1999年4月


4月

4月3日はストのため競馬中止

 4月3日はストのため中央競馬の全レースが中止となった。障害競走では、インターナショナルジャンプジョッキーズ(1)が中止になった。 海外から2つのレースを騎乗するために駆けつけた5人に対して全く配慮がなされていない結末となった。 おそらく関西の出場騎手の面々にとってもこの中止は非常に痛かっただろう。

インターナショナルジャンプジョッキーズ(1)の出走予定馬


インターナショナルジャンプジョッキーズ(2)競走の成績

着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手タイム着差人気
158マイネルタスク760栗原 洋一3:02.21
246ゴーカイ760A.マドレーヌ3:02.41. 1/27
3814トクノライアン660大江原 隆3:04.8大差9
422スペシャルエンボイ660W.スミス3:06.18
5712ルーブルキング660横山 義行3:06.2  3/44
657シゲサンライズ559浜野谷憲尚3:06.3  1/214
733ウインドフィールズ960三浦 堅治3:06.4  1/22
834キングチェアマン559田中 剛3:07.16
9610シャンブラザー760W.ハーネット3:07.3  3/410
1011エーピーハーン559田口大二郎3:08.013
1145カイジンオペラ559成田 均3:08.53
12711ケイエムフライト557D.ケイシー3:08.92. 1/211
13813セントリョウマ559K.ゴール3:09.11. 1/25
1469インタークリエイト559山本 康志3:14.6大差12
単 (8) 230     複 (8) 140 (6) 340 (14) 430
枠 6−8  560     馬 4−5  2160曇・良

 海外の5騎手が招待されたが、人気馬への騎乗がなくあまり目立たなかった中、 フランス代表の女性騎手・A.マドレーヌ騎手騎乗のゴーカイが直線で1番人気のマイネルタスクに並びかけて歓声が上がった。 最後は平地力で優るマイネルタスクに屈したが、好騎乗ぶりが光った。

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東西で合わせて9頭落馬・・・(4月10日)

 中山、阪神ともに未勝利戦で落馬が続出したが、馬、騎手に特に大したケガがなかったのだけは救いであった。


初代障害G l 馬はメジロファラオ!!
 (4/11・中山10R 中山グランドジャンプ)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着メジロファラオ62大江原 隆牡・64:56.2
2着10ケイティタイガー62田中 剛牡・74:57.2
3着ヨイドレテンシ62嘉堂 信雄牡・114:59.2大差
4着ビクトリーアップ62横山 義行牡・94:59.9
5着イチバンリュウ62金折 知則牡・75:00.32. 1/2
6着フジノセイガイハ62出津 孝一牡・55:04.5大差10
7着イブキハイシーザー62林 満明牡・65:04.81. 3/4
8着チアズロッキー62三浦 堅治牡・55:04.8  ハナ
9着ゴッドスピード62西谷 誠牡・65:06.7大差
10着ファイブポインター61岡富 俊一牡・85:12.2大差
単 (5) 1490     複 (5) 330 (10) 260 (7) 980
枠 5−8  2420     馬 5−10  4550雨・不良
(レース)
 阪神スプリングJ同様ファイブポインターが逃げる展開でレースは流れた。2番手にメジロファラオ、その後にケイティタイガーが続いた。 勝負処の大竹柵障害を10頭が無事に飛越し、隊列に変化はなかった。逆回りから2度目のたすきコースに入り、大生け垣障害ではファイブポインターが外にバランスを崩す飛越、 これがロスとなり、メジロファラオが先頭に立った。ここからはメジロファラオが後続を離してのレースとなった。向正面の竹柵で大きくバランスを崩し危なかったが、何とか立て直した。 最終障害を飛越しケイティタイガーに詰められるも直線では逆に突き離し、6馬身の差をつけて快勝した。2着は勝ちに行って最後やや一杯になったケイティタイガー。

