cinema eye

『タイタンズを忘れない』

鑑賞日02/8/16(ビデオ)

 1971年アメリカの田舎町で他に先駆けて白人と黒人の高校が併合。アメフト部も当然のごとく白人と黒人の混成チームになります。当初はお互いに反発していたものの、黒人コーチの手腕でチームはひとつにまとまり、試合でも連勝。勝ち上がっていよいよ大詰め、という時に思わぬ悲劇が。。。

 実話を元にしたスポーツヒューマンドラマ。デンゼル・ワシントンの熱血コーチぶりが目を惹きますが、それ以外の脇役陣もそれぞれに個性的で、なかなか爽やかな作品に仕上がっています。またアメフトの試合や練習のシーンも本当に迫力があって、スポーツ映画を作らせたらやはりアメリカ人の右に出る者はないと感心します。

 ただ実話だけに逆に突っ込み不足な感も否めません。もっと当時の人種対立の激しさを描いて欲しいところですが、意外とあっさりとした描写なのは、当時の関係者がまだ生きているからでしょうか。あまり悪者を作ってしまうわけにもいかないでしょうからね。

 スポーツ映画の爽やかさとヒューマンドラマの暖かさ、そして社会派としての鋭さを兼ね備えた作品と呼びたいところですが、どれも中途半端に終わってしまっているのが惜しいところです。素材は良かったのに調理の腕がいま少し、といった印象でした。

今回の木戸銭…900円