1999年3月


3月

所属変更+厩舎開業

3月1日付の騎手の所属変更は以下の通り。(関係分)

 成田均騎手    フリー → 根本厩舎
 嘉堂信雄騎手   フリー → 飯田厩舎
 酒井浩騎手    武邦厩舎 → フリー

また、障害騎手として活躍した中竹師、池添師が3月1日より厩舎を開業する。


3/6・中山5R オープンの結果

着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手タイム着差人気
167サンライトストーム759田口大二郎3:35.75
256ドングリ760嘉堂 信雄3:37.3102
3812ウチュウノキセキ559栗原 洋一3:37.4  クビ11
468メジロバルカン760▲白浜雄造3:37.4  アタマ1
511ダブルサンキュー661横山 義行3:37.5  3/43
622フジノセイガイハ660浜野谷憲尚3:39.06
755チアズロッキー861三浦堅治3:39.34
844メイトウマサムネ659成田 均3:39.4  クビ9
9710レディーリベロ757山本 康志3:39.61. 1/27
1033メジロスパーク660鈴木 寿3:40.18
1179カオス756▲佐藤年毅3:42.9大差10
中止811アルピニスト759大江原 隆落 馬12
単 (7) 2320     複 (7) 440 (6) 160 (12) 1530
枠 5−6  350     馬 6−7  2950晴・良
(ひとこと)
 果敢に逃げたサンライトストーム、最近は息切れして失速するケースばかり目立っていたが、今回は違っていた。単騎で気分よく障害をスイスイ飛んでいき、直線でもうひと伸び。結局10馬身差の圧勝劇を演じた。 スピードはオープンでも十分通用する同馬の課題だったスタミナ面を克服しての勝利は大きい。アテにはし辛いが、今後期待できる一頭だ。ドングリは平地力を生かして2着になだれ込む。メンバー次第でオープンでもやれることを証明した。 惨敗続きだったウチュウノキセキもあわや2着かと思わせるレース。中山コースが大きくプラスに作用したのだろうか? メジロバルカンは最後追い込むも、位置どりがやや後ろすぎたのだろうか、伸び切れなかった。 ダブルサンキューは斤量差もあり、最後甘くなった。チアズロッキーはまだまだ本調子には遠そうだ。

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佐藤年毅騎手、初騎乗が障害競走!

 99年デビューの騎手の一人、佐藤年毅騎手は初騎乗が障害競走という珍しいデビューを果たした。その初騎乗馬・カオスは後方からポツンと追走しただけの最下位に終わったが、 まずは無事にデビューを果たしホッとしている事だろう。障害競走でも今後の活躍が期待できそうだ。


金折騎手、出津騎手が騎乗停止

 3月6日、阪神5Rの障害未勝利戦にて金折騎手はジュニアプリンスに騎乗したが、たすきコースの入り口から急に内側に斜行し、ロングマルチの進路を妨害したため、3月13、14日の2日間騎乗停止となった。 また同レースで出津騎手はイアラハリケーンに騎乗したが、最後の直線走路でのムチの使用について騎手としての注意義務を怠ったとして、7日から20日までの4日間騎乗停止となった。 そのため、2人ともに3月14日に行われる阪神スプリングJに騎乗できなくなってしまった。


ウインドフィールズ入障も・・・

 7日、中山5Rの未勝利戦で、ウインドフィールズが障害競走に参戦してきた。同馬は平成6年のセントライト記念の勝ち馬で、菊花賞4着の実力馬である。 3年以上勝ち星から遠ざかっているものの平地力上位は明白で、9歳馬ながらも1番人気に支持された。最終障害で落馬してしまい、久々の勝利はならなかった。 馬も無事みたいなので、次に期待したい。
 また、平成6年のセントライト記念と言えば、そのレースの2着馬のラグビーカイザーも障害入りしており、平地のG ll レースで1、2着した馬が揃って障害入りするという珍しいケースとなった。


インターナショナルジャンプジョッキーズ競走の招待騎手が決定!

 4月3日(土)に阪神、4日(日)に中山でそれぞれ行われるインターナショナルジャンプジョッキーズ競走(昨年までの旧国際障害騎手招待競走)の招待騎手5人が発表になった。招待騎手は次の通り。

名 前出 身出 場生年月日
オーストラリア代表ウェイン・スミスオーストラリア初出場1966. 4. 5
オーストラリア代表ウィリー・ハーネットアイルランド3度目1968. 8.10
フランス代表アンヌ・ソフィ マドレーヌフランス初出場1972. 4.15
アイルランド代表デイヴィッド・ケーシーアイルランド2度目1976. 3.29
アイルランド代表キアラン・ゴールアイルランド初出場1973. 8.22



ポレール骨折、このまま引退か?