(結果分析)
 メジロファラオはうまく折り合って2番手から。大生け垣後に押し出されて先頭に立ってからは、飛越がやや危なかったものの後続との差はあまり縮まらず、直線ではもうひと伸びを見せ快勝した。メジロファラオ、大江原騎手はともに重賞初制覇となった。 展開面も味方し、他が馬場を気にした分有利に働いたのも要因だが、堂々のG l 制覇であった。今後は追われる立場になるが、スタミナ勝負になった時にはこの馬が一番のようだ。秋の中山大障害も期待できそうだ。ケイティタイガーは最終障害から一気に差を詰めて勝ちに行くも、 最後の直線でやや一杯。メジロファラオに突き離されてしまった。だが、3着以下には大きく差をつけた。経験がモノを言った結果となったが、この馬の安定したレース振りには頭が下がる。11歳馬とは言え、全く衰えを感じさせないし、中山大障害馬の意地も見た感じがした。 まだまだ一線級の実力を保っている。ヨイドレテンシは2走目で変わり身を見せた。持ち味のスタミナをいかんなく発揮し、前評判の低さを跳ね返す3着に好走した。やや詰めの甘い面はあるが、道悪でスタミナのいるレースになればこの馬の出番は多くなるだろう。 ビクトリーアップは飛越自体は問題なかったが、秋とは違い最後伸び切れなかった。まだ本調子には一息の感があり、得意の東京での巻き返しに期待したい。イチバンリュウもいつもの末脚の切れがなかった。道悪が応えたか、地味なレース振りだった。 1番人気のゴッドスピードは抑えたのが裏目に出て掛かり気味のレースとなり、最後は息切れ。終始全く見せ場なく惨敗した。スピードタイプの同馬にとって、スタミナを要するレースは不向きである。このレースはこの馬の力が発揮される舞台ではないように思う。 ファイブポインターも同様。大生け垣で外によれて大きくロスした後は全くレースにならなかった。この馬もスピードタイプで、おそらく大生け垣を無事飛越していても最後は直線で息切れしていたように思う。阪神と中山ではコース形態がまるで違い、 大障害、バンケットなど過酷なコースとなっており、「阪神から300mの距離が延長されるだけ」という要素で距離を克服できるものではない。このレースでそれが実証されたように思う。道悪でさらにスタミナを要したレースになったのも、スピード型の馬には辛かったようだ。
 とは言え、10頭がすべて無事に完走できたのは何よりで、さすがにG l に出走する馬は飛越に自信がある面々だと言うことを感じたレースだった。 (確かに危ない場面は多かったが・・・。)

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大江原騎手、重賞初制覇!

 先日JRA通算100勝を挙げた大江原騎手が、今度は重賞初制覇を達成した。しかもG l 制覇のおまけつきである。 昨春の東京障害特別(ノーザンレインボー)などチャンスはあったが、なかなか手が届かなかった重賞制覇だけに喜びもひとしおだろう。 また、ゴール前のガッツポーズも印象的なものだった。


休み明けも何のその、レガシーロック圧勝!!
 (4/17・阪神5R オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着レガシーロック55▲白浜雄造牡・53:28.9
2着12シンメイアユチ59植野 貴也牡・63:30.412
3着カブトフドオ60合谷 喜壮牡・53:30.61. 1/4
4着マキシマムプレイズ59林 満明牡・53:31.1
5着13フライトスズカ60北沢 伸也牡・83:31.2  クビ
6着タイヨーテースト59出津 孝一牡・53:31.9
7着シリウスランド60佐伯 清久牡・63:32.0  3/411
8着14ウチュウノキセキ60嘉堂 信雄牡・53:32.1  クビ
9着リンクローレル60金折 知則牡・63:32.2  クビ
10着シャンパンファイト63大江原 隆牡・93:32.3  1/2
11着メイショウクマタカ59西谷 誠牡・53:33.1
12着11ナリタハヤテ58酒井 浩牡・53:35.1大差10
13着10メイトウマサムネ59岡富 俊一牡・63:36.8大差14
14着ダンディウラノス59藤井 正輝牡・73:37.913
単 (9) 810     複 (4) 360 (12) 930 (5) 210
枠 3−7  6590     馬 4−12  31600晴・良
(レース)
 先手を奪ったレガシーロックがうまくスローに落とす展開。最終障害後は離す一方の楽勝。36.9の上がりタイムでは後続は何もできない。 シンメイアユチは先行してうまく立ち回り、2着を確保した。

