cinema eye

『パッチ・アダムズ』

鑑賞日00/2/5(ビデオ)
 実話を基にしたヒューマンドラマ。ロビン・ウィリアムズがもっとも得意とする役柄だけに、ぴたりとはまっています。ちょっとはまり過ぎているところが嫌味ですが。

 ハンター・アダムズは精神病院に入院して人を助けることに喜びを見出します。そして中年にも関わらず医大に入り直し、そこで権威主義的な医師像を覆すことに努力を続けていきます。「パッチ」というニックネームは、精神病院で紙コップにパッチを当てて直したところから。死を怖れず生を高めるために患者にパッチし続ける彼の生き方を象徴しています。

 先に書いたようにロビン・ウィリアムズは余りにもはまり役なために少々鼻につきます。ブリっ子演技は達者ではありますが、やり過ぎると気持ち悪いですね。ただパッチの医大での友人たちが実に個性的で良い味を出しています。同級生はもとより看護婦や患者、教授、学長まで、それぞれに存在感があって映画をしっかりと支えています。特に同級生でパッチと愛し合うカリン役のモニカ・ポッターが清楚で美しくて印象的でした。

 「医は仁術」という古い言葉を思い出せるような内容は特にこれから医師を志す医大生はもちろん、現役の医師にも是非見てもらいたい作品です。もっとも彼らには「理想はそうだけどね」なんて一言の元に片づけられてしまいそうな気もしますけど。アメリカでは実話でも日本では夢物語なのかも、と見終わったあと少し寂しくなりました。

今回の木戸銭…1300円