 阪神スプリングJに出走登録のあったポレールは、3月11日の調教中に左第1指骨を骨折。 翌12日に手術が施された。容体は分からないが、流動的にこのまま引退となりそうだ。引退の場合は中山で誘導馬として第2の人生を送ることとなりそうだ。
 同馬はご存知の通り、中山大障害3連覇を含む重賞5勝の名障害馬。引退となると、非常に寂しい気がするのはファン誰もが思っていることだろう。


初代障害グレード競走(G ll)制覇はファイブポインター!!
 (3/14・阪神10R 阪神スプリングジャンプ)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着ファイブポインター59岡富 俊一牡・54:18.1
2着ゴッドスピード62西谷 誠牡・64:18.73. 1/2
3着11ケイティタイガー63田中 剛牡・114:19.5
4着12イチバンリュウ62酒井 浩牡・64:19.5  アタマ
5着イブキハイシーザー60林 満明牡・84:19.71. 1/4
6着デピュティスズカ60北沢 伸也牡・64:19.7  クビ
7着シロキタガリバー59合谷 喜壮牡・54:19.7  ハナ10
8着シャンパンファイト60熊沢 重文牡・94:19.7  ハナ
9着10ロングフォーウィン59藤井 正輝牡・54:19.91. 1/211
10着ヨイドレテンシ60嘉堂 信雄牡・64:20.0  1/213
11着14ビクトリーアップ63横山 義行セ・74:20.1  クビ
12着バンダムフェイマス60石山 繁牡・84:20.31. 1/212
13着13オンワードアトゥ60小林 徹弥牡・74:20.4  1/214
14着ホッカイラモー60大江原 隆牡・74:22.8大差
単 (6) 1180     複 (6) 270 (8) 120 (11) 440
枠 4−5  310     馬 6−8  790晴・良
(レース)
 横一線に広がって飛越した最初の可動式障害でファイブポインターが素晴らしい飛越を見せ、ハナを奪った。ケイティタイガーも積極的に前に付けた。イチバンリュウも先行集団で、 ゴッドスピードは絶好の4、5番手。それをぴったりマークしたデピュティスズカが続く。正面に向いても、たすきコースでも馬群がひとかたまりのスローペースだったが、14頭それぞれが迫力ある飛越を見せて緊迫したレースとなった。 順回りに入り3角辺りでゴッドスピードがスパート。それに合わせてデピュティスズカも押し上げ、一気にペースが速くなった。逃げるファイブポインターもまだまだ手応え十分。最終障害の可動式障害で突き離すと、最後は外へ膨れながらも脚色に乱れはなかった。 追ってきたゴッドスピードを逆に3馬身半突き離す快勝劇を演じた。岡富騎手もゴール前10m前ほどでガッツポーズが出た。会心のレースでファイブポインターが障害初グレード重賞を制し、新たな歴史の1ページ目にその名を刻んだ。

(結果分析)
 道中うまくスローに落として逃げ切ったファイブポインター。スタミナにやや不安があった同馬だけに、マイペースにできたのが一番の勝因であった。阪神コースは3戦3勝とコースが合っていた点も見逃せないが、最後の直線でゴッドスピード以下を突き離したのには正直驚いた。 まさに今回はこの馬の持ち味である「巧飛+スピード」を存分に生かし切ったレースだっただろう。次はG l 制覇へ向けて中山に挑むことになるのだろうか? 苦戦が強いられそうだが、ここを勝った勢いは見逃せない。2着に敗れたゴッドスピードは斤量差もあり、最後は捉え切れなかった。 しかし、うまく折り合いもつき、仕掛けどころも申し分なかっただけに勝ち馬が強かったということか。このレース振りなら中山でも勝ち負けになる。ケイティタイガーはとても11歳馬とは思えないレース振り。最後は前2頭に離されたものの、3着に踏ん張った。 中山大障害を含む重賞2勝馬の意地を見せつけた。上位馬の中で、一番中山向きの馬はこの馬で、今回のようなレースができればG l 制覇も決して夢物語ではないだろう。古豪健在を十分アピールした。イチバンリュウも2走目でやや上向いた。最後は思ったほど伸びなかったが、 京都大障害馬としての実力は見せてくれた。イブキハイシーザーも取り消し明けの前走とは一変した。デピュティスズカは年明けから同じようなレースを続けているが、疲れもあったのだろうか、最後伸び切れなかった。平地の上がり勝負は苦しいか。 シロキタガリバーは最後の伸びがまずまず。ここ3走ともに上がり3ハロン38秒台で上がってきており、前崩れになった時にチャンスが出そうだ。ビクトリーアップは休み明け&斤量の影響からか追走に苦しみ、最後も前残りの流れとなり伸び切れなかった。 ここを叩かれ、次走は定量戦・中山グランドジャンプとなるだろう。当然巻き返す力を持っており、一変を期待したい。バンダムフェイマスも3走目の今度こそは結果を出せるはず、軽視は禁物である。