(結果分析)
 勝ったレガシーロックは休養明けを全く感じさせない快走ぶり。上がり36秒台では後続の逆転は不可能である。スローにペースを落とせたのが好走の要因だろうが、 それにしても9馬身をちぎる強さは際立った。休養前もスピードのあるところを見せていたが、一回りパワーアップして戻ってきた感がする。斤量の55kgも味方した。 重賞戦線でも楽しみな存在である。シンメイアユチはうまく立ち回って2着を確保した。スローペースの先行集団から抜け出してきた。昇級後もそれなりには好走していた馬で、 展開が向いたこともあってソツのないレースができた。オープンなら通用する。カブトフドオは休み明けの影響か、スタートがイマイチ。道中の行きっぷりも本物ではなかったが、 最後は外から伸びて3着に突っ込んできた。先行馬ペースに流れた中でこの馬は差しての3着、内容は良い。放牧明けを叩かれての良化が見込める次は要注意だ。 マキシマムプレイズは先行集団から4着に残った。前に行ければ前走のようなことはない。まだまだ成長の余地のある同馬、これからである。フライトスズカは前走をきっかけに差すレースに転身してきた。 今回は展開が向かず、やや早仕掛けになってしまっただけ最後甘くなったが、安定して上位の成績を残している。展開利さえあればチャンスはありそうだ。タイヨーテーストは前走の疲れが残っていたのか、 中団ままに終わってしまった。上がりのかかる流れの方が良かったのか? シリウスランドは骨折明けにしてはまずまず。次の次ぐらいがチャンスか。ウチュウノキセキは中山での強さが阪神では生かされない。 それでもオープン勝ち以前よりは駆けている。リンクローレルは障害未勝利戦の時のスピードが影を潜めていた。楽にハナを奪えなかった事で脆さが出てしまったのだろうか? シャンパンファイトは斤量がきつかった。勝ち馬と8kg差では・・・。

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カブトフドオ、人気に応えて3勝目!
 (4/24・京都5R オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着カブトフドオ59合谷 喜壮牡・53:33.7
2着シンメイライコウ57西谷 誠牝・63:33.7  クビ
3着トキオワイルド60林 満明牡・63:35.6大差
4着フィールドエフワン59小林 徹弥牡・83:35.7  クビ
5着10シンメイアユチ56▲白浜雄造牡・63:36.12. 1/2
6着オンエア58藤井 正輝牡・53:36.1  クビ
7着12エイシンフージン59川合 達彦牡・73:37.710
8着サンライズスペック59上籠 勝仁牡・73:38.611
9着オンワードアトゥ60高橋 康之牡・73:39.112
10着フラッシュオブワン59酒井 浩牡・73:42.7大差10
11着11シロキタガリバー58岡富 俊一牡・53:46.4大差
中止ホーマンランドオー59熊沢 重文セ・9落 馬
中止13メイトウマサムネ59金折 知則牡・6落 馬13
単 (8) 390     複 (8) 180 (9) 400 (2) 160
枠 6−6  2940     馬 8−9  2860晴・良(ダ・稍重)
(レース)
 積極的にハナに立ったエイシンフージンがレースを引っ張る展開となり、シンメイライコウは2番手、オンワードアトゥが3番手、人気どころの馬は中団からやや後ろに固まっていた。 2周目に入ると徐々に上がってきていたカブトフドオが4番手まで押し上げていた。早目に先頭に立ったシンメイライコウはマイペースで進み、最終障害を先頭で飛越し押し切りを狙うも、 開いた内からカブトフドオが追ってきて一騎打ちの叩き合いとなった。最後はカブトフドオが競り勝った。

(結果分析)
 カブトフドオは前走を叩かれて上昇、連闘も苦にしないレース振り。4角で並んで叩き合いに持ち込んで競り勝つという、この馬の勝ちパターンになったのが勝因に違いないが、 今回はミスもなく、完璧なレースができたのではないだろうか。スタート後の最初の障害飛越後に落馬した騎手をよける不利もあったがものともせず、着差以上に強いレースだったように感じた。 京都JSでも好勝負が期待できそうだ。シンメイライコウは2周目の向正面で先頭に立つと、そのまま楽にレースを進められたが最後はカブトフドオとの競り合いに屈した。 展開利があったことも否めないが、3着以下に大差をつけており力のあるところを十分に見せつけた。トキオワイルドは今回も先行することができず、苦しいレースとなった。 上位2頭には差をつけられたが、最後は伸びて3着に入ってきているのだから力はある。スンナリと先行してレースができた時こそこの馬の力が発揮されるだろう。 フィールドエフワンも道中ゴチャついたせいもあり、最後は前との差が詰まらずに4着に敗れた。最後の末脚はなかなかだったが、 前も止まらなかった。もう少し器用なレースができれば、一気に前を差し切るレースも可能だろう。シンメイアユチは先週ほど前に行けなかったのは、落馬した馬による不利が大きかったためだ。 それに尽きる内容だった。オンエアは豪快な末脚を繰り出せないまま敗れてしまった。ややスムーズさにかけたレースだっただけに、次の巻き返しに期待したい。ホーマンランドオーは勝負どころで躓いて落馬。 馬にはあまりダメージが残るようではなかったので、このレースだけではまだ見限れない存在である。

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