cinema eye
鑑賞日02/8/12(ビデオ)
浅田次郎の出世作『鉄道員(ぽっぽや)』を、降旗康男監督・高倉健主演で映画化したヒューマンドラマ。このコンビらしい名人芸で、浅田次郎の世界を見事に映像化しています。
原作は2時間の映画にするほど長い物語ではありませんが、映画では現在と過去をうまく繋いで、主役の佐藤乙松駅長にまつわる人間模様をうまく紡いでいます。このあたりは脚本の腕が冴えています。
原作も脚本もウエットな作品ですから、演技もかなり過剰です。高倉健の渋さはもちろんですが、大竹しのぶのカマトトすれすれの可憐さも、小林稔侍のホモぎりぎりの友情ぶりも、広末涼子の大根な演技も、全ては過剰でわかりやすく、見ている方は安心して感情移入できます。
多分中年以上の人には、心のツボをビシビシと攻めてくるような気がするでしょうし、若い人には、あまりのウエットさに少々胃がもたれるかも知れません。僕は結構喜んで見てしまいました。もう中年ですから。
今回の木戸銭…1200円