cinema eye

『トゥルーマンショー』

鑑賞日99/9/15(ビデオ)
これは不思議な映画です。一見コメディのようでもあり、ヒューマンドラマのようでもあり、メディアを考える社会派映画でもあり、人生とは所詮一幕芝居と言いたいような哲学的映画のようでもあるからです。

もちろん内容はご存知のように、セットの街で育ち、生まれた時から人生の全てをテレビ番組として放映されてきたトゥルーマンの目覚めの物語なのですが、ジム・キャリーならではのコミカルでオーバーな演技が、かえってもっともらしく見えるのは、やはり全てがセットの中の出来事だからでしょうか。彼でなくてもこの映画は成り立つかも知れませんが、彼でなければ全く別の味わいの作品になっていたと思います。

テンポも良いし明るくてせつなくて、エンターテイメントの顔をした実は深い映画を作ったのがピーター・ウィアーだと知って、なるほどと思いました。『グリーンカード』のジェラール・ドバルデュー、『いまを生きる』のロビン・ウィリアムス、そしてこの映画のジム・キャリー。俳優の個性を最大限に生かすことができる達者なうまい監督です。

今回の木戸銭…1300円