cinema eye

『スピード2』

鑑賞日98/4/3(ビデオ)
 大ヒットした映画のパート2は、ほとんどの場合失敗に終わることが映画界の常識ですが、この映画もまた見事に駄作です。

 前作『スピード』はバスに仕掛けられた爆弾を巡ってのハードアクションでしたが、今回はスケールも大きく豪華客船が舞台になりました。しかし、スケールが大きくなった分、作品自体も随分大味になってしまい、何だか大がかりで派手な船のアクションシーンだけが印象に残る映画になってしまいまいました。

 悪いところはいくらでも指摘できます。脚本が悪いから全然ストーリーがぶち切れでまとまりがなく散漫です。演出が悪いから客船という閉鎖空間に乗り合わせた乗客やクルーのキャラクターが全然描き切れていないので、さっぱり映画が膨らみません。その上、役者に魅力がないために(前作のキアヌ・リーブスが良すぎたとは言え)、魅せられるという部分がありません。挙げ句に大金をかけたと思われる船のアクション(タンカーとの接触や港への突入シーン)も「どうやって撮ったんだろう」という思いはしますが、あまりスピード感も迫力もありません。そしてなにより『スピード』というタイトルに何ひとつ必然性がないことにガックリきました。

 同じ船のアクション映画なら『タイタニック』の方が数倍マシです。やはり安易なパート2映画は作っちゃダメですね。

  今回の木戸銭…700円