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3/20・中山5R オープンの結果

着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手タイム着差人気
1812ウチュウノキセキ559成田 均3:44.29
268シャドウクリーク759山本 康志3:44.3  1/22
356サロンミュージック860田中 剛3:46.2大差6
411サンライトストーム761田口大二郎3:46.3  クビ4
544メジロファラオ762大江原 隆3:47.9103
6710ダブルサンキュー661横山 義行3:48.0  クビ5
7811ヨシベルウエザー659三浦 堅治3:48.21. 1/410
879フジミシドニー859栗原 洋一3:50.7大差12
967タイヨーテースト559酒井 浩3:52.6大差1
1055レディーリベロ757矢原 洋一3:52.81. 1/211
中止22ヒシラヴァー555▲佐藤年毅落 馬8
中止33メイショウクマタカ559西谷 誠落 馬7
単 (12) 3210     複 (12) 550 (8) 210 (6) 300
枠 6−8  1940     馬 8−12  6820小雨・重
(ひとこと)
 大方の予想通り、サンライトストームの大逃げでレースは流れた。後続馬はハイペースで脚をなし崩しに使い、道悪の影響もあって、なかなか差が詰まらなかったが、 2周目の向正面あたりからサンライトストームが失速。2番手に上がっていたウチュウノキセキと中団から徐々に進出してきたシャドウクリークがともに最終障害で前に並び、 芝コースでの直線では2頭のマッチレースとなった。平地力では見劣るウチュウノキセキだったが、最後の踏ん張りを見せてシャドウクリークを抑えて押し切った。
 京都、阪神では全く通用しなかったウチュウノキセキだったが、飛越力やスピードよりもスタミナが問われるこの中山コースでは3戦2勝と底を見せていない。 次は中山グランドジャンプへ挑戦するものと思われるが、たすきコースの2つの障害さえクリアすれば好勝負できるかも知れない。シャドウクリークは理想的な流れから一騎打ちに持ち込んだが、 最後は競り負けた。障害競走では持ち味の末脚はあまり生きないものの、それまでのスピードはまずまず。オープンでも通用する力はあるが、スタミナに課題を残す。サロンミュージックは時計がかかったため浮上。 しかし、やや力不足か。サンライトストームは背負っていた分失速したが、スピードは相変わらず。東京コースならば持ち味がより行かされる馬である。メジロファラオも同様に東京コースの方がいいタイプだが、 今回も負け過ぎの感。今年に入って精彩を欠く内容が続いており、目標のレース・中山グランドジャンプで巻き返しができるかは疑問である。 1番人気のタイヨーテーストは中山が合わなかったのか、まったく見せ場なしの惨敗だった。

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佐藤年毅騎手、落馬負傷

 20日の障害オープンでヒシラヴァーに騎乗した佐藤年毅騎手は最終障害で落馬した際に右股関節脱臼の重傷を負い全治2か月と診断された。 デビューしたばかりの佐藤年騎手にとっていきなりの試練となってしまったが、これに恐れず復帰後も障害競走での活躍を期待したい。


