ると、 あとはそのまま後続を振り切って押し切った。2着にはシートラストがゴール前でエイシンワンサイドに詰め寄ったが、届かなかった。

(結果分析)
 エイシンワンサイドは飛越が巧く、スピードが落ちない。平地での実績から考えると、障害転向は大成功だったように思う。 今回はいささか相手に恵まれた感が強いが、飛越の巧さで勝ち上がっていく馬は大きく崩れるケースが少なく、相手が強くなっても通用する実力はありそうだ。 おそらく相手が強くなるであろう次回のレースが試金石になりそうだ。シートラストも飛越力で勝負するタイプ。平地力で見劣るが、今回のメンバーでは他も平地力を武器にスピードで押し切る馬がいなかったため通用した。 とは言え、レースを重ねていくたびに力をつけてきているのも事実。これぐらいのメンバーならば今後も上位にはこれそうだ。ローズコンテッサは前走とは違い、 じっくりとレースを進めたため最後はそれなりに伸びてきたが、最後は前2頭と同じ脚色。距離短縮、相手関係を考えると、もう少し積極的に前に行っていても良かったように思うが。 タガノゲールはエイシンワンサイドに突き離されると、その後は余力が残っていなかった。4着だが、次走以降につながる内容とは思えない。昨夏の勢いがなく、ピークは過ぎたのだろうか? メイショウダリウスは未勝利馬ながら5着に健闘。マイネルパープルは完全に頭打ち、コミュニケーターはまだデキが戻っていないのか、それとも・・・。

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