大江原騎手のJRA100勝とともに、古豪シャンパンファイト復活!
 (3/27・阪神5R オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着シャンパンファイト61大江原 隆牡・93:33.211
2着オンエア59植野 貴也牡・53:33.2  アタマ
3着バンダムフェイマス62西谷 誠牡・83:33.3  1/2
4着12フライトスズカ60北沢 伸也牡・83:33.4  クビ10
5着フィールドエフワン60小林 徹弥牡・83:33.9
6着13シンメイライコウ58佐伯 清久牝・63:34.11. 1/2
7着14ロングフォーウィン58藤井 正輝牡・53:34.41. 3/412
8着トキオワイルド60林 満明牡・63:34.9
9着11メジロバルカン60▲白浜雄造牡・73:35.0  1/2
10着ドングリ60嘉堂 信雄牡・73:37.2大差
11着オンワードアトゥ60高橋 康之牡・73:37.83. 1/214
12着10クラウドクロス59田口大二郎牡・53:38.6
13着ダンディウラノス59石山 繁牡・73:45.2大差13
中止エイシンフージン60川合 達彦牡・7落 馬
単 (9) 3850     複 (9) 780 (8) 560 (5) 590
枠 5−6  3360     馬 8−9  30710雨・重(ダ不良)
(レース)
 メンバー的にエイシンフージンがハナを奪う展開は予想通り。クラウドクロスが2番手という展開で流れる。トキオワイルドはやや出遅れたため後方からのレースとなった。シャンパンファイト、バンダムフェイマスがその後ろ3、4番手という展開。 たすきに入っても隊列にさほど変化は見られなかったが、順まわりに入って最初の障害でエイシンフージンが着地後に躓き落馬してややゴチャついたところからレースが動いた。先頭を並走していたクラウドクロスを交わしてシャンパンファイトが先頭に立った。 連れてバンダムフェイマスも上がっていくとクラウドクロスは一杯。シンメイライコウも前をマークする形で徐々に進出してきた。そのあとにオンエア、フィールドエフワンと続いた。 最終障害の飛越で後続を5馬身ほど離したシャンパンファイトが直線で押し切りを狙うも、外からバンダムフェイマス、内からオンエアが襲い掛かり、さらに後方からフライトスズカが突っ込んでくる。 最後やや一杯のシャンパンファイトだったが、何とか内のオンエアを抑えて逃げ切った。

(結果分析)
 シャンパンファイトは最近のレース振りが良くなってきていた。今回は早め先頭から押し切る積極的なレースで後続を抑え切った。飛越は低かったが安定しており問題はなく、同期のポレールの故障が彼を奮起させたのか?とも思わせる実力を発揮した。 (ポレールの勝った阪神障害Sの2着馬。)確かに恵まれた面もあるが、他馬より背負っていての勝利だけに実力勝ちと言える。ちなみに96年8月3日以来、約2年半ぶりの勝利。また、大江原騎手はこのレースでJRA通算100勝を達成した。 2着のオンエアも力のあるところを見せた。前走はいきなりの落馬であっさり終わってしまったが、その影響もなくまずまずの飛越。最後は持ち味の末脚をいかんなく発揮したが、馬場が締まっていた分届かなかったか。まともならオープンでも通用することが分かった。 今後は除外との戦いで、何とか2勝目を挙げたいところだ。バンダムフェイマスは3走目で変わった。飛越自体は巧く、スンナリ好位を進めるレース振りはセンスを感じさせる。最後は斤量差が響いたが内容は良かった。中山グランドジャンプでも何とかなりそうな飛越力はある。 フライトスズカは最後良く伸びたが4着まで。これまでは前々でレースを進めていたが、違う一面が見られた。平地力もあり、ようやく復調気配を示してきた実力馬に今後も期待がかかる。今回1番人気に推されたフィールドエフワンは初コースの戸惑いもあったか5着に敗れた。 最後は差を詰めており、そんなには負けてはいない。道悪の影響かやや着地が悪く、障害で離されてしまったのが痛かった。良馬場での巻き返しがありそうだ。シンメイライコウは最後伸び切れなかったが、飛越は上々。スタミナ次第。 ロングフォーウィンはいつも最後確実に伸びるも、阪神では京都ほど伸びが見られない。トキオワイルドは出遅れ(斜めにスタートを飛び出したように見えた・・・)が響き後方から。気分良く逃げた時に力を発揮する馬なだけに痛かった。 メジロバルカンは相変わらずの斜飛。阪神、重実績もあっただけに、敗因は分からない。ドングリはたすきコースで嘉堂騎手がムチを入れていたことから行き脚がなかったようだ。道悪の影響?

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大江原騎手、JRA通算100勝達成!

 関東の障害専門騎手である大江原隆騎手は、3月27日の阪神5R・障害オープンでシャンパンファイトに騎乗して勝利を収めJRA通算の100勝を達成した。インタビューでは、
 「先週は意識したが、今週は(100勝のことは)忘れていた。」
 「今日の勝ちが今までで一番うれしい。」
というコメントが聞かれた。次の目標は障害100勝ということだが、その前にまだ達成していない重賞制覇を目指してほしい。



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